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広い草原がありました。
地平線からオレンジ色の太陽が 昇り爽やかな朝がやって来ました。 高々と牧童の吹く角笛が 山々に、こだましました。 あちこちの小屋からは沢山の羊達が 雪崩のように集まって来ます。 春だと云うのにここでは 高原の冷たい風が吹き降ろして来ます。 良く聞いてご覧なさい。 きっと羊達の話声が聞こえて来るかも知れませんよ。 「あ~毎日同じ繰り返しで嫌になっちゃう。」 「ねえ、何か楽しい事は無いのかねぇ。」 ね、そんな声、聞こえませんか。 「君達、毎日そんなに退屈かい。」 突然牧童の少年の声が理解出来たので、 羊達は驚いて逃げ出しました。 すると少年は 「君達逃げないでよ。」 羊のリーダーが皆に声をかけました。 「皆、安心だよ。」 牧童の少年は言いました。 「何が不満なんだい。」 羊の一匹が言いました。 「毎日只草を食べ食べ。」 「そうだ、食べ食べ。つまらないよ。」 すると少年は 「はっはっはっは。」 大笑い。 羊達は 「め~め~め~。」 大騒ぎ。 あなたには羊達が何て言ってるか判りますか。 それを人の言葉に ほんやくしますと。 「何が可笑しいんだい。」 「そうだそうだ。」 判りませんでしたか。 ある羊が言いました。 「良い計画はあるのかい。」 すると少年は言いました。 「君達皆が一緒にできる事が良いね。」 羊達は 「め~め~め~。」 大騒ぎ。 今度は何て言ってるか きっと判るでしょう。 え、判らない? それでは、ほんやくします。 「楽しいや。」 「羊に生まれてよかった。」 「一体何をするんだい。」 「そうだね、皆でコーラスをやろうじゃないか。」 羊達は 「め~め~め~。」 「め~め~め~。」 「め~め~め~。」 大騒ぎ。 「少しうるさ過ぎないか!」 「反省。」 そんな事言ったかどうかは判りません。 「ぼくのパートは何かね。」 「そりゃ、良い声。うんテナーかね。」 「私はどこかしら。」 「愛らしい声だね。ソプラノだと思う。」 「儂の声も教えてくれ。」 「はいはい、あなたはバリトンですね。」 皆さんうきうき。 草原は特設の音楽会場。 ああ、草原の牧場では そんな楽しいお話があったのですね。 「め~め~め~。」 「め~め~め~。」 「め~め~め~。」 大騒ぎ。 「少しうるさ過ぎないか!」 「め~め~め~。」 「め~め~め~。」 「め~め~め~。」 大騒ぎ。 「め~め~め~。」 「め~め~め~。」 「め~め~め~。」 大騒ぎ。 「少しうるさ過ぎないか!」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.20 20:48:33
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