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November 28, 2011
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建築探偵桜井京介の事件簿番外編短編集。
W大学文学部教授の神代宗が主役である。
建築探偵~第1作、未明の家以前の話。
京介らも登場するが、神代の友人・辰野がしばしば京介のような探偵(?)の位置に。

~ネタバレメモ~

・風信子の家
1991年6月。
東京は本郷の住宅街に住む神代宗(46)はW大学文学部で西洋美術史を講ずる大学教授である。
二十年前同大の美術史学科大学院修士課程を卒業後、ヴェネツィア大学に留学。
博士号取得後もイタリア国内で十年余りの研究生活を送った後、突然帰国。
その後、講師から助教授、そして最年少の教授へと順調すぎるほどの出世。

現在、神代家の居候は京介と蒼。深春は元居候になっている。

ある日、神代宛に見覚えのない人物から「謎が解けるかな?」という奇妙な手紙と共に
殺されたように見える人形が配置された立体模型が届く。
次には神代の昔の写真が届けられる。
その写真にいっしょに写っていたのは、高校時代の剣道のライヴァル・辰野薫だった。

神代は小学校高学年から高校まで剣道に熱中。(どちらかというと猪突猛進型)
中学から高校の間、東京大会でしばしば対戦した辰野は、
目黒区にある中高一貫教育の名門私立の剣道部に所属し、冷静で知的な剣筋だった。
最後の対戦は辰野の勝利。

現在、辰野は吉祥寺で小児科の開業医をしている。

辰野に相談するとあっさり送り主が神代の後輩だったことを指摘。
実は、送り主はすでに亡くなっており、彼の娘が、
父が死の直前、神代に向け「忘れてください」と意識の戻らぬままつぶやいていたこと、
神代に関連しているような写真や模型があり、父と何があったかわからぬが、
父の遺志を叶えたいと神代にもろもろ送っていた。
(娘はW大に入学し、同姓同名の神代が同一人物だと思い、行動に出ていた)

送り主は、神代に秘めた想いを寄せており、神代の反応から「忘れてください」と言い残していた。
神代はすっかり忘れていた。
が、辰野と京介はすぐわかったようで、息が合っていた。

辰野のしゃべり方は京介に似ているらしい。
蒼がまだまだ幼い言動である。原罪の庭~未明の家の間の蒼の変化、ブランクが埋められる、かな?

・悪魔の目覚める夜
1991年10月。
女生徒から心霊写真を見せられるが一蹴する。
だが、別の生徒・本橋和志から、姉であるW大の卒業生で
神代の記憶にも残る印象的な生徒だった本橋(現・古河)美波の夫が亡くなり、
夫の描いた絵の写真が心霊写真のように変化していることから、
W大の教授である父が夫を殺したと思っているという。

美波の夫の死は事故死。絵はトリックアートの一種。
姉と義兄を慕っていたが、姉の不在により、父親との葛藤、愛憎が高まり
義兄の死に対し、姉の疑いが父に向くよう和志が細工していた。

姉と義兄への複雑な想いに覚えがある神代は、和志に厳しい見方。
京介と蒼は門野の北海道にある別荘へ。

・干からびた血、凍った涙
1991年12月。
神代研究室に出入りしている蒼は、自分に対する陰口を聞いてしまう。
偶然居合わせた日美の院生・真沼に助けを求められ、彼女についていく。
彼女は遺書もなく自殺した兄の死が信じられず、涙も出なかったという。
真沼は蒼を連れ、兄の元恋人、離婚し、兄を引き取った母、兄の友人に会いに行く。
真沼の兄(次男)は亡くなった優秀だった長男へのコンプレックスから、
長兄のような優秀な面を装いながら自身との溝の広がりに苦しんでいた。
次兄の苦しみを知った真沼、また、母親は次兄に入れ込んでいたが、
彼の遺書に自分(母親)の名前がなかったことから、遺書を隠滅していたことが判明。

次兄の死を受け入れた真沼、彼女に寄り添いつつも彼女の兄のように、
また、以前のような石っころになるのではないかと思う時があると不安な蒼を神代は受け止める。

京介は論文の資料を探して、深春はアフリカへ旅立って不在。
帰ってきた京介が、蒼に何かがあったのに、蒼が京介に秘密にし、神代が教えてくれないため
不機嫌を囲うのが微笑ましい。

・クリスマスは嫌い
クリスマスがどうやら嫌いな蒼。(理由は「Ave Maria」で判明)
嫌いだけでなく、恐れているような蒼をどうにか救いたい神代は京介に相談するが、
手を出すことで逆効果になることを心配した京介は反対する。
だが、恐れの原因究明をするより、クリスマスにプラスのイメージを付け加えてやればよいと助言。

小学2年の時に神代に養子に来て、下町から山の手へ、
クリスマスに対する周囲の反応も正反対になったり、義父に対して素直になれなかったが
双眼鏡をもらってうれしかった記憶がある。

その思い出の双眼鏡を蒼にプレゼント。蒼は喜ぶ。

・思いは雪のように降りつもる
1992年1月。
神代は辰野に学生時代の知人・ナカハラユキの名を尋ねられる。
1971年秋からイタリアへ留学した神代はうろ覚えだったが、
在学中(1972年2月)に自殺した中原と付き合っていたのではと
元W大の寺門教授が民生委員をしている辰野と再会、ほのめかしたらしいのだ。
疑惑を一蹴するが、実は寺門の娘だった彼女の死の真相究明に駆り出されることに。

2月、辰野は探偵と称し、当時中原と交流があり、彼女の死に居合わせたメンバーを招集。
彼女への愛憎、コンプレックスなどが重なり、間接的に全メンバーが彼女の死に関わっていたことが判明。
彼女は死をほのめかしたこともあったが、直前に自殺は否定していた。
そして、メンバーのちょっとした細工の重なりから凍死したのだった。
事実は曖昧の重なり。

また、娘の死への思いは辰野に打ち明けたが、寺門は既に死去していた。





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Last updated  November 29, 2011 10:47:11 PM
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