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じゃんす的北京好日子 東京編

じゃんす的北京好日子 東京編

第2回:広報活動にともなうチャイナリスク

  
第2回:広報活動にともなうチャイナリスク


  すべてのブランドメーカーは中国でPR活動を行うに際しては、リスク対応を考えておく必要があります。重視すべき点は「国家間の関係」と「消費者意識の高まり」です。

  米中関係や日中関係など、国と国との関係も非常に重要であります。いったん外交関係に変化が生じますと、それが企業活動に波及します。日本との関係がそうです。中国の人々は日本に対してマイナスの感情を持っています。この傾向は南部より特に北部に顕著です。北部の教育レベルの高い都市では、反日感情が非常に強いようです。

  現在までも多くの日系企業が槍玉に挙げられています。

JAL:JALが中国人旅行者をビザの関係から空港外に出せず、空港内に滞在させ、欧米人などは外出させたことから「人種差別をした」と非難された事件。中国メディアで大々的に報道されました。
東芝:「東芝ノートパソコン」が米国ユーザに関しては保障金を支払ったのにも関わらず中国ユーザに対して支払わなかったため、中国人消費者が激怒。中国メディアで大々的に報道。

 このほか、「西安寸劇事件」では日本人留学生の寸劇内容が中国人を侮辱していると批判され、最近では「アサヒビール」が 「新しい教科書を作る会」に同社の関係者が入っていたことを中国メディアに批判されました。

  いくつか反日のターゲットになった企業の例を挙げましたが、中国消費者との適切なコミュニケーションができていれば防げることもあります。例えば、JALは空港で一夜を明かした旅行客に対して、よかれと思いサンドイッチを提供しましたが、これは中国国内で「冷えきった料理を食べさせられた」と批判された。中国人が「冷たい料理」を好まないことを知っていて、暖かい料理を提供していれば状況は変わったかもしれません(セブンイレブンのサンドイッチを温めようとする客もいる)。また、現地に溶け込もうという姿勢を示さない企業も多く、横文字ブランドで中国で営業を始めている企業もあります。中国が漢字文化であり、英語ができる人々はほんの一部であることを認識しておくべきです。

  日本の方々は、日系企業のみが中国において非難の対象になりやすいと思っている方が多いかもしれません。しかし、日系企業以外でも多くの企業が批判対象になる場合があります。

マクドナルド:CM内で中国人客がマクドナルド店員に土下座のようなお願いをするシーンがあり、このシーンが中国国民の反発を招いた事件。

ネスレ:スイスの食品会社ネスレが中国の国家基準を満たさない粉ミルクを販売していたことが報じられ、中国消費者の反発を招く。

ケンタッキー:ケンタッキーの商品に使用が禁止されている色素が含まれていることが判明した。


<全15回>
第1回:広報担当者必読の中国広報事情
第2回:広報活動にともなうチャイナリスク
第3回:チャイナリスクの対応方法
第4回:社会貢献活動をPRすべし
第5回:欧米企業の社会貢献活動PRに学べ
第6回:中国でプレスリリースを発送する
第7回:中国メディア、記者対応の注意点は
第8回:大きい中国、市場はたくさん
第9回:中国でのPR戦略は多様化が必要
第10回:W杯報道に見る中国メディア事情
第11回:広告合戦勃発!外資vs中国
第12回:新聞雑誌、中国人はどこで買う?
第13回:中国のネット人口1億2300万人に
第14回:広報とホステスの深い関係
第15回:靖国参拝への中国メディアの反応


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