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カテゴリ:クラシック音楽
ハイドンと言えば「交響曲の父」とか、弦楽四重奏曲の形式を完成させた大作曲家だと音楽の授業で習いましたが、私は長い間バロックからベートーベンに至るまでの通過点のいち音楽家だと思っていました。
若いときに聴いた印象と言えば、古くさい退屈な交響曲だなあ・・・・くらいの印象しかなかったのです。ところが歳を経るにつれてハイドンの音楽に魅力を感じ出しました。 ハイドンの音楽には整った形式から来る安心できる健全な精神の発露があり、聴くたびに幸せな気分になります。 これはハイドンのほとんど全ての曲から感じられるもので、たとえ短調の曲であっても暗さは微塵もなく、生きているのが楽しくなるような音楽ばかりです。 私事になりますが、以前商売に失敗し経済的、精神的にどん底に落ち込んだ時、どれだけハイドンの音楽に癒されたか知れません。生きる希望をもらいました。そのとき以来ハイドンの音楽が大好きになったのです。・・・・・・・ 今までハイドンのほとんどの交響曲や四重奏曲を聴いてきましたが、ハイドンの精神の健全さはどんな曲からも感じることが出来ます。 ほとんど全生涯に渡って書き続けられた交響曲は第1番から最後の104番まで、ほとんど同じ雰囲気で書かれており、人に言わせれば「進歩のない」とか「代わり映えのしない作風」だとも思われるでしょうが、よく聴けば聴くほど味わい深い見事な芸術作品なのです。まさに職人のつくる名人技なのです。名人には駄作というものがあるはずがありません。 例えていえば、長年熟成を重ねた芳醇な味わいのあるワインのようなものかも知れません。 今日も香り高いワインを味わうかのように、ハイドンのパリ交響曲集を聴いています。 ★ドラティ/ハイドン:交響曲全集 ![]() ★ハイドン:パリ交響曲集3CD〔第82番「熊」~第87番〕 ![]() ★カラヤン/ハイドン:ロンドン交響曲集5CD ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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