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カテゴリ:コイチの毎日
[ 10才のサンタクロース ]
小6 前川 琥壱知 「 10才を過ぎたらサンタさんは来ません!」 クリスマス直前、母からの重大発表に ぼくは目の前が真っ暗になって その場に座り込みました。 「 え〜っ⁉︎ 何でぼくだけ?何、そのルール・・。」 ぼくは、もう訳がわからなくなって 泣きそうになりました。 そんな僕の目の前に、母は一通の 手紙を笑顔で差し出し、こう言いました。 「 おめでとう! 10才からはサンタさんに なることが出来ます。頑張ってね。」 それは4年前に亡くなった 大好きだった祖母宛に届いた封筒で 送り主は ユニセフというところからでした。 「 おばあちゃんは毎年、寄付をしていたんだよ。」 母がそう教えてくれました。 僕は中を見て、とても驚きました。 体から骨が浮き出て皮しかない 今にも死んでしまいそうな弱りきった 男の子が横になっている写真でした。 真っ白な白目の中の黒いひとみは 僕をじっと見て、助けてほしい! と、訴えているように思えました。 写真と共に、 「 世界では毎日1万6千もの幼い命が奪われ 栄養が充分にとれないために小さな赤ちゃんが 5才になる前に死んでしまう。」 と書かれていて、心から悲しくなりました。 なぜ食べる物がないなんてことが 起きるのでしょうか? 僕は総合の授業で習った干ばつや テレビのニュースで見た地震や津波が 原因かと思いましたが、 紛争や内戦が理由であることも 書かれていました。 日本にいる僕は、こんなに平和なのに、 今も世界のどこかで戦とうが起きていて 住む所も食べる物も水さえもなくて 最悪な環境で、命が危ない子供が すごく沢山いるなんて 考えたこともありませんでした。 「 僕は、何をしているんだろう? 」 毎日洗いたての服を着て ランドセルを背負って学校へ行き 友達と勉強して遊び 給食に大嫌いなコーンが出れば 鼻をつまんで食べたりして 帰ってからは文句を言いながら宿題をし 最新のゲームが欲しい、と わがままを言っている・・・。 僕も含めて私たちは 豊かな暮らしに慣れすぎて 当たり前の生活の幸せというものを 忘れかけてしまっているのでは ないでしょうか。 「 平和って、どういうことなんでしょう!?」 僕は、みんなが笑顔で暮らせることを “平和”というのだと思うのです。 小さな赤ちゃんでも 1人1人に、平和な生活を送れる権利が あると思います。 両親から与えられた大切な命を 他人が奪うことなど絶対にあっては ならないと思います。 僕は、自分に何が出来るか考えました。 「 3千円の支えんで、治りょう用ミルク 164杯分に換わります。」 そう書いてあるのを見て、僕も赤ちゃんたちに ミルクを贈りたいと思いました。 でも、3千円もの大金はお正月前の この年末に無理かもしれない・・。 そう思った時に、名案を思いつきました。 「 そうだ、図書カードなら3千円あるぞ! 絵画で入賞した時に賞品でもらった 大切な図書カードだけど これなら164人の赤ちゃんに ミルクをプレゼントできる。」 僕はやっと母が言っていた サンタクロースになれる という意味がわかりました。 そのことを母に伝えると 図書カードとお金を交換してくれました。 そして12月25日のクリスマスの日に 母と一緒に郵便局でお金を振り込んで ユニセフに無事寄付することができました。 10才の僕は164人の赤ちゃんの サンタクロースになることができ ミルクをプレゼントし 誇らしい気持ちでいっぱいでした。 僕は戦争や紛争、内戦のない世の中を願い 1人でも多くの子供たちの命が 守られることを祈ります。 そして今年のクリスマスにも 亡くなった祖母の意思を継いで 寄付できるように今より絵をうまく描き もっと沢山の子供たちのサンタクロースに なれるように頑張りたいです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「同じ地球に住んでいる子供なのに どうして戦争してたりして 食べ物も食べられない子供がいるの?」 これは、今年の6月24日に 『知立市 少年の主張大会』でコイチが 学校代表として そんな想いを発表した作文です。 全ての子供達に🎅merry christmas! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.12.31 01:10:11
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