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2019年02月09日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
「志ん生が語るクオリティの高い貧乏のススメ」を読んだ。
作者は志ん生の孫娘で池波志乃さんの妹の美濃部由紀子さんである。
そうか、池波志乃さんの志は志ん生の志なのか。
中身で笑ってしまったのが志ん生の食生活。
取り合えず朝飯の前にコップ一杯の日本酒を飲んで
その後、納豆とイクラでご飯三杯食べるのだそうな。
とにかく野菜嫌いでサラダなどは一切食べたことがなく
それにも増して漬け物は大嫌いときている。
一度、弟子と二人でデパートに行った時
漬け物売り場にたどり着いて
「逃げろー!」と走って逃げた話など笑ってしまった。

志ん生は偏屈なのである。
その偏屈という短所を磨きに磨いて
五十歳くらいで、あの神がかった人格が出来上がったのである。
ただの放蕩三昧では、あれは出来上がらない。
放蕩なんかしたところで芸の足しになど少しもならない。
偏屈を正しい方法で時間をかけて磨くとああなる。
落語界ではそれに類するものをフラと言う。
フラとは、ただ出て来ただけで味わい深く面白い雰囲気のことだ。

志ん生はそれに加えて
計算しつくされた言い方、テンション、間の伴った芸が加わる。
いや、志ん生は計算などという小賢しいことはしていない。
偏屈と同じであの芸は
時間をかけて磨いて磨いて熟成されて出来上がった。
それがまるで価値あるワインのような域にまで
達してしまっているのである。

短所も芸も時間をかけて磨くべきだ、というべきか。





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最終更新日  2019年02月09日 20時30分59秒
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