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「・・・は?」
「ゲゲェー!?」 「う、うそ・・・なんでぇ!?」 うん、ナディーの魔法を受けたはずのデスゲイズはぴんぴんしてやがんだよ。 っていうかだぞ?確かエリーのホーリーでは普通にダメージを受けてたはずだよな? だが、ナディーの魔法を受けたデスゲイズはそのエリーの与えたダメージがなかったかのような状態に見える。 「えっ!?ちょ!何で?ねぇ、何でダメージ回復してんのよ。あたしのホーリーでは確かにダメージ受けてたわよね?」 「う、うん。何か回復してるように見えるんだけど、キノセイだよね?」 「ま、まっさかぁ……でも、そうじゃないとも言い切れないしねぇ。エリー・ナディールちゃん、もう1回魔法撃ってみて」 「わかったわ、フリーズアロー!」 エリーが超特大のフリーズアローをデスゲイズに向け放ち、それを受けたデスゲイズは大きな咆哮をあげながら苦しそうにしてる。 ふむ、やはりエリーの攻撃はちゃんと効いてるみてぇだが‥‥ 「いくよ!バーンエクスプロージョン!!」 続けてナディーのバーンエクスプロージョンが発動し、苦しみ悶えるデスゲイズを大きな爆発が包み込んでいったんだがな? その爆発が収まると、デスゲイズはやっぱりさっき受けたエリーのダメージがなかったことになってるのか。すげぇピンピンしてやがる。 「あれれぇ?やっぱりナディールちゃんの攻撃で回復してるっぽいねぇ」 どういうこった? 「きしゃぁあああああああああああああああ!」 ひときわ大きな咆哮をあげたデスゲイズは俺達の乗ってる飛空挺に全速力で近付き、そして体当たりをかましてきやがった。 「うわ、っとととととと・・・」 「何でナディーの魔法で回復してんのかしら?ねぇ、ナディー、ためしに別の魔法撃ってみて」 「あ、うん。わかったよ。ドンナー!!」 エリーに言われナディーはドンナーをデスゲイズに向けて放った。 「ぎゃおおおおおおおおおお」 「あら?やっぱり効いてるわね」 うん、ナディーの放った雷の直撃を受けたデスゲイズは苦しげな声をあげたんだ。 「ん、ちょっと行くわよ。ファイアボール!」 エリーの放ったファイアボールの直撃を翼で受けるとデスゲイズの傷が癒え回復してるように見える。 それを見たエリー様は何かに気付いたようだな。 「なるほど、やっぱりそういうことなのね」 「ん、どういうことなの?エリー」 「あのデスゲイズとかいうやつの翼は闇属性と炎属性を吸収して回復してるのよ」 「ふむふむ、なるほど。つまりそれ以外の属性で攻撃をすればいいんだよね」 ズシーン!! 「きゃっ!?」 デスゲイズの体当たりで飛空挺が大きく揺れ、俺はその場に倒れこんだ。 ぶにょん。 ん?何かやわらかい感触が。 「何だ?何があるんだ?」 とりあえず俺はその感触が何のモノなのか確かめる為、ムニムニと揉んでみた。 するとそれは俺の手の中で形をかえ、そしてそれと呼応するように、何故かエリーが切なそうななんともいえない声をあげてきたんだが? 「ん、あ・・・ちょ、ベ、ベリル・・・」 「う、うわぁ・・・ベリル君‥‥」 何故か冷ややかな視線を向けるジルとナディー。(´・ω・`)? 意味がわからない。とりあえず俺は下に視線を向けてみたんだ。 するとそこには顔をすげぇ真っ赤にさせて、恥ずかしさと怒り。両方を含んだ表情を俺に向けてきてるエリーを下敷きにしてたんだ。 んで、だ。恐る恐る俺は自分の手の方へ更に視線を落としてみたらだな。 俺はとんでもないことをしていたことに気づいた。 第148話 空の王者 その2.終わり 第149話 ・・・ふぅ。 その1.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年04月29日 06時38分30秒
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