第10回:W杯報道に見る中国メディア事情第10回:W杯報道に見る中国メディア事情 今回は残念ながらワールドカップ(W杯)の出場権を逃した中国。そのため、初出場した2002年の日韓大会ほど世論は盛り上がらないのではないかと思いきや、今回も国全体が興奮状態になっています。テレビや新聞などのメディアでは連日各試合を大々的に取り上げていますし、バーやレストランはプラズマテレビや巨大スクリーンを購入し、「W杯観戦」を売りにして客寄せに必死です。今回は、ワールドカップに沸く中国メディア事情をレポートしたいと思います。 CCTV(中国中央電視台)では、W杯の全試合を放映しています。新聞、雑誌でもW杯の試合結果に大幅に紙面を割いています。例えば、6月13日付では、新京報で32ページ、華夏時報では15ページの特集を組んでおり、京華時報では別紙で8ページの特集記事を掲載しています。 この写真は6月13日付の新聞です。日豪戦の翌日ということもあり、どの新聞も大きく試合を取り上げていました。 中国最大のオンラインメディア、新浪(Sina.com)ではW杯専門サイトを開設しています。このサイトでは、各ニュースに掲示板が設置され、そこに閲覧者が書き込めるようになっています。ですので、各試合後にはユーザの感想が多く寄せられるのが特徴です。 今回はW杯で盛り上がる中国メディアの事情を紹介しました。メディアが盛り上がるということは、企業も大々的な宣伝活動を行うわけです。次回は中国におけるW杯期間中の外資系企業、中国企業の広告合戦をレポートしたいと思います。 <全15回> 第1回:広報担当者必読の中国広報事情 第2回:広報活動にともなうチャイナリスク 第3回:チャイナリスクの対応方法 第4回:社会貢献活動をPRすべし 第5回:欧米企業の社会貢献活動PRに学べ 第6回:中国でプレスリリースを発送する 第7回:中国メディア、記者対応の注意点は 第8回:大きい中国、市場はたくさん 第9回:中国でのPR戦略は多様化が必要 第10回:W杯報道に見る中国メディア事情 第11回:広告合戦勃発!外資vs中国 第12回:新聞雑誌、中国人はどこで買う? 第13回:中国のネット人口1億2300万人に 第14回:広報とホステスの深い関係 第15回:靖国参拝への中国メディアの反応 中国広報担当者向けのおすすめ書籍: 中国で「売れる会社」は世界で売れる! 著者:徐向東 出版社:徳間書店 価格:1575円 中国ビジネス最前線で活躍する徐向東さんの著書。最新事例満載です。 私の書評はこちら。 「ブランディング・イン・チャイナ」 著者:山下裕子 一橋大学BICプロジェクトチーム 出版社:東洋経済新報社 価格:2310円(税込) 21世紀、人口13億人の大消費市場、中国を舞台に世界規模のブランド競争が繰り広げられている。各ブランドはどのような戦略を持って中国市場に進出しているのかに迫り、そこから日本企業勝ち残りの方法を探る。 中国情報源(2006ー2007年版) 著者:21世紀中国総研 出版社:蒼蒼社 価格:3150円(税込) 中国を担当しているあらゆるビジネスマンに役立つ本です。1冊買っておいて、デスクに置いておきましょう。非常に便利な1冊です。 ジャンル別一覧
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