「
ライブ8の深層」に於ける英国批判とは裏腹に実は三十年以上の間ブリティッシュ・ロックを聴いてきた。かつて規制の対象であったロックがいまや政治の道具として利用されているのを見ると時の流れを感じざるを得ない。
今は亡き中島らもは「ロックとは或る種の精神状態」であると喝破した。「或る種の精神状態」を一言で言い表すとするならば「怒り」が最も近いであろう。「
ライブ8の深層」も怒りにまかせて書き殴った物である。恐らくお目汚しの点も多々あろうかと思う。伏してお詫びを申しあげる次第である。
ただ、紹介した引用記事の方には是非目を通していただきたい。ライブ8をただの慈善だと思っている人は考えが変わると思う。
「怒りにまかせて」と書いたが、僕が怒りを覚えたのはゲルドフやボノ、そして彼らを利用するイギリス政府よりもむしろ、マスメディアの報道を鵜呑みにして、まんまと英米の策略に嵌められている日本の音楽ファンの方である。
渋谷陽一が嘆いていたように、笹川良一の「世界は一つ 人類みな兄弟」には疑いの目を向けるくせに同じことをミュージシャンが言うと何の思考もなく受け入れてしまう。
日本人は人が良すぎるのか、それとも日本の報道機関がおかしいのか。
アフリカへの援助金が実際に飢餓や貧困・病気で困しんでいる人たちに渡らないのは各国の政権が着服してしまうためらしい。北朝鮮に対する援助が金正日の懐に入るのと同じ構造だ。
この様な状況ではホワイトバンドをいくら買ったところで三秒に一人の割合は微動だにしないんじゃないか。(ついでに言うと、何故ブラックバンドじゃなくてホワイトバンドなんだ?)
平成十七年 七月十二日
Funkadelic "Good Old Music" を聴きながら