人生は10段変速の自転車みたいなもの

大多数の日本人が戦争を知らない世代となった今だからこそ、この話は多くの若い人たちにも読んで欲しいと思いました。戦争の残酷さを知るだけではなく、人びとはその中で何を思って戦争に望んだかを改めて知らされました。

軍国主義の政治的イデオロギーが確立された中で、人びとの本心の叫びがヒシヒシと伝わる素晴らしい作品であり、涙無くして読み終えることが出来ませんでした。

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この話は、特攻隊で亡くなった祖父の真実を知るために、姉弟が何人もの祖父の元戦友たちから話しを聞取りる形で進んでゆきます。誰の口からも祖父の宮部久蔵は凄腕のゼロ戦乗りであったことは間違いないが、「生きて帰りたい」と常に思う卑怯者と語る者も少なくありません。

しかし、何故卑怯者、臆病者のなじりを受け続けながらも、生きて帰ることに執着した宮部久蔵が特攻を志願したのか？本当の優しさと勇気が何であるかを読み進めるにつれて知るようになります。そして最後に、どんでん返しの結末が。。。

これは決して６０数年前の話というだけではなく、今の時代にも共通する人の心と日本人のメンタリティーに関する愛と勇気の物語です。

追記：
私は子供の頃に『零戦』に憧れてプラモデルを幾つも作りました。米軍に悪魔のように恐れられた零戦の素晴らしさについても改めて認識を深めました。


　　
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