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PEACEMAKER鐵 腐向け二次創作小説:愛しい人へ、ありがとう

2020.07.14
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「PECEMEKER鐵」二次創作です。

作者様・出版社様とは一切関係ありません。

ピスメでオメガバースパラレルです。
α土方さん×Ω沖田さんという設定です。
オメガバースについてはこちらを参考にしてください。
https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=41716092
・オメガバースに嫌悪感を抱かれている方は閲覧しないでください。
・性的描写ありなしに関わらず、オメガバース設定なのでR18設定とさせていただきます。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
・オメガバースに対する独自解釈ありです。
・色々と捏造設定ありなので、そういったものが苦手な方はご注意ください。
・オリジナルキャラ多数存在しますので、苦手な方はご注意ください。
「何でもいい」という方のみ、お読みください。

近藤達が上洛し、前川邸に屯所を構えてから数月が経った。

「総司、聞いたか?芹沢さん、菱屋の妾に手を出したらしいぜ。」
「芹沢さんが?何人目ですか、その人?」
「さぁな。それにしても芹沢さん、最近やり過ぎじゃねぇの?」
「そうそう、この前も角屋で大暴れして大変だったっていうじゃねぇか。」
朝稽古の後、井戸で身体を洗いながら原田、永倉、藤堂の三馬鹿トリオがそんな事を話していると、総司は背後から鋭い視線を感じて振り向いたが、そこには誰も居なかった。
「総司、どうした?」
「いいえ、何でもありません。」

(嫌な気配が一瞬したけれど、気の所為かな?)

「総司、ここに居たのか。」
「土方さん。」
背後から聞こえた声で総司が振り向くと、そこには何故か険しい表情を浮かべている土方の姿があった。
「どうしたんですか、そんなに怖い顔をして?」
「ちょっと俺の部屋に来い。」
土方はそう言うと、総司の腕を乱暴に掴んだ。
「お前ぇ、ちょっとは周りから狙われているって事を自覚しろ。」
「え、自覚ですか?」
総司が首を傾げなら土方の方を見ると、彼は苦虫を噛み潰したかのような顔をしていた。
「最近、芹沢がやり過ぎているという事は、お前も知っているだろう?」
「ええ。」
「あいつには、何も言われていないか?」
「ええ、何も言われていませんよ。」
「そうか・・」

土方は安堵の表情を浮かべながら、総司を見つめた。

芹沢は、土方と同じα(アルファ)だ。
彼が、時折Ω(オメガ)である総司に執拗な視線を送っている事に土方は気づいた。
その度に、土方は芹沢に向かって威圧フェロモンを出していた。
番となったΩは、番が居ないΩとは違い、発情フェロモンを出さない。
だが、芹沢は何故か総司のフェロモンを敏感に感じ取っているようなのだ。

(あいつは何者だ?)

「どうした、トシ?そんな怖い顔をして。」
「別に、何でもねぇよ。それよりも近藤さん、その文は?」
「会津藩から来た・・芹沢さんの事で、話したいことがあるそうだ。」
「そうか・・」

土方は眉間に深い皺を寄せ、溜息を吐いた。

芹沢の最近の横暴ぶりは、会津藩主であり京都守護職でもある松平容保の耳にも届いていた。
角屋で暴れて営業停止にした事や、大和屋を焼き討ちにした事などを受け、会津藩は芹沢の事を見過ごすことができなかったのだろう。

