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2003年07月09日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 源氏の君は、優雅な香りを漂(ただよ)わせていました。それは、遠く離れた所からも源氏の君とわかる香りでした。

 源氏の君の子息・薫の君も「薫中将」と呼ばれる通り、いつもほのかな香りを漂(ただよ)わせていました。

 でも、二人の香りの中身は違います。

 源氏の君の香りは、多くの唐櫃(からひつ)の中に収められている花や香木などの木々の香りが衣(ころも)に移った人工的なものでした。

 今で言えば、香りの「移り香」のようなものです。
 
 しかし、薫の君の「香り」は、身体(からだ)から発する「人香(ひとが)」と呼ばれる「芳香(ほうこう)」でした。

 薫の君の身体から発する「芳香」は、「百歩離れた場所からもわかるようだ」と「匂宮(におうのみや)」の巻に記されています。
 下の原文の写真1行15字目から2行9字目まで。

源氏の君と匂宮の香り・匂宮8a

「まことに、百ぶ(歩)のほか(外)も、かほ(香)里(り)ぬべき心ちしける」

 原文の現代語訳は次の通りです。

「薫の君の人香(ひとが)の芳香(ほうこう)は、ほんとうに百歩離れた所まで香るように感じられる」

 薫の君の身体から発する芳香(ほうこう)は、薫の君がどこにいてもわかるほどなので、あえて草花のような「香物」を使用してはいません。

 つまり、薫の君にとって、香水などは不要ということです。下の原文の写真4行6字目から6行末尾までにおいて、そのことが記されております。

「ひと(人)にまさらんとつくろひ用意すべかめるを、
 かくかたはなるまでうち忍び立(たち)よ(寄)らんも、 物のくま(隈)も志(し)るき
 ほのめきかくれあるましきに」

源氏の君と匂宮の香り・匂宮8a拡大

 原文の現代語訳は次の通りです。

「薫の君は、人香(ひとが)の芳香を漂わせているので、
 忍んで歩いてもどこにも隠れようがない。
 そのことをわずらわしいと思っているから、
 あえて香(こう)をたきしめることもない」

備考:唐櫃(からひつ)は、衣(ころも)入れる大きな衣装箱です。





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最終更新日  2003年07月10日 00時42分17秒
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