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弓でもって弦をこすって音を出す、というバイオリン属の楽器に手を出すのはチェロが初めてでした。
あの弓という道具は、私が初めて手にとったような比較的安物であったにしても、見ていてなかなか美しく、緊張感が漂っていてよろしい。それを滑らかに、しなやかに扱う手の動きもまた大変魅力的だと感じました。 ところが実際に自分で決められたとおりに持ってみると、「なんでこんなに痛いのかよ・・・チェロ弓という名の困り者・・・」といった感じで、5分間と持っていられません。 特に親指の爪の内側と肉の間に食い込む毛箱のかど! たまらず、ある時、角のところをカッターですこし削って当たりを和らげようとしたこともありましたが、結局大差なし。弓の見かけが悪くなっただけのことでした。 先生が見かねてゴムのチューブを間にはさんだりして下さったのですが、やはりダイレクト感に欠けてよろしくありませんでした。 新しい、私にとっては高価な弓を買うときにはまず、このかどの当たりの柔らかそうなものを選んだつもりだったのですが、弾いてみるとやっぱり同じように痛い。 4年近くになる最近になって、ようやく右手の力が抜けてきたのか、サボり方を覚えてきたのか、とうとう痛いところが麻痺してしまったためか、以前のようには苦しまなくなりました。 それともう一箇所痛むのが、親指の付け根のところの筋肉(拇指球筋)です。 特にしっかり音を出そうと弦を強く擦ろうとしたときなど、すぐにパンパンに張ってしまって、弓を取り落としてしまいそうになるほどです。 この痛みは、力んでいるせいだ、というのはわかっているのですが、チェロが鳴ってくれないものだから、いよいよ弓を強く引こうと右手に力が入ってしまうのでしょう。 昨年11月の発表会では、やはり舞台の上で緊張して右手に力が入ってしまい、3曲目ではとうとう曲がとまってしまいました。弓を落としかけたからです。 一瞬左手で弓の中央部を持って右手を離し、拇指球を回復させてから続きを弾きました。 楽器をよく「鳴らす」ためには力をいれて擦ってもだめだよ、ということは先生からも言われてきましたが、こつは最近になるまでつかめませんでした。 いわゆるbowingというやつの奥深さ、まだまだです。 でも最近、ちょっとだけコツのようなものがわかりかけたような気がします。 弦に載せた弓を、弾きはじめに一瞬手前に引っ掛けるようにしてやるととくに太いほうの弦では鳴りはじめがスムースなようです。 でもこれは下げ弓のときはまだしも、上げ弓の際には手ごわい。 Bowingについては、これからも楽器を続ける限り、語り尽くせぬテーマとなることでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年06月30日 00時36分16秒
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