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国民と天皇と大日本帝国

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2009.11.08
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カテゴリ:大日本帝国興亡史
 カイロ会談とテヘラン会談について大本営政府連絡会議でも話し合われている、情報は各国のメディアやソ連・ドイツ等の各国の日本大使館からの報告等があると思われるが、ソ連の大使館からの報告が最も内容がないのかもしれない。

◇「ル・チ・ス及ル・チ・蒋会談に関する件 1943年12月4日 大本営政府連絡会議了解」(抜粋)
一.会談の経緯
 先ずル・チ・蒋会談カイロにて行はれ次て別個にル・チ・ス会談タブレス又はテヘラン(或はコーカサスか)にて開催せられあるが如く蒋は既に帰国せりと
 而して前者に於ては東亜の問題に関し協議せられ後者於ては主として欧州問題に就き協議せらるへきこと想察に難からす

二.観察
 1.ル・チ・ス会談行はれありとせば今次大戦勃発以来最初のことなるを以て米英ソの結束誇示に役立つべく其の政治的意義は甚大なるものあり之に依り曩のモスコー会談の成果を結実せしむるものと云ふべし即ちモスコー会談にてソ側の主張せる戦争期間の短縮換言すれば第二戦線の急速構成に関する要求か満足せらるる条件の下にスの出馬を見たるものと観察せられ従つて遠からず第二戦線の展開を見ることあるべし
   ル・チ・蒋会談は蒋を反枢軸側に慰撫抑留し併せてル・チ・ス会談の政治的効果を助成する為に開催せられたものと見るべく対日問題に関し米英ソ間に未だ完全なる意見を見あらざることは概ね察知し得るところなり
 2.本会談に併行して和平説流布せられあるとベルリン大空襲を見たる等より考察するにル・チ・ス会談に於て独に対する威嚇的の和平攻勢を開始する公算あるものと予想せらる即ち之に依り独国民の戦意を動揺せしむることあるべく殊に和平攻勢に伴ひて冬季攻勢、第二戦線構成等に成功せば其の影響を倍加するに至るべし
 3.万一右の風説真にして和平工作行はれありとせば大に警戒を要すべし而して右風説の真偽は兎も角逐次欧州に和平気運の動きつつある点は見逃し得ざるを以て今後の動向に関し注意を要すべし
 4.ル・チ・ス・蒋会談行はれざりしところより見ればソの対日態度には差当り変化なかりしものと判断せらる

三.当面の措置
 1.開戦二周年を期し内閣総理大臣より帝国戦争目的の道義性、戦争完遂の決意及大東亜の結集に関し談話を発表す
 2.十二月十一日三国協定記念日に際し日独に於て共同戦争完遂の決意を表明する如く措置す
 3.国内に於ては両会談に関する論評に就ては適当なる指導を行ふ
 4.大東亜諸国に対しては状況に応じ帝国の措置に同調せしむ
 5.最近敵側の病院戦撃沈問題等を捉へて其の非人道惨虐性を執拗に痛撃す
──「杉山メモ(下)」p518~より


〓勝手に独断と偏見〓

 「両会談に関し黙殺す」が12月4日の連絡会議で見られる、指導部の連合国の宣言等に対する基本的スタンスは「黙殺」か、ポツダム宣言に際しても鈴木首相が「黙殺」と言う言葉を使っている。

 連絡会議ではドイツが危ないの認識があり欧州での講和を恐れている、またソ連の動向に関して「ソの対日態度には差当り変化なかりしものと判断せらる」と認識しようとしている、会議内でドイツの敗北やドイツ降伏後の方策を討論することができない状態に思える。
 講和について具体的に話し合いが行なわれるのは、現実にドイツが敗北した後で少数の指導者により裏でソ連を窓口として進められる。
 ソ連がドイツの攻撃に耐えられなくなったら日本は対ソ戦参戦の予定だった、ソ連が同じ事を考えていないはずがない。

 連絡会議では連合国の会談に関して「論評を一切許さす」だったのが「適当に指導す」に修文されている、「三.当面の措置」の「大東亜諸国に対しては状況に応じ帝国の措置に同調せしむ」の記述があり、当時の政府・大本営は大東亜諸国の有力者や日本国民を表面上は自らの意に従わせる事を可能にしていたと推察す。

 連絡会議と天皇が恐れるのは欧州での講和で日本が取り残される事、天皇は日米開戦に際し「日独伊共同行動協定」締結を望んんでいる。

 ソ連が対日戦を始める事に関しては連絡会議で参謀総長が「12月8日及11日の声明に於てはソの態度に関しては一切触れさる如く細心の注意を払はれ度」と述べており陸軍はソ連との戦いを極度に恐れている、米国軍と主に戦うのは海軍、ソ連軍との戦いは主に陸軍。
 日米開戦前、陸軍は中国での失態を取り返したいがソ連とは戦いたくなかった、米国と海軍を戦わせて陸軍は南進で戦果を挙げて点数を稼ぐの考えが日米開戦の一つの要因だったと思えてくる。





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最終更新日  2009.11.08 09:31:05
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