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February 15, 2013
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幻想的な恒川光太郎「夜市」を彷彿とさせるところあり。
さまざまな物語、昔話なども思い出す。
でも、こちらのほうが各話の先は読めてしまったな・・・。

夜宵ヶ淵という名の湖に浮かぶ小島の中で冬の一時期のみ開かれる
細蟹の市では何でも売っているらしい。
手に入れたいものがあって異形の市に来た私は人攫いにつけられ、
助けてくれたと思った女にも襲われそうになったところを
翁面を付けた赤腹衆のサザに救われる。
何も知らずに市に迷いこむ人間(マドウジ)を保護する役目があるとサザはいう・・・。

不吉を告げる双子、心の隙に忍び寄るようなうつろなるもの、機を織る細蟹さま、
サザの手下の黒式尉の面の者(案山子)などの登場人物が幻想を作り上げる。


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仮面をつけ、細蟹の市のルールで動く人々だが、れっきとした人間である、らしい。
だが、人間でないものも交じっているようなのだけれども・・・。
細蟹の市が何たるものか知る者はそれぞれ仮面をつけている。
ごく一部の者、双子、うつろなるもの、細蟹周辺の者らは例外。
それ以外で仮面をつけてないものはマドウジ(惑う児)がほとんど。
市の季節以外は街で暮らす者と残る者がいるようだ。


一ノ経 チョコレートスープ
サザを撒いた女はチョコレートスープを求めてシラ御前の館へ。
スープの正体は胎児だった。
女は妊娠しており、子のために良いと聞いたスープを求めていたが、それすらも騙されていたと知る。
窮地を救ったのはサザだった。

こういう話しあったよなー。
細蟹さまが織り、限られたものしか身に着けることができない黒胞衣が不思議。

一ノ緯 マドウジ
気が付いた時には手枷をはめられていた。
記憶のない少年は商品ではなかったようで、マドウジとしてサザに保護され、
その後も身を寄せることに。
血が水のにおいがする少年はカンナと名付けられ、
細蟹の世話をしているという少女・まことと出会う。
うつろなるものを名乗る少年は、カンナにナキが街で犯罪を犯し、刑務所に入ったため
当分、市には戻ってこないと告げる。

二ノ経 ヒナちゃん
かくれんぼをしていて消えたヒナちゃんを探して細蟹の市に来た僕はサザに保護されるが・・・。

ヒナちゃんを攫ったのは死体専門のブリーダー=ヒナちゃんは死んでいた
→ヒナちゃんともっといたかった僕が殺してしまった。
また、僕が少年ではなく大人だというオチ?には気づくが、
真相に気付いたサザに市から追い出され、市の者たちの異常性を話す異常さは素直に怖い。

二ノ緯 エフェメラの苗床
カンナは稀少な生薬として高値で取引されるエフェメラの苗床だったらしいと判明するが、
サザにその事実は他のものに話さぬよう言われる。
小島に残るまことと市のたびにサザと戻るカンナはその度、再会。
サザの持病は年々悪化しており、サザの仕事を手伝うカンナは赤腹衆になろうとするが、
サザに向かないと言われてしまう。
カンナにとって7度目の市、ナキが市に戻ってくる。

市で仮面をする意味=市にいるうちは人間じゃない。
人間のままでは細蟹の市に来てはいけない、商売もできないというルールが明らかに。
人間であることを許されるのは魑魅魍魎のために機を織るたった一人の乙女・細蟹さまのみ。
細蟹さまが一本足なのは他の有象無象と区別するため。

三ノ経 雪客衆
市のために働く雪客衆の仕事について。雑用と舞など。
夜宵の宰相にあたる藐は営業許可を出し、街との渉外役でもある。

三ノ緯 曼珠沙華
カンナはナキに絡まれる。
大人になりつつあるカンナとまことは、あらためて再会を約束。

四ノ経 この世ならぬ色
この世ならぬ色を求める男は、女に魅了される。

サザの助けが及ばず、市のものが一枚上手だとこうなるという話。
だが、求めるものが手に入った男は全てを失っても幸せだという。
怖いおとぎ話にある結末、だな。

四ノ緯 水のにおいのする復と子
商品だったまことは、恩のあるねえさんたちが大事で、
彼女らが仕える細蟹さまのお世話にも何の不満もない。
だが、カンナにいるところに行きたいとだけは願っていた。
サザの病は悪化するばかり。サザの仕事を代ってすることも多くなっても、
カンナは赤腹衆にはなれないのだという。
まことに会えない異変に気付いたカンナは、混沌のそばに在るうつろの手引きで
細蟹さまらのいる禁断の〈奥の林〉へ。
そこで見たのは、片足を切られたまことの姿。
サザに捕えられたカンナは、代替わりでまことが足を切られ細蟹さまとなったことを知る。
カンナは市を潰そうと決意するが、その時、ナキが現れ、
サザの唯一の薬となったのはかつて苗床だったカンナの血だけだったこと、
そのために罪も犯し、手遅れになった今、市を潰そうと戻ってきたことを告げ、
薬になると知りつつもサザに大事にされたカンナを襲い、湖に落とす。
サザに命をまたもや救われたカンナだったが、サザは力尽き、
すきなところにいきなさいと告げ、息を引き取る。

五ノ経 サザ
雪客衆・タガネの昔話。
今までの復習となる章。そして、四ノ緯の結末。
ナキの企みは、仲間と共に市を爆破、市のものを片っ端から殺し、
市の連鎖を断ち切るため、市の象徴である細蟹を殺すこと。
サザ亡き後、黒胞衣に懐かれ、黒胞衣を纏ったカンナは、
細蟹を守るためサザの名を継ぎ、ナキらを一蹴。

赤腹衆は本来女のみがなれるものだった。サザは女。
だが、黒胞衣に懐かれたことからカンナが異例でサザを継げることに。

五ノ緯 サザ
黒胞衣をマドウジを守るためにシラ御前に食べられてしまったサザが細蟹さまのもとへ。
新たな黒胞衣を授ける細蟹(まこと)とサザ(カンナ)の一瞬の再会。
もう市に来てはだめと言いながら、黒胞衣を渡す(まこと)。
サザ(カンナ)は細蟹(まこと)を守るためにサザでありつづけ、
解放するためにはうつろが死ねば市も亡くなると狙うも、うつろは死なず。


章の名が経と緯になっているのは秀逸で、
時系列としては一ノ緯~四ノ緯(女サザ)
→五ノ経(サザ交代)→一ノ経(サザ/カンナ)~四ノ経→五ノ緯
・・・二ノ経~四ノ経は補足、番外編と言った意味合いも持つかな。
時系列を頭に入れて読むとまた違った側面が浮かび上がる。





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Last updated  February 16, 2013 02:26:53 PM
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