カテゴリ:文芸誌
苦手なものには、とりあえず突っ込んでみるという天邪鬼な性格。
円城塔さんの作品は、さっぱりわからない。だから、読んでみた。 「つぎの著者につづく」円城塔 ・・・DNAの構造を文学的に表現した作品。言葉が二重螺旋に編まれているのだろう。これを組替えて、分離して、次の作品に作り変える・・・え~と、だから? 作品そのものは、テンポもよくて読みにくくはないのだが、理解しようとすると、間の前にスモークがかかってしまう。作者の、「読者に訴えかけるテーマ」などというものを深く追求しようとしても、砂丘を全速力で走ろうとしているようで、歯がゆい。ただ、「これは韻文である」と言われれば、「そうなのか」と納得してしまうほか無い。そう、芸術は凡人には理解できないのだ。 「果樹園」堀江敏幸 日常を淡々と描く。それでも、なぜか恐怖を覚えるのはなぜなんだろう。思い当たることといえば、『ペニス』を読んだ時の日常感に似ているからなんだろう。作家の連想力って、不思議だよね。 「煉獄の香り」花村萬月 ・・・純文学? 「小銭をかぞえる」西村賢太 やな奴としか言えない主人公。でも、こういう人間の方が多いのかもしれないな。 「ニッポンの小説」高橋源一郎 ああ、まだ続いていたんですね。なるほど、「詩」は「曲がらなく」ても詩になりうるのだ。韻文と散文、これの違いは「メタファー」? <メディアフィロソフィー>高田明典 「セカンドライフ」定年退職者が人生を改めて、新しい生活を始めること、ではない。インターネット上に作られた仮想社会で、自分自身の別人格を存在させて生活をするという空間。「アバター」という自分の人格を可視化したような人型が動くのが特徴か。まだ、「セカンドライフ」の体験したことは無いが、ネットワークコミュニケーションそのものは、現時点でも行っている。ただ、「セカンドライフ」はコミュニケーションだけではなく、生産と消費が可能であるということは、実生活がバーチャル空間でも行える。それが、人間の精神にどう影響するのか、興味あるところだが。 さて、渡邉英徳さんのブログを読んでいると、セカンドライフ上になにやら建造物を建てるという計画があるらしい。それに、円城塔さんやら、飛隆浩さんらが加わっていそう。ネット上に、「数値海岸」が現れてくるのだろうか、というSFファンならわくわくしそうな展開になるのかと、期待してしまうだろう。 さて、この『文學界』 以前は「古臭い」というイメージしかなかった。が、文学は進化するものなのだろうか。あるいは、現実を纏うものなのだろうか。「古典文学」とは違った真理を表現するものなのだろうか。そんな風に読んでしまった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月11日 20時13分46秒
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