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カテゴリ:その他の痛みに関する話
「知り合いが体中が痛くて痛くてどうしようもないんですが、先生のところで診てまらえますか?」
これが当院をご利用されている、患者さんからの問いあわせでした。 症状を聞くと、二週間前から全身が痛み出し、余りの痛さに二日前に仕事も辞めてしまったと言います。 僅か二週間の間に、仕事まで辞めてしまうほどの痛み? それだけで、その方の辛さが想像できてしまいます。 二箇所の総合病院で検査を受けたが、特に異常は発見されず、鎮痛剤を処方されたそうです。 しかしその痛み止めも、長くて四時間、数日後には二時間と持たなくなりました。 こんな症状を聞くと、さすがに「ハイ大丈夫ですよ」と気軽に言えませんでしたが、一度連れてきて下さいと回答しました。 すると二日後本人から「一度診て欲しい」と連絡があり、その日の午後に来院が決まりました。 電話での会話も、声が震えているような感じがし、本当に辛そうです。 その時一瞬「これは自分のレベルでは手に負えない!」と、自然形体療法を習ってから初めて脳裏に過ぎったのは、本当の話です。 当日は、学院の研修生が二人練習に来ており、施術も公開しています。 予約時間が近づくにつれ、何時に無く緊張してしまう自分がそこに居ました。 時間より少し早く到着した女性は、顔の表情は無表情で、痛みの為か体がいびつに歪んでいます。自分で運転ができない程、全身の痛みが激しいようで、ご主人が付き添いで一緒にいます。 最初に診察カルテを書いてもらうのですが、カルテを書くペンを持つのも辛いのが分かりました。 痛む場所を確認すると、とにかく全身が痛むそうですが、その日は特に両肩から指先に掛けてで、その中でも右肘がもげるように痛いと言います。 その女性の額には、余りの痛みのため薄っすらと汗ばんでおり、顔も苦痛のため歪み、やはり声も震えています。 私は正直に次のように述べました。 「施術をしてどうなるか分かりませんが、できればもう一度違う総合病院で、検査した方が良いですよ。」と。 そしてこのような症状の方には、私が勧めてみようと思うとある病院がありました。 早速施術ベットに横になってもらいましたが、体に触れるだけでも痛がります。 腕に触っても、足に触っても、お腹に触っても・・・ できる事をあれこれ考えながら、体の緊張を緩める事を考えました。 五○捻転痛い、触○法痛い、静○法は短い時間なら大丈夫。 時間にして10分位だと思いますが、とにかく何もできませんでした。 やはりあの病院を教えてあげて、施術は終わりにしようと決めました。 初めての経験でした。 研修生も見てるし、情けない気持ちで一杯でした。 でも本当に辛く泣いているのは、勿論患者さんです。 呼吸も浅くそして速く、苦痛の表情で横たわる患者さんに、「私のレベルでは何もできないかもしれません!」と正直に伝えました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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