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私は引っ込み思案の性格のせいか、みみっちいからなのか、あるいは長く伸ばすと不安定になるような気がしていたからなのか、エンドピンは少ししか伸ばさずにチェロを弾き始めました。
すなわち、楽器を比較的垂直に近く構えることになります。 こうすると左手が第1ポジションにあるときでも、顔を左に向け、楽器の軸を左肩よりにずらすことで指板を見ることができ、弦を押さえる位置も確認できたのです。 しかしその結果、構えが崩れて行き、前々回に書いたとおり、左肘が下がり手首を強く屈曲して弾くくせがついてしまったのでした。 2回目の発表会ではバッハの無伴奏1番のアルマンドを何とか弾いたのですが、そのときはまだこの状態で弾いていました。 その後個人レッスンに変わり、悪いくせを指摘されてから構えを一新することにしました。つまりエンドピンを長く伸ばし、楽器を今までより寝かせて弾くことにしたのです。チェロのネックを左肩に担ぐ感じにして、左手の位置を目で確認することは断念したのです。 とくに第1ポジションにある時には、左手が全く見えなくなりました。しかしこうすることで、右手でもつ弓と弦との交わり具合がよく見えるようになりました。 弦がこれまでよりも横に寝ることで、弓にかぶさる自分の手の重さが、より大きく弦に伝わることにもなります。 そもそも自分の手元にあったチェロの教本で、楽器を構える角度について、初心者にはっきりわかるように書いたものは見当たりませんでした。 絵や写真が載っていても正面から見たものばかりでした。 唯一、記載がしっかりあるのが、1年あまり前に買ったPaul Tortelier(トルトゥリエ)の著した「現代チェロ奏法」(全音楽譜出版 3500円)で、これには「チェロのエンドピンは、演奏者の負担にならない程度、できるだけ長くする。」としっかり書いてあります。すなわちできるだけ楽器は横に寝せて構えるように薦めています。 およそチェロの教本で、この本ほど、楽器や弓を構える姿勢についてこまごまと具体的に書いてあるものを、ほかに知りません。写真もたくさん載っていて、トルトゥリエ自身がモデルをつとめています。ああそれにしても彼の指のなんと細くて長いことか! うらやましい限りです。 そんなこんなで、現在わたしはエンドピンの長さをおおよそ自分の手のスパンの2倍(約32cm)に決めています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年07月01日 01時45分29秒
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