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カテゴリ:現代俳句
第41回鴎座通信句会全句データ(互選用)
●互選選句五句。(全句のなかから5句を選んでください。互選は任意です。また互選できるのは投句者のみです。句番号と上五、および選句者名をお忘れなく。) ●選句締切 8月29日24時必着。メールまたはFAXでお願いします。メールアドレスは「鴎座」巻末に記載してあります。句番号はランダムに変換されたものです。(誤字脱字・類句などがありましたらご連絡ください)結果は全投句者にメールまたはFAXでお返しします。また次号「鴎座」に発表するとともにFACEBOOK・BLOGにも発表します。 2023年8月26日 鴎座俳句会 代表 松田ひろむ
〈第41回鴎座通信句会全句データ〉 句番号 作品 1夕蜩昭和は九十八年とや 2白桃の匂ひはいつもふいにくる 3歌舞伎町夏の終りの豪雨どど 4スマホゲーム美少女の顔ヘチマ 5歳の所為鰻蒲焼匂はない 6隕石がどこかに落ちて敬老日 7荒れ庭の季語見本市露しとど 8初秋や芝の広場は城の跡 9八十の暮らしたっぷり水を打つ 10いのこずちあのねあのねとついてくる 11台風や蹴出しまつわる総踊り 12黒揚羽児童の日記ドローンめく 13蛍の夜泉鏡花の夜叉ヶ池 14秋暑し北欧風の白い家 15敬老の日うんでもすんでもない家族 16飴色の火伏の札や茄子の紺 17無口な被爆マリアの百物語 18青胡桃娘の空の動き出す 19いつか処暑クルトンの歯触りに 20ビッグモーター消えてしまった草の花 21食べてみたいひみつ堂のかき氷 22炎天の黙祷七十八年目 23独り身の行く場所探す盂蘭盆会 24海水浴ママに怒りを迷子の子 25書き終えてこの手放れて星祭 26有明の草木膨らむ秋の空 27散歩道簾の奥の居間ゆかし 28朝早く涼風とともに息子来る 29満腹といふ後悔や秋の夜 30白肌に醤油一滴新豆腐 31打水の裾を濡らして胸騒ぎ 32白桃は赤子の尻のかたちかも 33急カーブに熊鈴の鳴り登山バス 34西瓜ざくざく夫の好物水キムチ 35暑すぎる七〇〇巻の写経など 36その私語のおさえきれずや秋乙女 37秋風や髪白くなる物価高 38私しかいない屋上大花火 39曼殊沙華赤く咲いても影は黒 40爪紅や憲法を骨まで愛す 41線香花火ポトンと落ちて夏終わる 42男にも貸して頂戴日傘(ひからかさ) 43朱を持たぬ絶滅危惧種の緋メダカ 44寝返りは皆でよいしょと葉月尽 45喜びはいつも後(あと)からちんちろりん 46沸騰化日本水没海月かな 47処理水のうすき塩味いわしぐも 48身ぎれいに生きているかと虫の声 49肩書はもともと無くて鰻食ぶ 50晩夏光和音といえど大吐息 51無防備で立つ故郷の白い靴 52訓練は死者をまたがぬ震災忌 53処理水放出ぱりっと乾く藍浴衣 54雨のシャワー浴びて木の葉に涼風かな 55蜩をそれ蜩の中に入る 56盆踊り見様見真似の三歳児 57地下道にひびく靴音夜学の子 58死ぬときは無理に笑わず遠花火 59係留のレクサスヨット主は今 60饒舌な手話の手語る風は秋 61蜘蛛の囲に綿菅かかる不死男の夜 62七十歳は進化の途中鉦叩 63石榴の実アルハンブラに誘われて 64キュロットの膝に傷バン夏の果て 65色爆ぜる昨日よ今朝の秋立てる 66夕日には染まらず白の曼殊沙華 67誕生日秋の蛍の恋ごころ 68板橋区ハキダメギクを拒めない 69桔梗(きちこう)の清く正しく美しく 70秋暑しレンジで納豆チャーハン風 71いさかひは水に流さん夏の果 72若き日の精進の跡夏休み 73まあだだよ秋はどこかにかくれんぼ 74電子辞書の電池切れです西鶴忌 75真贋をAIに聞く無月かな 76戦(いくさ)の「い」と生き死にの「い」や竈馬(いとど)鳴く 77滅亡を地球は願い星流る 78稲妻に脳細胞の若返る 79戦(いくさ)きざす赤唐辛子の矢は天に 80金木犀寄り道します乳母車 81いつまでも残暑どこまで赤信号 82月を見て恋の予感に気付くなり 83するすると帯解くように桃の皮 84台風が逸れ朝風呂の指定席 85地球が廻る万の原爆抱き廻る 86人にもね蜂の命のはかなさよ 87好き嫌いあってゴーヤのぶうらぶら 88残暑なりダリの時計のとけはじめ 89朝顔は誕生のごと虹掴む 90滴りや人影阻む能舞台 91白靴や金婚とうに過ぎたけど 92名づけられ台風右往左往せり 93戦前が座席指定でやってくる 94ひまわりが満開の子供食堂 95暑き日の巣鴨に住んで深呼吸 96つーるんと白玉母さんに会いたい 97原爆忌もつとやさしくしていたら 98冷麦や今日も三食食べました 99秋暑し素顔のわたし見たくない 100体毛と毛穴さわさわ秋の水 101戦するなとひまわりが総立ちに 102穂と揺れるやごのぬけがら今朝の秋 103立秋の色鉛筆を選りはじむ 