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マルス城から飛空挺を動かすための飛行石を手に入れて来いと言われ、旅に出てから約4ヶ月ほどの月日が流れていた。
俺達はやっとの思いで飛空挺を動かすために必要な動力である飛行石を手に持ち、ここマルス城下町の地へと戻ってきた。 「すげぇな。前に来たときよりも更に賑わってるな」 「そうね。完全に城下町というよりはマルス国全体がお祭り騒ぎって感じね」 「飛空挺の側でも完成したのかなぁ?」 「前に来た時点でほぼ完成してたっていうからそれはありそうだね。それで見世物にしてるのかも」 城まで延びる道を進んだ俺達だったが、前に来た時よりも確かに出店や人だかりは多くなってるように感じる。 中央の広場まで来ると、そこにはすんげぇ立派な飛空挺が鎮座していた。 前に来た時は外で作業している人の姿も見えたはずだが、今はその人たちの姿は全く見えない。 ということは?つまり、そういうことだよな? しかし、やっぱりというかなんというか、飛空挺の周りはすげぇ人だかりだな。 ロープで区切られ飛空挺の中だったり、近くまではいけないがそれでも以前よりはもっと間近まで近づくことが出来るようになってる。 「なぁ、もうこれって完成してんのか?」 丁度近くにいた人に声をかけると、その人は親切に教えてくれた。 「もう入れ物は完成している。後は動力となる飛行石が来るのを待つだけだ」 「そっか、あんがとよ」 お礼を言いつつその答えてくれた人のほうへ顔を向けてみたら、それは意外な人物だった。 茶色のロングヘア、頭に鉢巻のようなモノを巻いたとても真面目そうな俺たちのよく知ってる女騎士。イズーさんだったんだ。 いや、マルスに戻ってきて最速で彼女と会うなんて、運命を感じ・・・・ じゃなくて、ちょっと驚きだわ。いや、都合よすぎ。 で、その驚いたのは俺たちだけでなく、彼女もみたいだ。 まぁ、そうだよな。ずっと旅に出てた俺たちが目の前にいるんだから。 だが、彼女は俺たちだとわかると柔らかい笑みを浮かべてきた。 「ジル、ベリル。皆の帰りを待っていたぞ」 「あ、イズーだぁ♪やっほ♪」 「おぅ、ただいま。イズーさん」 「待たせたわねイズー。飛行石も無事手に入れてきたわよ」 「おいこら、抱きつくな暑苦しい」 「えぇ~・・・別にいいじゃん。イズーのけち~」 ナディーはゴソゴソと荷物の入った袋から15cm角の大きさの澄んだ美しい青色をした飛行石を取り出した。 ナディーが飛行石を取り出したのを見ると、ジルを思いっきり引っぺがしてたよw 「ほぉ‥‥これがそうなのか」 マジマジと近くでそれを見たイズーさんの口からは感嘆の声が漏れていた。 「さて、疲れて戻ってきたところ悪いが、早速城に寄って王に報告をしよう」 「んだな、んじゃ行くか」 俺たちはイズーさんに連れられてマルス城の中へと入り、そしてマルス王のいる謁見の間へとやってきた。 第143話 ただいまマルス城下町 その1.終わり その2.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年04月08日 00時05分02秒
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