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2012.05.13
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カテゴリ:書評

「下山の思想」  五木寛之・著


【送料無料】下山の思想

ある先生に勧められた読んでみた一冊。

五木寛之氏の作品は、「風の王国」を読んで以来は最近は読んでおりませんでしたが、なかなか読み応えのある作品でした。

いまこの時代にあって、日本人は、成長神話の呪縛を捨てるべきで、あらためて人間として成熟するステージに入っているというのだ、ということを「登山」に対応して「下山」というタームを用いて表現しております。

上昇するということは、集中するということだ。これまでこの国は、集中することで成長してきた。戦後六十数年、私たちは上をめざしてがんばってきた。上昇する。集中する。いわば登山することに全力をつくしてきた。登山というのは、文字通り山の頂上をめざすことだ。ルートはちがっても、頂上は一つである。しかし、巻が手見ると登山という行為は、頂上をきわめただけで完結するわけではない。私たちは、めざす山頂に達すると、次は下りなければならない。頂上をきわめた至福の時間に、永遠にとどまってはいられないのだ。登ったら下りる。これはしごく当たり前のことだ。登頂したあとは、麓をめざして下山するのである。永遠に続く登山というものはない。繰り返しになるが、登った山は下りなければならないのである。登山して下山する。それが山に登るということの総体である。厳密に言えば、登・下山、というべきかもしれない。しかし、この下山ということについては、あまり人は意識しないように思われる。実際には登山という行為の、後半部分というか、しめにあたる重要な場面であるにもかかわらずである。そこにはやはり、「下る」ということに対しての軽視の感覚があるようだ。登ることについては熱中できても、下りること、下ることにはほとんど関心がない。それが私たちの普通の感覚である。しかし、私はこの「下山」こそが本当は登山のもっとも大事な局面であると思われてならないのだ。





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Last updated  2012.05.13 12:35:52
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