104蓮の葉や天女の雫ころがりて 105香水で消さん戦(いくさ)のにほひなど 106打水とグラタン二秒の不足です 107かげろうは学徒か八月甲子園 108ほやほやのボーイフレンド登山地図 109部屋ごとの寒暖計の暑さかな 110江戸っ子は「ひ」が言えなくて秋祭 111栄一の百人の子や星月夜 112街はエルニーニョ庭には茗荷の子 113スウェーデンハウス見るたび天高し 114焙烙の迎え火に寄る子々孫々 115昨日から近くに秋の物価高 116外出し消毒コロナ負わされる 117御嶽の売店閉じて星月夜 118敗退を転進と呼び敗戦日 119アンサンブルぴたり息合い秋涼し 120横断に渡り切れない残暑かな 121秋朝の目覚めの音はバッハなり 122味噌汁と玄米二合茄子の花 123晩年の「たられば」の悔い蚯蚓鳴く 124くに・久尾・小亀もAmieよ鳳仙花 125見せかけの情は要らぬ日雷 126夏大根姉女房の棒手振り 127「九条」は遺産のすべて日々草 128菊日和色白なのは母譲り 129祈りとは迷路かげふみ鰯雲 130石畳靴の底はう残暑かな 131グラブから零れるボール大西日 132お互いの鼻に一筋夕化粧 133秋暑し赤道越えて旅の夢 134指舐めて色なき風の塩加減 135母箱に幼き胴着秋蛍 136手間かけたことを話して栗おこわ 137流燈や戻って来いと目で追って 138知恵の輪があっさり解けて小鳥来る 139かくれんぼ横丁あれは紅葉鮒 140塀上の目の合う蟷螂男前 141汗まみれ高校球児の坊主頭 142暑さに負けるな高校野球見る 143句集「ひろしま」ひらひら八月の満月光 144蝉しぐれ大佛次郎記念館 145舌頭に千転したる暑さかな 146大花火夜空いっぱい六百五十メートル 147とんぼうの真下をとぶやオスプレイ 148星月夜海の声きくふたりかな 149エレベーターの四隅に四人秋立てり 150無花果狙う大泥棒と目が合いぬ 151みせばやの花に襟裳の秋を知る 152打ち返す言の葉俳句甲子園 153薄められ放流さるる残暑かな 154はつあきの樹々はどこでも主人公 155爽やかや最期に君の香を肺に 156稲妻や記憶の底が晒されて 157果てのない炊事洗濯残暑かな 158野分かなこむら返りの午前四時 159駅ピアノぽろんと溜めて星月夜 160雲の峰コロナウイルス増え続く 161珊瑚樹の実のまだ青し長崎忌 162心の乱れすこし暑さのせいにして 163葉鶏頭二重瞼が重すぎる 164放出のあとのタンクを月の宿 165新走り息子に繋ぐ創業者 166からすうりひらく無呼吸症候群 167灯火親し家康にのめり二十巻 168教会の葉陰に青し無花果果 169涼新た感ですうっと針の糸 170王冠を箸置きにして月見豆 171汚染水鰻は黙って裁かれる 172海にトリチウム宙に曼珠沙華 173郊外の家の庭には凌霄の花 174終戦忌父母それぞれに物語 175無番地の尖閣諸島台風来 176揚羽蝶追いかけて少年に会いに行く 177流星の生まれるところウクライナ 178ねぶた祭DNAが弾き出て 179ほろ酔いの提灯ゆらぐ魂送り 180秋暑し手のシミ直す美容液 181先細る印税暮らしかなかなかな 182盆棚の奥より猫のお告げかな 183八十過ぎの体の歪み曼珠沙華 184綿菓子の雲を仰いだ赤とんぼ 185海向こう立山望みて万感なり 186この暑さ命を守る大仕事 187影踏みや妹(いも)と夜濯の母の側 188ひろしま忌目鼻たしかめてより黙祷 189石段に小鳥来る句兜太の句 190ねこじゃらしいい子わるい子地球の子 191遠雷や中国からもトリチウム 192八月の軍靴の遠く近くかな 193無責任体質何処より籔枯し 194悩み満帆蝉の声聞きまた一句 195姫女菀や群生したら幻想的 196わが齢母に重ねて彼岸花 197手にまとう大陸蛍鶴彬 198残る蚊の叩けば煤の軽ろさなり 199秋暑し体重すこし減らさねば 200もう一つの居場所探しの大花野 201秋虹の根っこのビルの薄化粧 202被爆光はだしのげんは偏向と 203未年生まれ未の刻のひつじ草 204行き場ない汚染の水に海冷めて 205夢二忌のポニーテールのより高く END
鴎座通信句会はウイズコロナ時代の新しい句会として注目されています。新しく通信句会に参加される方などもあって予想以上の成果が生まれています。今後も「鴎座通信句会」は独自の会として継続します。みなさんのご協力をよろしくお願いします。★締切は毎月24日です。 ご注意!「コロナ」は病名でも感染症名でもありません。太陽の光冠のことです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2023年08月26日 14時35分58秒
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