「これから色々と厄介な事になりそうだな。」
「ああ、そうだな。」

一方、総司は三馬鹿トリオと共に、ある場所に居た。

「なぁ総司、もう帰らねぇか?」
「まだ少し居たいです。うわぁ、これ限定のお菓子ですって!」

そう叫びながら総司が美味しそうな菓子の前に立った時、彼は誰かとぶつかってしまった。

「あ、すいません・・」
「其方、Ωだな?」

「え?」

総司がそう言って振り向くと、そこには精悍な顔立ちをした青年の姿があった。
年の頃は自分とさほど違わない。
そして、彼は恐らく言葉遣いから見て、自分と同じ江戸の生まれだ。
「あの、あなたは・・」
「辰之進(たつのしん)様、こちらにおられたのですか!お探ししましたよ!」
甲高い声がして、店の中に色白の十代の少年が入ってきた。
「済まない榮之助(けいのすけ)、京で美味しそうな甘味を見つけてしまったから、ついフラフラとこの店に迷い込んでしまった。」
「もう、勝手に何処かへ行かないでくださいよ!奥様にわたしが叱られてしまいます!」
「はは、すまん。榮之助、どれでも好きな菓子を買ってやるから、機嫌を直してくれ。」
「もう、子ども扱いしないでください!」

そう言って頬を膨らませている少年の姿が、幼い日の自分の姿と総司は重なった。

「総司、こんな所に居やがったのか!」
「土方さん、どうしてわたしがここに居るってわかったんですか?」
「あ、ごめぇん総司、土方さんにお前がここに居るって言ったの、俺。」
暖簾から少し顔を出した新八が、申し訳なさそうな口調でそう言って総司に向かって両手を合わせた。
「なかなか屯所に帰ってこねぇから心配したんだぞ。まさかお前ぇ、俺に隠れて甘味を買おうとしていやがったな!?」
「あはは、バレちゃいました?じゃぁ、土方さんに買って貰おうかなぁ?」
「てめぇ、調子に乗るんじゃねぇ!」

歳三はそう言って眉間に皺を寄せたが、結局総司が選んだ菓子を買って帰ったのだった。

「辰之進様、どうかされたのですか?」
「いや・・もう帰ろうか榮之助、余り遅くなっては母上に叱られてしまうからな。」
去り際、青年―市原辰之進は、華奢な青年の隣に立つ黒髪の男を見つめた。
刹那、二人の視線が絡み合い、辰之進は男の瞳の奥に宿る獣の存在に気付いた。

(この男、わたしと同じ・・)

「土方さん、どうかしたんですか?」
「いや、何でもない。それよりも総司、俺に黙って勝手に何処かへ行くなよ。」
「何ですか、それ。もしかしてわたしの首に鈴でもつける気ですか?」
「それはお前の今後の態度次第だな。」
「酷い~!」

そんなことを話しながら歳三と総司が屯所から戻ると、そこへちょうど芹沢が二人の前に通りかかった。

「おや、誰かと思ったら土方君と沖田君ではないか?」

芹沢はそう言うと、土方の隣に立っている総司を見た。

「これは芹沢さん、こんな時間帯にどちらへ?」
「ちょっとした野暮用(やぼよう)だ、君達が気にすることはない。」

芹沢は口元を少し歪めて笑うと、そのまま総司と土方に背を向けて去っていった。

「野暮用って何でしょうね?」
「さぁな。また騒ぎを起こさなきゃいいが・・」


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最終更新日  2021.01.03 22:54:35
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「PEACEMER鐵」二次小説です。

作者様・出版社様とは一切関係ありません。

ピスメでオメガバースパラレルです。
α土方さん×Ω沖田さんという設定です。
オメガバースについてはこちらを参考にしてください。
https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=41716092

<strong>性的描写ありなしに関わらず、オメガバース設定なのでR18設定とさせていただきます。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。</strong>
・オメガバースに対する独自解釈ありです。
・色々と捏造設定ありなので、そういったものが苦手な方はご注意ください。
・オリジナルキャラ多数存在しますので、苦手な方はご注意ください。
「何でもいい」という方のみ、お読みください。


