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2004年08月23日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
さて、英国留学回想録ですが、
今日から新しい章

「大学院修士課程のスタート」

です。第一回は

「入寮1日目」。
(2000年9月末)

それでは、これから先はメルマガに登録してお楽しみください。
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昨日のアテネ五輪女子マラソンは
野口みずき選手の金メダル、
土佐、坂本選手の入賞と、
すばらしい結果になった。

この結果自体について私も思うところはあるのだが、
すでにいろんなところに書かれていることもあるし、
それは後日落ち着いて書くとして、
今日は「英国から」ということで
日本で観るのとは違った視点から書いてみたいと思う。

ポーラ・ラドクリフ。

名前をご存知の方も多いだろう。
女子マラソンの英国代表で、世界記録保持者。

この選手がいたおかげで、
私はこの英国に来て4年目で、
初めての経験をすることになった。

それは、日本と英国がスポーツ・イベントで
ガチンコの真剣勝負でぶつかるのを観るということだ。

ただ観てるだけという気楽さはお許し願うとして、
日本VS英国がガチンコでぶつかることは4年間なかったのだ。

サッカーのイングランドVS日本?
あんなもん、EURO前の調整試合で
イングランドは全く本気でやってなかった。

ラグビーW杯のスコットランドVS日本?
格が違いすぎて、向こうさん側に負けるという危機感がゼロだった。

しかし今回は違う。
日本勢はラドクリフの金メダル獲得の最大の強敵とみなされていた。
そして、日本ではピンとこないだろうけど、
ラドクリフは本当に英国民の期待を一身に背負っていたのである。

英国でのラドクリフは、
世界記録を持つ1人のスポーツ選手ではない。

2年前にはBBCのスポーツ・オブ・ザ・イヤーを受賞し、
事あるごとにマスコミに登場する。
国民的ヒロインと言っても過言ではない存在だ。

だから、私はこのアテネ五輪女子マラソンの中継で、
完全に日本人が敵扱いされるのを初めて観ることになった。

この日、BBCのオリンピック中継は
朝から競技の合間に何度も何度も
ラドクリフのインタビューや世界記録を出したときの映像、
トレーニングの状況を嫌というほど放送した。

そして、レースが始まってからの中継も
あまりにもラドクリフ一辺倒なのである。

そりゃ日本の中継だって日本選手一辺倒だろうが、
BBCの場合、レース中のポイントポイントで
事前に収録したラドクリフの
「ここのポイントはどう走るか」
とかいうコメントが何度も何度も流されたのだ。

もう完全に最初から
「ラドクリフ・金メダルショー」
としての演出。

その上、なんとも閉口したのは、
実況中継が
「3人のジャパニーズは危険だ!」
とか繰り返し言うものの、
個人名で呼ばない。

ジャパニーズ、ジャパニーズって言うんじゃなくて、
名前を呼べよ、名前を、と非常に不快感があった。

独走になった後半は「野口」の名前が呼ばれるようになったが、
前半は本当にジャパニーズだけだったもんな。

唯一、土佐だけは時折名前を呼ばれてたが、
あれは土佐がロンドン・マラソンを走ったことがあって、
英国で知名度があったか、
もしかしたら、体格がラドクリフにあんまり負けてなかったので、
注意を引いたかだろう。

身長150センチの野口がぶっちぎるとは
英国人は夢にも思わなかったのだろうな。

さて、そんな
「ラドクリフ金メダルショー」
だったはずのレースの結果は、
英国民にとって悲惨極まりないものだったわけだが、
そのラドクリフ棄権の状況は、
どうも日本ではほとんど中継されなかったらしい。

棄権したという事実だけが伝えられたようなのだが、
BBCでは野口独走を伝える間に何度もラドクリフの様子が映った。

立ち止まって、地面に座り込んで、
号泣するラドクリフの姿が。。。。

なんとも言いようのない。
それは、ただ、ただ、
かわいそうとしか言いようのない姿だった。

英国民はラドクリフの女子マラソンの金メダル獲得を本当に期待していたし、
その期待度は、日本人が3選手に期待するよりはるかに高いものだった、
そして、ラドクリフも本気で女子マラソンの金メダルを取りに来ていた。

それが不可能になったとき、彼女の中で何かが切れた。
メダルなしという結果は、彼女にとって
あってはならないことというか、
おそらく頭で考えることすら拒絶したいことだったのだろう。

だから、彼女はプッツンと切れてレースをやめてしまった。
後は、ただ号泣するのみであった。。。。

今日の午後2時(英国時間)
ラドクリフはBBCのインタビューを受けた。

インタビューに出てきたのは気丈だったが、
目の下にははっきりと隈ができていて、
精気のない顔で彼女は現れた。

彼女は

「肉体的に問題はない。」

と言い、棄権が精神的なものだったことを示唆。
次に、敗北の原因は?と聞かれ

「わからない。何が原因か考えようとしている。」

と答え、

「先のことはどうするか考えられない。
私はマラソンの金メダルを取ることだけを考えていたから。」

と言い、10000メートルに出場するかどうか明言を避けた。
そして、彼女は再び、涙を見せた。

いつもは厳しいBBCのキャスターも
さすがにラドクリフにこれ以上は聞けなかった。

五輪に限らず、勝負事には勝者と敗者がいるものだが、
これほどまでに敗者の無残さというものが
あからさまになるケースはそうないのではないかと思った。

しかし、国民の期待を一身に受けて、
それから一歩も逃げずに
本当に金メダルを懸命に、真剣に目指した
ラドクリフの挑戦は、
とても尊いものだったと思う。

どこかの国に結構いる、
負けてへらへら笑って
「楽しみましたー」
とか言ってる選手には
絶対得られない貴重な経験を
彼女はしたのだろうと思う。

私は彼女の10000メートル出場は難しいだろうと思う。
とにかく今はゆっくり心を休めて、
この貴重な経験を消化して、
またレースにでてきてもらいたいものだと思う。

最後にもう1つだけ、
ラドクリフの惨敗とは逆に、
日本勢の勝因を1つ指摘すると、
「経験の蓄積」だと思う。

それは選手1人1人のものではなく、
日本マラソンとして、
長年「酷暑の夏季五輪」
を戦ってきた経験の蓄積だ。

今回、ラドクリフ惨敗後の関係者のコメントを聞くと
「酷暑のアテネで夕方にレース時間を設定したこと」
に対する批判が多いのが気になった。

酷暑を惨敗の言い訳にしようということだが、
なんだか私には瀬古さんが惨敗したロス五輪のことが思い出された。

あの時、日本では
「酷暑のマラソンは日本人には無理」
と言われたもんだ。

英国はあの時の日本のようなレベルで議論している気がした。
そりゃそうだ。
今回ラドクリフこそ現れたけど、
それまではマラソンでメダルを争うようなことは
あんまり経験がなかったわけだから。

たぶんこれらのコメントから想像するに、
ラドクリフは酷暑対策が
ほどんどできてなかったのではないかと思う。

「速いから勝てる。持ちタイムが圧倒的だから、
多少暑さに弱くても、勝てる。」

本人もスタッフも、おそらく
この程度の甘い認識だったのではないかと想像される。

瀬古さんの惨敗後、日本は何度も何度も
酷暑の五輪マラソンにメダルを狙って挑戦してきた。
勝つことも負けることもあったけど、
その経験の蓄積があって、
3選手とも万全な準備ができたのだと思う。

これが今回の勝因の1つであるのは間違いない。
つまり、選手を支えてきたスタッフの充実であり、
このことはいくら強調してもしすぎということはないと思う。






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最終更新日  2004年08月24日 06時10分30秒



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