カテゴリ:国語
いーかげんな天使と少年の成長物語です。子供にもお勧めです。
主人公は中三の少年の体にホームステイした魂です。どこの誰かは本人も分からない。でも乗っかった体と一緒にいーかげんな天使、その名も「プラプラ」をガイドにして修行を積んでいきます。 このいーかげんな天使がとてもいい味を出しています。力が抜けていて人間離れしていて、思わずニヤリとする場面を服のしわがよるように自然に作ってくれます。コーヒーの苦味のようないい味だけど子供には分からないでしょ、というちょっと突き放したところもいいです。 中学生の日常が中学生っぽく書かれていて、よくある「大人が郷愁をもって子供時代を振り返る」タイプの作品でないので、子供にも受け入れやすいでしょう。実際カスタマーレビューを見ても子供の時に読んだ読者がかなりいるようです。 理論社さんですし、児童書のカテゴリーに入ります。中学入試にお勧めかというと、難しい。高校入試にはくだけていて易しいし、中学入試だと主人公の年齢がやや高めです。ただ、中学入試では入った後をイメージするような小説を選ぶこともあるので、そういう傾向の問題を出す学校なら使うかもしれません。話題の作家さんですし。私は森さんの小説に出てくる中学生達がどの子も冴えなくてしょぼいけれど精一杯なところがとてもいとおしくて大好きです。 お時間があれば。小学校5年生くらいから読めると思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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