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2008年07月25日
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カテゴリ:原油問題ABC
 原油価格はドルで表示される。原油は、バレル当り何ドルということで国際的に取引されているからである。あなたの会社が産油国から原油を買おうとすれば、ドルを買ってそれで支払わなければならないのである。関係者、専門家の間では原油価格を話す時バレル当り何ドルで話が通じてしまう。NYMEXは米国にあるからそれで良いが、何で欧州の指標原油であるブレントまでドルで表示されなければならないのかと考える人が出てもおかしくはないが、それが決まりなのであるから仕方が無い。
 これは、ドル価値の変動に悩まされてきたOPECが長年取り組んできた問題でもあった。OPECは、幾つかの通貨をバスケットにして決めようとか、SDRを使おうとか、随分議論されてきたが、結局、未だにドルから離れることは出来ていない。ここのところの、ユーロの強さに鑑み、ユーロ建てでという意見も有力になってきてはいるが、それを思い切るまでには至っていない。その一つの理由には、大産油国であるサウジアラビアがドルペッグであり、他通貨への切り替えに積極的ではなかったこともあげられるかもしれない。
 6月15日には、ドルが対ユーロ最安値である1.6038を付けたとのことで、今後、議論が活発化するのではないかと思われる。それでは、ドル安の影響というのはどの程度のものなのであろうか。ユーロで考えてみよう。昨年9月末はドルが高く1.4150ドル程度だった。計算しやすく、それぞれ1.4ドルと1.6ドルとすれば、約14.3%の価値上昇ということになる。これも分かりやすく仮に1.4ドルの時に100ドル原油だったとしたら、現在価値は114.30ドルということになる。実際は昨年9月末には80ドル程度にしか過ぎなかったのでユーロから見た現在価値は91ドル強ということになる。ドル減価と言っても短期間で対比すればその程度のものに過ぎない。確かにドル安をヘッジするために原油に資金が流入したのであろうが、ドル減価を上回る収益を上げたことになるのではないだろうか。とても、ドル減価だけで150ドル原油を正当化することは出来ない。





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最終更新日  2008年07月25日 19時55分09秒
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