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カテゴリ:ラジオ受信機
今回は、SONY製のFMステレオ/AMステレオラジオ SRF-A300 をご紹介します。
このラジオは据え置き型で、FMのほかAM放送もステレオで聴けるという今や貴重な存在です。 購入は2010年頃。 市内にある家電量販店での購入だったと思います。 カタログ落ちする前に手に入れることができて良かったです。 この1~2年後に生産が終了してしまいました。 外箱です。 "AMステレオ"のロゴマークが懐かしいです。 "臨場感あふれるステレオサウンド"と書かれていますが、ちょっと大げさかもしれません。 ポータブル機ですので左右のスピーカーはさほど離れていません。 モノラルよりは臨場感があるといった感じです。 今や貴重な"日本製"です。 外箱の反対側。 各種操作や機能についての簡単な記載があります。 AMステレオ放送は1992年に在京局や在阪局などを中心に始まりましたが、NHKをはじめ実施する局が思うように伸びず、受信機も割高で電池の持ちが悪く、普及が思ったより進まなかったことから2000年代に入って徐々に縮小になり、現在はニッポン放送(1242kHz)・中部日本放送(1053kHz)・ラジオ大阪(1314kHz)・和歌山放送(1431kHz)の4局のみが実施している状況です。 AMステレオ放送の送信に使用する部品もすでに無くなっていることから、この4局についても機器更新の際にAMステレオ放送をやめる可能性が高いです。 それでは詳しく見ていきましょう。 まずは正面です。 真ん中に同調ランプと周波数ダイヤル目盛り、左右にスピーカーというシンプルなデザインです。 本体サイズは幅27.95cm×高さ13.85cm×厚さ7.5cmで、ポータブルという割にはやや大きめです。 左側(L)スピーカー。 右側(R)スピーカー。 スピーカーは左右ともに直径約7.7cm、8Ωのものが使われています。 実用最大出力は 300mW+300mW でかなり大きな音も出すことができます。 音質はソニーらしい音づくりです。 AM放送はややこもり気味ですが中~低音部がよく出ており、聴きやすい音だと思います。 反対にFM放送はクリアな音質で、低音~高音までバランス良く出ています。 長時間聴いても聴き疲れしにくい音質です。 実際にAMステレオ放送を受信してみると、FMステレオ放送とは違った不思議な音質と音の広がりを感じることができます。 フェージングの影響を受けるとモノラルになったり音が左右に振れたりしてグルグル回っているような不思議な感覚になります。 この安定感の悪さもAMステレオ放送の普及を妨げる原因のひとつだったのでしょう。 中央部拡大。 周波数ダイヤル目盛り部分は、指針が上下に動くというSONYらしい仕様です。 目盛りの左右にある緑の印は、お気に入りの放送局の目安となります。 手動でスライドして使用します。 受信可能周波数はAM530~1605kHz、FM76~90MHzで、残念ながらFM補完放送には対応していません。 正式には対応していませんが、IBCラジオのFM補完放送(90.6MHz)は上限の何とか受信出来ました。 バリコンを使用したアナログチューニングならではです。 周波数ダイヤル目盛り部分拡大。 電灯線(AC電源コード)を接続して使用している時は、電源をONにするとダイヤル目盛り部分が薄緑色のLEDで照らされます。 夜間など暗闇での使用では便利ですが、おやすみタイマー使用時も点灯してしまうのです。 任意で照明をOFFにできない仕様なのが少々残念です。 なお乾電池で稼働している時は照明OFFがデフォで、後述の照明ボタンを押すことにより点灯させることができます。 本体右側。 選局ダイヤルがあります。 回転はスムーズです。 ダイヤルを時計回りに回すと周波数の高いほう(1600kHz側)へ、反時計回りに回すと周波数の低いほう(530kHz側)へ変化します。 本体左側。 キャリングベルト取り付け部とイヤホン端子があります。 キャリングベルトは、外したり付けたりが面倒なので付けっぱなしで使用しています。 イヤホン端子はΦ3.5mmのステレオミニ仕様です。 