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カテゴリ:クラシック音楽
高校一年生の時、音楽室で聞かされたこの曲には強烈な印象が残っています。
第1楽章の出だしから全オーケストラが壮大なメロディを奏する間、ピアノは和音を両手で叩きつけるだけなのです。こんな斬新な開始の音楽を始めて耳にした時は本当に驚いてしまいました。それからと言うもの、この曲の開始のメロディが耳から離れることがありませんでした。 この魅力的な冒頭のメロディも導入部分のみで二度と出てきません。豪快で独創的また繊細なロシア情緒たっぷりの第2楽章とチャイコフスキーの魅力いっぱいのこの協奏曲は、音楽史上もっとも有名で、また人気のあるものではないでしょうか。 今でこそピアノ協奏曲の傑作とされているこの曲も、作曲から初演に至るまでは苦労の連続でした。モスクワ音楽院の院長で友人でもあるニコライ・ルビンシュテインにこの草稿を披露したところ「無価値で全く演奏不能」そして全面的に書き直すようにとの忠告にチャイコフスキーは深く傷つきそして激怒して、楽譜を全く変更せずに、ドイツの指揮者兼ピアニストのハンス・フォン・ビューローに捧げたのです。ハンス・ビューローはこの曲の素晴らしさを感じ取りアメリカを皮切りにこの曲を持って世界中を回り大成功を収めました。 もしこの曲が、友人の忠告を聞き前面的に書き直していたら、現在のように有名になったでしょうか?多分凡庸なつまらない協奏曲になったに違いありません。私はチャイコフスキーが頑固に自分を信じて出版したことに感謝したい気持ちです。それほど、この協奏曲は素晴らしいですね。 私の愛聴盤はカラヤン指揮ウィーン交響楽団とロシアの巨匠リヒテルとの火花が飛び散るような共演盤が心に残っています。いや、共演というより”競演”と言った方がいいかも知れません。 新しい録音では奇才アルゲリッチの演奏も素晴らしいものです。 ★リヒテル/ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番| チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 ★アルゲリッチ/チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番| シューマン:ピアノ協奏曲 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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