「アジな話」の間違いではない。魚の鯵(アジ)である。20年ほど前だろうか、能代市に住む義理の父が小さな船を購入した。義父は、船を買う前から、磯釣りでキスやヤツメウナギやタコを獲ってはごちそうしてくれたのだが、船を持ってからがすごかった。サバ、アジ、イナダ、ヒラメなど、半端ない量を届けてくれた。季節によってはハタハタ、マスもごちそうになった。しかも、我が家に届く時には、義母がさばいて刺身や切り身になっているのだから応えられない。中でも秀逸だったのは、義父が獲り義母が作るハタハタずしだった。数年前までは、11月から翌年の4月まで、この絶品が私の酒の肴だった。子供たちも、魚は大好きで、ヒラメがいかに高級品かを知らずに腹いっぱい食べていた。義父母も、それがうれしく、何度も届けてくれたものだった。私も子供たちも、2,3度船に乗せてもらい、船酔いしながらもサバやアジを釣ったりもした。で、アジなのだが、釣れる時にはどっと獲れるので、本当に腹いっぱい食べても余ってしまうぐらいだった。ところが、最近、どうもアジは不漁らしい。
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“今朝釣ってきたアジ”のアジフライは、本当に最高だった。
でも、魚一匹一匹が開かれてあのフライの形になっていることは、知らずに食べていたし、
もちろんおばあちゃんが一匹一匹あの形にさばいていた苦労も、感じずに食べていた。
ヒラメは本当に本当にに最高で、価値もわからずに他のどの刺身よりもヒラメを好んでいた私は、
グルメだったと思う。
(2017.03.14 21:14:39)