テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:ドイツ生活
6月半ば頃、「ボウリングとブラウンシュヴァイク」という日記を3回に分けて書いたことがある。
その中で紹介したのがこの「ケーゲル」という競技である。前回の日記と重複するが、「ケーゲル」とはボウリングの前身にあたり、現代ボウリングが10ピンなのに対し、ケーゲルは9ピンで行う。この9ピンのルールを定めたのはかの宗教改革者マルティン・ルターであり、別名「九柱戯」とも呼ばれる。 ヨーロッパで大流行し、モーツァルトもケーゲルを楽しんでいたようである。(ピアノ三重奏曲 変ホ長調 K498 はケーゲルをしながら作曲したという逸話から「九柱戯トリオ」と呼ばれている) ドイツにはいくつもケーゲル場があるがそれらとボウリング場ははっきり区別され同じ施設に共存することはほとんどない。 というわけで僕は以前からこのケーゲルにかなり興味があった。そして先週「ヨーロッパキリスト者の集い」という教会関連の合宿があり、その施設の中にケーゲル場があった。 参加していたメンバーの中にケーゲル経験者がいて、その人と一緒にケーゲルというものをやってみようということになった。 日本ではめったにできない経験ということで他にも興味をもった人が数名いて、結局大人数でゲームをすることになった。 ケーゲルとボウリングの大きな違いの一つはクーゲル(球)である。 クーゲルはソフトボールより少し大きく、指を入れる穴が無い。そこでこの写真のように大きく手のひらをひろげてその上にのせるようにして持つ。 重さはだいたい重量投げの球くらい。ボウリングに慣れている人には少々扱いにくいであろう。 レーンのことを「ケーゲルバーン」という。ボウリングのレーンより大分幅が狭く、写真のようにヒモを張ったゲートの下にクーゲルをくぐらせるのが特徴的である。バーンはやや凹型になっているのか、狭いわりにはあまりガーターしない。 バーンの上にボールをのせるようにして走らせるのがコツらしい。球を回転させても近代ボウリングほどの効果はないそうである。 現代ボウリングが10本のピンを逆三角形に並べているのに対し、ケーゲルは9本のピンを菱形に並べてある。この形は逆三角形に比べてストライクが出しにくい。 ケーゲルのルールではスペアが3回まであるらしい。ピンはヒモで吊るされている構造でクーゲルが奥まで入ると一旦ピンが上に引き上げられてまた降りてくる。クーゲルは自動的に手元に戻されている。 倒れたピンの位置は上の電光板で確認できるようになっている。ストライクが出ると特別な表示が出る仕掛けのようだったが我々は残念ながらだれひとりストライクを出すことが出来なかった。 全体的に近代ボウリング場に比べるとどこか素朴な感じがした。たしかに全自動式ではあるのだが・・・。 それだけにボウリングにはない面白さがあった。というよりむしろボウリングより数倍楽しめた。また時間内何投してもよいところも気軽に楽しめるところである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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