1862(文久2)年、近藤をはじめとする試衛館の者達は、浪士組に加わる事となった。

「トシ、俺達は漸く武士になれるんだぞ!」
「あぁそうだな、勝っちゃん。」

夢に向かって京への旅路を歩く近藤と土方の背中を、総司は何処か遠い目で見つめていた。

「総司、どうしたんだ?」
「山南さん、何でもありませんよ。」
「少し顔色が悪いんじゃないのか?」

山南はそう言うと、総司の顔が少し蒼褪めている事に気づいた。

「後で薬をあげるから、それまで耐えてくれ。」
「はい・・」
山南は試衛館の中で近藤以外に唯一、総司がΩである事を知っていた。
「あ~、疲れたぁ!」
「新八っつぁん、酒でも飲んで旅の疲れをぱぁっと癒そうぜ!」
「いいねぇ左之、お前の奢りな!」
「新八っつぁんも左之さんもずりぃ、俺も混ぜてくれよ!」
宿に到着した原田・永倉・藤堂の三馬鹿トリオは、そう言うと宿の部屋から出て行った。
「それにしてもちと疲れたな、トシ。風呂にでも浸かってゆっくりとするか。」
「そうだな・・勝っちゃん、総司は何処に行ったんだ?」
「さっき体調が優れないから先に部屋で休むとか言ってたな。」
「そうか・・」
土方は総司の事が気になり、彼が泊まっている部屋へと向かった。
「総司、居るか?」
「土方さん・・」
襖の向こうから総司の苦しそうな声が聞こえ、土方はそっとそれを開けた。
「入るぞ。」
「お願い・・入らないで・・」
そう言って部屋の隅で膝を抱えて苦しそうに呻いている総司を見つけた土方は、彼の全身からあの時嗅(か)いだ花のような甘い香りがまた漂っている事に気づいた。
「総司、お前ぇ・・」
「お願い、出て行ってください・・」
噎(む)せかえるかのような甘い香りに、土方は総司がΩである事をこの時初めて知ったのだった。
「お前ぇ、薬はどうした?」
「山南さんがくれる筈だったんですが、まだ戻っていなくて・・土方さん、何をしているんですか?」
「さっきから頭がクラクラしてきて堪らねぇ・・総司、暫くこうしてくれねぇか?」
土方はそう言うと、総司を抱き締めた。
「やめて、離して!」
「総司、どうして俺に黙っていた?」
「嫌われたく、なかったんです。Ωである事を、土方さんに知られたら、わたしは・・」
「総司、お前ぇ・・」
「ずっと好きでした。でも、わたしは・・」
己の腕の中で震える総司の小さな背中を、土方は優しく撫でた。
「俺も、お前ぇの事が好きだ。」
「土方さん?」
総司が鳴き腫らした目で土方を見つめると、彼は苦しみに歪み、今にも泣きそうな顔をしていた。
「総司、どうして俺に黙ってた?俺が、そんな事で・・お前ぇがΩだと知って、俺がお前ぇを嫌いになる訳ねぇだろう!」
「土方さん・・」
「薬がねぇなら、他にお前ぇを楽にさせる方法があるぜ。」
そう言うと土方は、総司の唇を塞いだ。
「土方さん、何を・・」
「総司、俺はこれからお前ぇを抱く。」
「土方さん、わたしなんかでいいんですか?」
「馬鹿野郎、俺はずっとお前ぇだけだ・・心から契りたいと思っているのは。」
そう言った土方の目には、嘘はなかった。
「土方さん・・」
「総司、俺を信じろ。」
総司は涙を流しながら、土方の言葉に頷いた。
山南は総司に薬を渡すのを忘れていた事を思い出し、彼が泊まっている部屋へと向かった。
すると、襖の向こうから聞こえる微かな土方の呻き声と総司の喘ぎ声に、山南は中で何が行われているのかを察してもと来た道を戻った。
「山南さん、総司の様子はどうだった?」
「どうやら、土方君に任せておけば大丈夫みたいだ。」
「そうか・・」
総司の発情期(ヒート)が終わる七日の間、近藤は宿の者へ総司の部屋へ誰にも近づかないように頼んだ。
「総司、身体の方は大丈夫か?」
「ええ。」
総司はそう言って恥ずかしそうに俯いた。
そんな二人の様子を遠くから見つめながら、山南は何かを悟ったような表情を浮かべていた。
「沖田君、ちょっといいかい?」
「どうしたんですか、山南さん?」
「こんな事を聞くのは大変聞き辛いんだが・・君は土方君と番になったのかい?」
「それは、いくら山南さんでもお答えできません。」
「悪いことを聞いてしまったね。」
「いいえ。ご心配してくださり、ありがとうございました。」

