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2014年08月12日
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カテゴリ:四季感慨
ブランドライセンス契約の打ち切り波紋
 「どれだけ真面目に働いても暮らしがよくならない」という日本経済の課題を克服するため、安倍政権は、「デフレからの脱却」と「富の拡大」を目指しています。これらを実現する経済政策が、アベノミクス「3本の矢」ですと、内閣官房内閣広報室のホームページ。失われた20年と言われ、この間、日本経済の大きな足かせとなっているのが長引くデフレだ。デフレとは、物価が持続的に下落している状態を指す。単純に考えれば、モノの値段が下がることはうれしいことだが、ものづくり業界は材料費が値上がりしても価格転嫁できず、苦しい経営を強いられている。この6月に、ユニクロが秋冬物から値上げに踏み切ると発表したが、多くの業界関係者が「英断」に拍手を送ったのではないか―と業界紙コラム。
そこでデフレでも価格競争に巻き込まれにくい高級ブランドを育てることが重要であり、高級ブランドとして確立できれば、顧客は高価格にも納得して満足して購入してもらえる。日本では残念ながら高級ブランドを育て上げるという戦略では大きく後れをとっている。もともと、日本では舶来品信仰が根強く浸透しており、高級舶来品として欧米高級ブランドが尊重される素地が存在していた。文明開化の頃からか、上等なものは“舶来品“と呼んで珍重してきたと指摘される。そうした素地の上に、日本の百貨店は欧米高級ブランドの販売を目玉とする売り場構成でかっては業績を上げてきたのである。しかし、その反面、のれん依存の殿様商売、有名ブランドの売り場の寄せ集め「場所貸業」と揶揄される主体性のなさが顧客離れを招き、さらに、経済停滞下デフレでの買い控えの影響、紳士服専門店や家電量販店などの専門ディスカウンターの低価格販売に敗退し、最盛時の91年の売上高9兆7000億円以降、長期におよぶ業績低迷、縮小を余儀なくされていると論じられている。
 ものづくりでは「メードインジャパン」というかけ声で、日本発ブランドとして高級品訴求を目指していたりするが、その前に欧米有名ブランドのライセンス生産契約が行われて、国内企業が欧米ブランドを生産する例がある。アパレルメーカーにとって、欧米ブランドのライセンス契約は「安直に儲けられる、おいしいビジネス」(業界関係者)といわれている。売上高の10%程度のライセンス料を払うだけで、自社開発のアパレルを欧米の有名ブランド名で販売できるからだという。自社開発品にそのブランドマークを付けるだけで、高値で売れる。マークの有無で利幅がまるで違ってくる。しかし、アパレル業界では、ライセンス供与側の都合で契約を打ち切られるのは珍しいことではない。例えば、スポーツウェアメーカー大手のデサントは98年、アディダスから28年続いたライセンス契約を一方的に打ち切られている。以降も、05年にアニエスベーがサザビーリーグとの契約打ち切り、07年にラルフローレンがオンワード樫山との契約打ち切り、09年にダナ・キャランが米ワコールとの契約を打ち切るなど、相次いでいる。そして、ライセンス供与側の多くがその後、日本市場で直接販売を始めている。去る6月には、三陽商会が英高級ブランド「バーバリー」とのライセンス契約を終えると発表した。この結果、同社では人員整理や給与抑制が続いているという。同社はバーバリー事業終了後、英ブランド『マッキントッシュ』、米ブランド『ポール・スチュアート』、そして自社オリジナルブランドの『エポカ』を基幹3事業に据え、ここに経営資源を集中するという。
 今後のブランドライセンス契約は打ち切られる傾向にあり、日本独自ブランドの確立の時が迫っていると論じられている。

本文は近代縫製新聞8月号に筆者の論説として掲載されたものである。






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最終更新日  2014年08月12日 19時24分40秒



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