アンチヒーロー[ANTI HERO](Episode 1)を観る。
■TBS日曜劇場/パラドックスエンターテインメント■ANTI HERO[ANTI HERO]/Episode 1(2024.4.14)/「接点」あらすじ↲拘置所の面会室で、「私が、あなたを無罪にして差し上げます」と、明墨法律事務所の明墨正樹(長谷川博己)弁護士。――坂口裁判長(井上肇)と姫野検事(馬場徹)らが待つ裁判所の一室に入る明墨。被害者は大田区にある羽木精工社長の羽木朝雄(山本浩司)。被告人は従業員の緋山啓太(岩田剛典)。罪名は殺人(刑法199条)。令和6年1月30日、21時45分頃、工場に隣接する自宅で緋山が羽根木社長を撲殺したとされる案件です。第一発見者であり、その直前の被害者と被告人の遣り取りを目撃していたのが尾形仁史(一ノ瀬ワタル)。彼の証言によると、残業させられていた緋山が「上がらせてください」と社長に言い、それに対して社長が「さっき言った仕事(切削加工)が終わったら帰って好いよ」と返答。その言い争いを物陰に隠れて尾形が聞いていると、そこからガシャンと物音がして、「片付けとけよ」と言って社長が退社、帰宅。他界した母親のことまで悪く言われた緋山が「殺す」と呟き、自宅に入ったところでハンマーで撲殺。そういう尾形証言に基く筋書きが、警察及び検察の見立てです。↲証拠としては、尾形証言の他、帰宅時の緋山の着衣変化(返り血を浴びた着衣を遺棄)が明らかな防犯カメラ映像、社長宅の緋山の指紋、被害者の爪の間の皮膚片が緋山のDNAと一致など。しかし、凶器のハンマーも、犯行時に緋山が着ていたとされるジャンパーも未発見であり、証拠品として提出されていません。いずれにせよ、日頃から社長に、「アホ、間抜け、怠け者」と罵られ、パワハラを受けていたのが殺害動機だというのが姫野検事の考えです。↲紫ノ宮飛鳥(堀田真由)弁護士と、新人の赤峰柊斗(北村匠海)弁護士が羽木精工に先行している明墨に合流。そこでは、従業員の佐藤涼(前原瑞樹)が社長の息子の湊と親し気にしています。で、第一発見者の尾形には、姫野検事の部下であるかのように振舞い話を聞きます。――「よく刑事ドラマでは第一発見者を疑えって言われます。あなたは、緋山さんが社長を殺したところを見ていたわけではない。……あなたが社長を殺したってことはないですよね?」と明墨が問うと、「そんなわけないだろ。俺は、あの時間、会社に置き忘れた眼鏡を取りに戻っただけ」と尾形は弁明。しかし、ギャンブル狂の尾形には150万円の借金があり、社長からも30万円を借りていました。その返済を巡るトラブルかとも疑えます。↲裁判員裁判の公判。坂口裁判長、姫野検察官を前に、明墨は、緋山が以前、社長宅に入っていたことを証明。その時に緋山の指紋が遺されたと主張。――社長の息子の湊がボールを棚上の犬の置物の陰に放って取れなくなった時、緋山を呼んでそれを回収していたことを言います。母、春子(馬渕英里何)の同意を得て湊を証言台に呼び、「何時もキャッチボールで遊んでくれるあのお兄ちゃん(緋山)に、家の棚の奥に乗ったボールを取って貰った」と言わせます。が、これは明墨が、湊の勘違いを誘発させたもの。湊とキャッチボールでよく遊び、そして、家に入れて、棚上のボールを取ってくれたのは佐藤涼だったのですが、その湊の記憶を、明墨が塗り替えていました。そして、更に明墨は、春子がイケメンの緋山に好意を持っていたことを指摘し、そのことを知った羽木社長が緋山に辛く当たり、それでパワハラになっていたのではないのかと責めていました。そういう戦略で、明墨は、息子の湊を証言台に向かわせることに同意させていました。↲尾形の尾行を明墨に命じられる赤峰。競馬場で偶然を装い尾形に接触する明墨。競馬で3連単を当て、30万円を入手。ガード下の喧しい居酒屋に尾形を誘い話を聞きます。居酒屋、カラオケ、交通整理と職を転々として来た職歴を聞き出します。「使えないと言ってはクビにされた。どいつもこいつも馬鹿にしやがって」と尾形。そんな会話を続けている中でトンチンカンな受け答えになることがあり、それで尾形の耳が悪いことを確認。↲第二回公判では尾形が呼ばれます。明墨が尾形に質問。尾形の証言の不確実性を証明する検証を行ないます。で、尾形の耳が悪いことが実証されます。あの夜、尾形は会社に戻った本当の理由を隠す為、「眼鏡を取りに戻った」と言っていましたが、それは姫野検事との綿密な口裏合わせによるものでした。本当は、眼鏡ではなく補聴器を取りに戻ったのですが、耳が悪いことで数々の会社をクビになっていた関係で、それを隠したかった尾形。尾形は、APD(聴覚情報処理障害)という病気を抱えていました。これは騒音の中での会話を聞き取れなくなる病です。だから、尾形は競馬場では貸し出しラジオの音声を何時もイヤホンで聞いていました。「話が違うじゃねえかよ。だから俺は最初から嫌だと言ったんだよ」と、口裏合わせをしていた姫野検事に掴み掛る尾形、退廷。休廷。↲姫野検事は尾形が耳の悪いことを承知でそれを隠していました。それを陪審員に知られれば、証言の信用性が損なわれますので隠していました。「耳の病のことはバレないようにするから、言われた通り証言してくれ」と尾形を言いくるめていた姫野検事。――廊下に出たところで尾形が、「俺に近付いたのは耳のことを調べる為だったのか? これで俺は、また職を失なうかも知れない」と明墨に詰め寄ります。明墨は裁判を勝つ為には何でもすると言い、そして、「病気を理由にクビにするのは不当解雇です。これまで、あなたをクビにした全ての会社に損害賠償請求をすれば、一千万円は勝ち取れる。酒を酌み交わした仲でもあるから、宜しければ、何時でも無償で損害賠償裁判を引き受けます。障害を理由に差別する者を絶対に許してはいけません」と、尾形に手を差し伸べます。↲