そう言って自分に背を向けて歩き出す総司の髪が風に揺られ、微かに彼の白い項が露わになった。

そこには、番の印―αの噛み痕があった。

近藤達試衛館一派と、芹沢鴨をはじめとする水戸一派が京に着いたのは江戸を発ってから約一月後の事だった。

「何だかこれから楽しみですね、土方さん。」
「そうか?」
そう言って土方が総司の方を向いた時、背後から刺すような視線を感じた。
「どうしたんですか、土方さん?」
「いや、何でもねぇ。それよりも総司、芹沢には気をつけろ。」
「どうしてそんな事を言うんですか、土方さん?」
「何だか嫌な予感がするんだよ。絶対にあいつと二人きりにはなるなよ、わかったな?」
「はい、わかりました。」

京に到着した日の夜、芹沢達が居る八木邸の方で彼らが騒ぐ声が聞こえてきた。

「うるせぇ奴らだな。忠臣報国の士だが何だか知らねぇが、人の迷惑を考えやがれってんだ。」
「そんなに怒るな、トシ。」

土方は何処か芹沢にうさんくさいものを感じていた。

「総司、まだ起きているか?」

土方がそう言って総司の部屋へと向かうと、総司は既に夢の住人となっていた。

「ったく、布団も敷かずに寝やがって・・」

土方はクスクスと笑いながら総司の上に布団を掛けた。


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最終更新日  2021.01.03 22:51:49
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作者様・出版社様とは一切関係ありません。

ピスメでオメガバースパラレルです。
α土方さん×Ω沖田さんという設定です。

オメガバースについてはこちらを参考にしてください。
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・色々と捏造設定ありなので、そういったものが苦手な方はご注意ください。
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「何でもいい」という方のみ、お読みください。


試衛館きっての天才剣士・沖田総司には、誰にも言えない秘密があった。

それは―

「総司、どうした?」
「何でもありません・・」
いつものように朝稽古を終わらせた総司は、急に身体が火照ってきたのを感じてその場で蹲った。
「熱でもあるのか、総司・・」
「大丈夫ですから!」
心配そうに自分の額に触れようとする土方の手を総司は邪険に振り払うと、そのまま近藤が居る母屋へと走り去った。
「近藤さん・・」
「総司、どうした?」
「すいません、また・・」
「わかった。」
総司の様子を見た近藤は、後で薬を用意すると総司に言い、彼がある場所へと向かう事を許した。
そこは、総司がある期間中に使用する目的で作られた蔵だった。

(何で、わたしが・・わたしだけが・・)

Ω(オメガ)に生まれてしまったんだろう。

この世には、男女の他にα(アルファ)、β(ベータ)、Ωという第三の性が存在する。

人口の大半を占めるβ、人口の約1割を占め乍らも支配階級に属するα、そして“劣等種”として扱われ、人権すら認められていないΩ。
そのΩに、総司は生まれてしまった。
総司がΩである事を、姉達は隠した。
Ωである事が判れば、性別問わず性被害に遭い、最悪の場合殺されてしまうことがあった。
総司は姉達に守られ、試衛館に引き取られてからは近藤や土方に守られていた。
だが、どんなに二人に守られていても、自分は所詮“劣等種”なのだと、こんな時に総司は思い知らされるのだった。

(もう、こんな身体、嫌だ・・)

