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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2014.03.30
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カテゴリ:生活・人生
 人はなぜオレオレ(振込み)詐欺に引っかかるのだろう、と思ってネットを調べたら、あるある、沢山の被害者の例やその特徴。詐欺にあう人の心理分析や詐欺師のテクニックもいろいろ書かれている。

 それらをまとめて整理すると、まず、詐欺師は簡単にひっかかりそうな人を選んで、電話をかけて来る。その方が効率的だからだ。セールスマンが自分の商品を買いそうな人を調べ、その人に集中攻撃するのと同じである。

 手口はいろいろあるが、まず事前に警察官を装い、「最近、この近所でオレオレ詐欺が多発しています。注意してください」と電話をかけてくる。犯人は電話の応対の様子から詐欺にかかりそうな人物に目星をつけ、あとでオレオレ(振込み)詐欺をしかける。

 むろん警察官ではなく息子や孫を装ってかけてくる例もある。例えば――。

「ああ、あのー、オレ、オレだけど、今度携帯の番号変わったから、ちょっとメモしてくれる?」 そう言われて、電話に出た高齢の男性(女性)が「オレって、あんた、誰だ?」というようなら、犯人は「だますのがむずかしい」と判断し、「失礼、間違えました」と電話を切る。


 これと違って「あんた、誰」と確かめることなく、「ああ、わかった。ちょっと待ってな。いま、ペン持ってくるから。……はい、で? ○○○の○○○○な(ね)、よし(はい)、わかった。メモしたぞ(よ)」なんて言ったとする。

 詐欺師は「自分のことを確認もせず、簡単に信じた。カモだ!」と思うはずだ。電話に出た高齢者は「オレって、電話の主は転勤して最近会っていない息子の一郎か(孫の健一か)と勝手に考え、応じてしまうのだ。

 そこまで行かず、「うん、一郎かい?」なんて応じた場合でもオーケーだ。犯人は「そう、一郎だよ」と言いつつ「騙せそうだな」と見当を付ける。


 なるほど私も「一郎かい?」とまでは言ってしまいそうだ。だが、自分の息子(孫)なら、声でわかるではないか。これが私の年来の疑問だった。同じ疑問を持ち、だから「こんな詐欺には引っかからない」と自信を持っている人は多いだろう。かくいう私もそうだ。

 だが、犯人はこんな風に言って、相手の警戒心を解くという。

「ああ、オレ、一郎だよ、ごめん、風邪をひいてしまって、ちょっと声が変だと思うけど」

 音声の専門家によると、人は音声の細やかな違いまで区別できない。電話相手の声の高さ、話し方、なれなれしさなどから、判断する。相手に「一郎だよ」と言われると、一郎の音声記憶をたぐり、似ている点があると、信じるようになる。

 人を信用しやいタイプは、少しでも似ている点があると本人だと確信してしまう。疑り深いタイプでも、相手が困っていて「緊急に金が必要」といった話を持ち出されると、「大切な息子(孫)を早く助けねばならない」という気持ちの方が優り、疑う気持ちが吹っ飛んでしまう。

 詐欺師はそこにつけ込む。「(振込みは)午後3時までに」「今日中に」と短時間で済ませるように畳み掛け、冷静に判断する時間を与えない。 

 <ああ、一郎だよ。取引先に振り込む325万円を電車に置き忘れちゃった。今日中に振り込まないと、オレ、会社でちょっとヤバイ立場になっちゃう。最悪の場合、居られなくなるかも……。金は後で出てくるかも知れないし、出て来なくても毎月給料の中から10万円づつ返すから、ごめん、とりあえず、僕の口座に振り込んでくれない?>

 あるいは――。
 

 <会社の後輩の○○がそちらに行くので、彼に渡してほしい。僕はJRの忘れ物センターでの手続きで、そちらに行けない>

 それでも、やはりおかしい。自分なら「一郎、確認したいのだけど、住んでいるのはどこ?」ぐらいは質問して、相手を確かめるだろう。そう思う読者は少なくないだろう(私もそうすると思いたい)。

 ただ、これは金額の多寡にもよる。325万円ではなく、もっと少ない(それでいて若い息子や孫ではすぐには支払えそうもない)金額、例えば85万円ならどうだろう。「そのくらいなら、とにかく今は振り込んでおいてやろう」と思わないだろうか。

 さらに、息子や孫ではなく、警察を装ってきたら、どうだろう。最近は個人情報が流出しており、詐欺師が狙いを定めた人物の家族構成をつかんでいても不思議ではない。で、例えば――。

 <○○警察の交通課ですが、山田さんですか。お宅に息子さんで一郎さんっていらっしゃいますよね。実は、一郎さんが車で人をはねてしまいました。相手の人命にかかわるほどではないのですが、かなりの重症です。今、息子さんは事情聴取などで、電話に出られる状態ではありません。被害者は「訴える!」と強行なものですから。そこで、電話したのは結論から言いますと、示談金をすぐ支払った方が後々、何かといいと思うんです。過失なので、それほど大きな金額は必要ないです。当面50万円をご用意いただき、すぐに相手方に振り込んでいただけますか>

 
 これも「どこの警察だ、後で連絡するので電話番号を教えてほしい」とやることもできる。だが、緊急の場合だと動揺して、振り込んでしまうかも知れない。と、ネットの「オレオレ詐欺」に関するブログを読み進むにつれ、「自分は絶対に騙されない」という自信が薄らいできた。
 

 あるブログは被害者の心理として、こう買いている。


 <現に詐欺にだまされつつある状況下で「自分はだまされない人間である」と堅く信じる人間は、その前提から「今、自分が直面している事態は詐欺ではない」という確信に導かれやすい。「私はだまされない」⇒「今も私はだまされていない」⇒「だから、これはけっして詐欺ではない」というループの中にすっぽりと入ってしまい、結果的にまんまとだまされてしまうのである>


 特に、自分(だけ)を頼りにして電話してきている大切な息子や孫を助けようとしている時に、「私は今、騙されているのではない。自分は詐欺師のペテンにあう愚か者ではない」という心理に陥りやすい。


 ゆめ、こうした心理に陥らないよう。自戒を込めて書き置く。





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Last updated  2014.03.30 16:46:21
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