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テーマ:野鳥好きっ♪(16250)
田尻(2007)が述べているようトモエガモは、極東アジアにのみ分布.東部シベリアを中心に繁殖し、東はチュコト半島からカムチャツカ半島,西はエニセイ川流域まで.越冬地は朝鮮半島西~南岸の湖沼、中国南西部、日本では主に本州日本海側と九州北部で越冬するガンカモ科の鳥類です。 近年、千葉県印旛沼にトモエガモがの大群が飛来することで知られていますが。 2016年以前は姿を見かけないか、限られた個体数が記録されるのみでした。ところが、2019年以降、個体数が急激に増加しています。今シーズンの動向が注目されます。 (絶滅が危惧された時代) トモエガモは、かつては環境省(2002)が報告しているように1930年前後を境に渡来数が急激に減少し、国内に飛来していたトモエガモの個体数は1000から2000羽飛来していたものが1990年代前半には300から400羽に落ち込んだと報告しています。さらに、先行きを注視する必要があるとして絶滅危惧種Ⅱに区分されました。 (日本の越冬数が増加) ところが、環境省(2021)が実施したガンカモ科調査の結果、2010年ごろから数千羽以上のサイズの群れの記録が増え、神山・櫻井(2023)が報告しているように2017/18年の越冬期から急に数が増えていると述べ、最大の越冬地韓国の最近10年くらいの越冬数は毎年30-40万羽で安定しており韓国の越冬群が日本へ分散してきたのではなく、トモエガモの総数が増えたために日本の越冬数が増加した可能性を指摘しています。 (印旛沼の越冬個体数) 環境省(2021)は、調査地以外でも千葉県北印旛沼で毎年数千~数万羽が飛来しているとの情報もあり 、太平洋側でも飛来数の多い場所があるかもしれないと記しています。 印旛沼での観察記録(私信、未発表)を振り返ると、2016年12月24日に10羽、2019年12月28日に沼で1羽、沼近郊の公園の池で38羽、2020年2月29日に636羽、2021年11月28日8988羽を観察しています。それが、2021年12月19日に3万羽を超える個体数、2022年1月13日5万羽を超える個体数、2023年12月13日64000羽の個体数を記録しています。 印旛沼では2019年から2020年冬に増加傾向が見られ、2021年11月に急増しました。 (他地域の動向) 読売新聞(2024)が報じた記事によると、2024年1月に島根県内7か所で水鳥個体数調査の結果では2022年度より6万9043羽多い11万9458羽の野鳥をち約半分がトモエガモで、このうち宍道湖では5万8000羽だった。県によると、県内7か所のトモエガモは19年度が2羽、20年度が8002羽、21年度が000羽、22年度が4023羽で今年度の数が突出していると述べています。 (読売新聞2024/01/18) (引用) 環境省.2002.改訂日本の絶滅のおそれのある野生生物.p150-151. 田尻浩伸.2007.トモエガモ Bird Research News Vol.4 No.12.p4-5. 環境省.2021.モニタリングサイト1000 ガンカモ類調査 ニュースレター 2021年10月発行. 神山和夫・櫻井佳明.2023.トモエガモ全国調査がスタート. バードリサーチ 水鳥通信.2023年1月号.p1. (写真)2枚とも2024年1月27日印旛沼で撮影 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.10.25 11:29:03
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