蔵の中で一人、総司は襲い掛かる発作に耐えていた。

Ωが“劣等種”と呼ばれ、蔑まれる理由―それは、三ヶ月に一度来る発情期により、生殖行為の事しか考えられなくなるからであった。
男女問わず子を産むことが出来るΩだが、その所為で長い歴史の中で蔑まれ、迫害されてきたのだった。
漸く19世紀に入ってΩの発情期の発作を抑える薬が開発されたが、それらは舶来品の上に非常に高価な物だったので、それに手を出せない庶民は自分達の力で、気休め程度の抑制剤を作るしかなかった。

「総司、薬を蔵の前に置いたからな。発作が落ち着いたら飲め。」
「ありがとうございます、近藤さん。」

閉ざされた闇の向こうから、近藤の優しい声が聞こえた。

「有難うございます、近藤さん。」

近藤が遠ざかる気配がしたのを確認した総司は、蔵の扉を開け、その前に置かれていた薬と湯呑が置いてある盆を手に取り、再び蔵の中へと入っていった。

自分がΩである事を、誰にも知られてはいけない。

それがたとえ、自分を守ってくれる土方であっても―

総司が蔵から出て来たのは、発情期(ヒート)が治まった七日後の事だった。

「総司、顔色が悪いぞ。少し部屋で休んだらどうだ?」
「はい、そうします。」
近藤の優しさを感じながら、総司は彼の優しさに甘え、自室で休むことにした。
総司がΩである事を知っているのは、姉達の他に、幼少の頃から世話になって居る近藤家の者達だけだった。
βである近藤は、Ωである総司を実の弟のように可愛がり、Ω故に世間から蔑んだ目で見られる総司の事を土方と共に常に守って来た。
幼い頃、近藤や土方の事を実の兄のように慕っていた総司だったが、それは初めての発情期の発作に襲われた時に変わった。

全身を襲う苦しみ、そして自分が自分ではなくなるような恐怖を味わった総司は、ただ泣く事しか出来なかった。

その時彼は、近藤に連れられて江戸に住んでいる蘭方医の下で治療を受け、そこで発情期の事や、その発作を抑える薬を処方された。

“君には辛いだろうが、Ωとして生まれた以上、一生薬を飲み続けなければならない。だが失望してはいけないよ。”

あれ以来、総司は発情期が来る前に蘭方医から薬を貰いに行っていたし、欠かさずにその薬を飲んでいた。
その度に、総司はΩである事を心から憎んだ。
だが、Ωでありながら総司には剣の才能があり、その才能だけが総司にとって心の拠り所となっていた。

「勝っちゃん、総司居るか?」
「歳、総司なら体調を崩して部屋で休んでいるぞ。」
「そうか。」

七日ぶりに試衛館を訪ねた土方は、最近総司が自分を避けている事に気づいた。

「なぁ近藤さん、俺ぁ総司に嫌われているような気がするんだが・・」
「そうか?トシ、その菓子、総司の好物だろう?」
「違ぇよ、俺が食いたくて買っただけだ。」
「わかったよ。総司は離れに居る。行って顔見せてやれ。」
近藤はそう言うと、土方の肩をポンと叩いて外へと出た。
「総司、起きてるか?」
「土方さん・・」
「お前ぇ、風邪はもう治ったみてぇだな。これ、良かったら一緒に食わねぇか?」
土方がそう言って総司に見せたのは、総司の好物の団子だった。
「有難うございます、土方さん。」
「なぁ総司、お前ぇ何か香でもつけているか?」
「いいえ、何もつけていませんけど?」
「そうか・・さっきお前から甘ぇ香りがしたんだが、気の所為か?」
「甘い・・香り?」

土方の言葉を聞いた総司は、かかりつけの蘭方医が昔自分に話してくれた番の事を思い出した。

“Ωはαと番(つがい)になると、フェロモンを発さなくなるが、極稀に『運命の番』というものが存在する。”
“運命の番・・ですか?”
“ああ。『運命の番』は、性別関係なく惹かれ合う・・そしてその運命には、何人にも逆らえない。”

(そんな・・まさか・・土方さんが・・わたしの、“運命の番”?)

「総司?」
「いいえ、何でもありません・・」



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