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カテゴリ:美の巨人たち
雪村(せっそん)は、16世紀後半に関東ならびに東北で活躍した画僧で、常陸国にて有力大名である佐竹氏の一族として生まれました。
宋・元時代の中国絵画を学び、著色(ちゃくしょく)の仏画を残しているのですが、そちらよりも水墨画で本領を発揮したといいます。 画風は中国画家の玉澗(ぎょっかん・最後の文字は実際には「日」ではなく「月」となります)からの影響があり、そこから奔放で動きのある独特な作風を生み出した瀟湘八景図(しょうしょうはっけいず)を得意としていたそうです。 この瀟湘八景図とは、洞庭湖に注ぎ込む2つの川である瀟水と湘江が合流する地点の8つの勝景を主題としています。 ・山市晴嵐・・・市の賑わい(旗が目印となっています) ・洞庭秋月・・・空に浮かぶ月 ・遠寺晩鐘・・・山の寺の鐘が鳴るところ ・瀟湘夜雨・・・しとしとと降る夜の雨 ・漁村夕照・・・のどかな漁村の風景 ・遠浦帰帆・・・遠く海上を帆船が行き交う ・平沙落雁・・・浜に雁が舞い降りる ・江王暮雪・・・山に雪が降り積もる様子 水墨画といえば朝靄がかかった状態の山間部を美しく描かれることが非常に多いわけですが、今回の絵でもその美しさが発揮されています。大自然ののどかな風景を壮大な屏風絵として描かれており、「ああ、やっぱり自然って美しいものなんだなぁ〜」・・・などと、改めて自然の偉大さを実感する次第であります。 「雪舟と宮本武蔵と水墨画〜岡山県立美術館湖と珠玉の名品〜」 仙台市博物館 2016年9月16日~10月30日 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.10.01 15:35:50
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