ステレオイヤホンを差すとステレオで聞くことができます。 音量ゼロ時のホワイトノイズはほとんど無いです。 本体上部。 操作系は上部に集中的に配置されており、音量ダイヤル・モノラル/ステレオ切替えスイッチ・バンド切替えスイッチ・照明ボタン・おやすみタイマー・電源スイッチがあります。 音量ダイヤルは時計回りに回すと音量大、反時計回りに回すと音量小となります。 音量の変化はなめらかで、音量小からいきなり爆音になることは無いです。 購入してから年数が経っていますが、今のところガリオームなどの不具合は発生していません。 モノラル/ステレオ切替えスイッチは、通常はステレオの位置で使います。 受信状態が悪く雑音が多いときはモノラルに切り替えて使用します。 AMステレオ放送が実施されていない局を受信中に"ステレオ"に切り替えても音声はステレオにはなりませんが、何となく音に広がりがあるように聞こえてしまうのが不思議です。 バンド切替えスイッチは左側がAM、右側がFMになっています。 照明ボタンは、乾電池使用時に押すことで約15秒間選局目盛り部分の照明が点灯します。 AC電源接続時は、照明が常時点灯しているためこのボタンは機能しません。 おやすみタイマーは、電源スイッチをOFFにした状態でボタンを押すことにより機能し、約60分後に自動的に電源が切れます。 電源スイッチONの状態では機能しません。 電源スイッチはやや硬め。 誤操作防止の観点では硬めのほうがいいでしょう。 本体裏側。 ロッドアンテナ・外部アンテナ接続部・電池および電源コード収納部があります。 ロッドアンテナは前後左右に回転します。 このロッドアンテナは短波ラジオ ICF-SW11 に使われているものと同じく全長は約64.5cmで、本体の大きさのわりには短めです。 外部アンテナ接続部。 アンテナマークのところにリード線などをつなぐと受信感度が良くなるそうです。 強電界域ということもあり、当方の環境ではつなぐことによりノイズ・雑音が増えてしまうため使っていません。 強電界域以外でノイズ・雑音の少ない場所であれば効果を発揮するのかもしれません。 電池および電源コード収納部。 電源コードは本体直付けになっているため取り外しできません。 電池で使用する時はこのようにコードをしまっておける空間があります。 電源コードをコンセントから抜くと、自動的に電池に切り替わるようになっています。 電池は単3形を4本使用します。 電池の持ちは良くありません。 AMステレオ放送を受信できるラジオは総じて電池の持ちが悪い印象です。 スピーカー/アルカリ電池使用時 AM約38時間/FM約38時間 スピーカー/マンガン電池使用時 AM約14時間/FM約14時間 アナログ同調ラジオですが持続時間は短いです。 据置型としてAC電源に接続して使用するのが良いでしょう。 電池蓋は外れる仕様になっています。 受信感度は、AMは良く、FMはあまり良くありません。 AMは昼間に隣県のTBCラジオがちゃんと受信できます。 ABSラジオも微かですが受信できます。 もちろん夜間は在京局や在阪局、名古屋や北海道の局もしっかり受信できます。 隣接局との分離度も良く、1404kHzや1422kHzに地元局であるNHK第2放送(1386kHz)が被ってくるという症状はありません。 FMについては感度が良くないというか雑音が多いような印象です。 強電界域では問題ないのですが、中~弱電界域ではロッドアンテナを伸ばしてもチリチリというノイズが入り少々耳障りです。 モノラルに切り替えればある程度は改善されますが、チリチリ音は無くなりません。 良いラジオなのですが、FMについてはちょっと残念です。 この SRF-A300 は既にメーカーサイトでは販売終了となっています。 後継機種も無く、AMステレオ放送自体が衰退していますので、改良して発売される可能性もゼロと思われます。 メーカーサイト → SONY SRF-A300(FMステレオ/AMステレオポータブルラジオ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.09.07 22:57:12
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