かかづのばかもやすみやすみ

　AGEの3話を見たんですが、個人的に『どうしてそんなに叩かれるのか分からない』というのが、自分の思うところです。

　いや、なんかこう手堅い展開で、死ぬべき人が死んで次回の引きもちゃんとあるし、予定調和的なのはいつものことですし、私的な文句の付け所はそれなりにあるでしょうけど、グダグダにはならなさそうだから文字通りこれからじゃないですかね。

　まあ、シンプルに今のところすごく好印象なんですよ、AGEって。

　で、監督へのツィッター内容を精査すると、『単純に面白く無い』という人はともかく、『宇宙世紀と比較して～』というのが発言としてとにかく目立つ。こういう角度からの文句の付け方というのは、非常に原理主義的で作品単体を殺してしまうんじゃないかと愚考します。

　特に、UCと比べるのは間違いじゃないかなー、予算や人員とか、あと客層とか全然違うし。

　もちろん『ガンダムじゃなかったら目に付かなかったかも』というコンテンツではあるのですが、ゲームっぽいためオリジナリティが足りなさそうだというのはさておいても、手堅い物語の構築をしているからいいんじゃないでしょうか。もちろん私自身の『逆鱗』的な部分に触れてちゃぶ台返ししてしまう可能性は否定できませんが。

　富野御大のガンダムから派生した他監督の宇宙世紀作品、例えば0083とか（恐ろしいことにまだフィルムセル画時代のものである。作画してたひと何人か死んだんじゃないだろうか）、ことUCに至ってはそれまでのTVシリーズも含め全ての宇宙世紀シリーズを観ておかないと本当の意味では楽しめないので、造語ですが元々の『情報圧』が違います。つーかUCで袖付きドライセンが例の奇想兵器ベーゴマ使ったりとか、視聴者のスイッチを押す場所がはっきり言って違う。

　あとは『リアル路線以外認めん！』という排他性も気持ち悪いです。表現としてがんばってるじゃん、『赤い血が作画されている』とか。

　まあ、ラストシーンのコロニー大爆発ちょっと考えちゃいましたけどね。「なんでこんなに爆発してんのー」という意味では。一応キロメートル単位の構造物ですから、核爆弾でも激発させないとならんのですが……そんな爆発なら脱出船や近在にあったガンダムも蒸発してます。

　ちなみに初代ガンダムが1話で真っ二つにしたザクが、爆発してコロニーの壁に穴を開けましたが、あれは明言されていないだけで『核爆発』だそうです。モビルスーツは核動力なので、富野調で鉄腕アトムが破壊されるとああなるということになります。UCの1話で擱坐したリゼルが爆発したのも同じ理由。ミノフスキー粒子でMSによる接近戦が起こるようになって、あちこち後付け設定は多いですけど、肉薄するような戦いになったら手足をもいで無力化するかコックピットをどにかするか無いシビアな世界なんですよ。し損じたらもろとも核爆発です。

　つーか、核爆発に焙煎されて無傷のガンダムがおかしい。背中側から熱線とか受けてたけど、ランドセルとか時々壊れてたやん。

　手塚治虫センセも、よくよく『被爆国』の日本で、鉄腕アトムをやったよなぁ……ある意味ものすごい皮肉ですし、アナーキーと言ってもいいかもしれません。

　話が逸れまくりですが、AGEってそんなに叩くような作品じゃないと思うんですよ。今のところ楽しめているし、どちらかというと『ゲーム的』な部分を削いでくれた方がいいのでは、と思うぐらい。まあ、RPGの商材ありきな部分はありますから、避けて通れないのでしょうけど。

　ただ、監督のTwitterによる大言壮語はやめたがいいと思います。なんというか、ヤマカンがやらかしているのと同じレベル。視聴者の神経を逆撫でしすぎです。

　とりあえず当面は見続けようかと。まあ自分の場合、見始めたらたいてい最後まで付き合っちゃうんで（ゆえにSEEDはクソ脚本に丸二年付き合ってしまった）、最終話を見たときちゃんと評価できることを祈ります。

　というわけで、トルネの『トル』の一つは私です。