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「な、なんだよ・・・何がおかしいんだよ」
何が可笑しいのかすげぇ嫌な笑いを続けるルシファー。 「前に戦った時と比べると確かに多少は出来るようになったみたいだな」 「あ、当たり前だろ」 「だが、まだまだだな。この程度の力では我を倒すことは出来ぬぞ」 ククク…… 笑いながら俺達の前に再び立ちはだかるルシファー。 「なっ!?ま、マジかよ・・・」 俺は目を疑った。 今しがた致命傷だと思っていたルシファーにつけられた胸部の大きな傷がみるみる塞がっていきやがったんだよ。 「今度は我の番だな。行くぞ!ショックウェイブ!!」 余裕の笑みを浮かべたルシファーが右手を前にかざすと同時に強い衝撃波が俺たちに対して襲い掛かってきた。 「わっ!ちょっ!まっ!!マジックバリア!!」 ナディーとエリーは咄嗟に自身の前に魔法障壁を展開しやり過ごした。 「ちぃ!油断すると吹き飛ばされそうだ」 俺とジルはしっかりと足を開きその場でルシファーの衝撃波を受けてたんだがな? そんな俺とジルの下へルシファーは一気に距離を詰めてきたんだ。 「そら、喰らうがよい」 踏ん張って身動きの取れない俺に向けルシファーは右拳を振りかざしてきた。 「ぐぅ・・・」 ルシファーの拳が俺の胸部を抉るようにめり込んだ。 いてぇ・・・何て攻撃だ。 あまりの痛さに苦悶の表情を浮かべる俺を見て、すげぇ嬉しそうな表情を浮かべ更にルシファーは攻撃をしかけようとした。 「はん!隙だらけよ!ホーリー!!」 ルシファーの周りに無数の光球が囲むように現れ、そして一斉にそれらがルシファーめがけて襲い掛かった。 「ふ、そのような魔法では我に傷ひとつつけられんぞ。マジックバリア!!」 俺への追撃の手を止め、無数の光球がルシファーに直撃する前にルシファーは魔法障壁を張り、エリーの超強力なホーリーをやり過ごした。 が、その隙を俺たちは見逃さなかった。 ホーリーを防ぐルシファーにジルはセイブ・ザ・クイーンを振り下ろしたが、それはルシファーに当たることはなかった。 更に続けてナディーの拳がルシファーに対し振るわれるが、その攻撃をルシファーは流れるような動きでその攻撃を捌きつづけた。 「ファイアボール!」 そのルシファーに横から飛んできた超巨大なファイアボールが当たり体勢を崩した。 「ちぃ!うっとおしい!!」 俺は万寿紗崋をふり攻撃をしかけたが、それは空を切っただけだった。 バックステップで俺たちとの距離を少し開けたルシファーはキッと強く睨みつけてきた。 「脆弱なる人間の分際で我とココまでやりあうとはな‥‥やるではないか、少し貴様等をみくびっていたようだ」 「ふふん、あたし達だってあの後から強くなってんのよ。当たり前じゃない」 「ケツァルコアトルの力を得たうち達を前のように簡単に倒せると思わないことだよ!」 「ルシファー、念仏は唱え終わったかしら?」 「これでもう君も終わりだよ!!」 「さぁ、トドメといくぜ!」 「ククク・・・何を言っている」 俺達の言葉を聞いたルシファーは何故か笑い出し始めたんだが? 「我の最強の魔法、忘れたとは言わせぬぞ」 そう言って詠唱を始めたルシファーだったが・・・ 「あ!」 「あの詠唱はメルトン!?」 そうだ、前回はあのメルトンを防ぐのでいっぱいいっぱいになって、それでナディーが魔力を使い切っちまったんだっけか。 まずいな…あれをどうにかしたいが、何かいい案は・・・ と、そん時だったよ。 「ふふん、あたしに任せなさい!」 ルシファーがメルトンの詠唱をはじめたのを見ると、自信満々にそのルシファーの詠唱を追うようにエリーも同じくメルトンの詠唱に入ったのだった。 第170話 これはいける? その2.終わり 第171話 最後の決戦!! その1.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年08月12日 05時38分39秒
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