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月影のことを書いたけど、 実は今月、私はもう一つ悟ったことがあった。 クスノキのこと・・・ 何でもある職場で、今は、ユリノキも咲いているんだけど、 今まで13年以上居て、今年初めて知ったことがある。 それが、クスノキのことなんだ。 私は今の職場に来るまでも、勿論クスノキは知っていたし、 樟脳だって知っていた。 ドクターのお陰で、アオスジアゲハの蛹も見つけられる。 すごいたくさん植えてあるクスノキの、木毎に違う新芽の色も、 春の楽しみで、ワクワクするものだ。 ある意味で、すごい美葉系の大木???かも。 でも、本当に、この53歳の5月のある日まで、 クスノキの花があんなにも甘く切なく香ることを、 まったく知らなかった。 それは、ある雨上がりの午後、夕暮れの迫る頃、 悩ましいほどの甘く優しい薫りが、帰ろうとする私を包んでいた。 しばらくそこに佇んでいたいほどの、良い薫りだった。 しかも、なんの邪気も無い、 絶対にこれは身体に良い薫りだとわかった。 見上げるまでもなく、そこにはクスノキが花を咲かせ始めていた。 この春から車を停めるようになったスペースの上に、 アオスジアゲハの大好物のクスノキがあって、 周囲のクスノキが大きな伐採の憂き目に遭ったときにも、 その木はまったく切られていなかった。 そして、こんもりと美しい樹形を保って、枝と言う枝に花をつけていた。 心此処に在らざれば、見るとも見ず、聞くとも聞かず。 そんな13年間を過ごして、14年目の5月。 そのクスノキの咲かせる花の香気を初めて知った。 沈丁花でも蝋梅でも、梔子でもない、 今を盛りの忍冬でもない、 枝先を明るい緑に見せる淡いクリームイエローの小花。。。 クスノキって、こんなにも素晴らしい薫りで咲くのだ。 葉の香とはまったく違う優しい甘さを知った。 5月を、好きになれそうな気がする。 2週間足らずの短い薫りの時期が過ぎても、 来年を楽しみに待てる気がする。 樟の精の姿を思ひつつ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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