カテゴリ:国語
小学校六年生女子の成長を描いた物語です。
一人称で良いことも悪いことも散文体で語っていく形式です。子供の頃の混乱した気持ちを文字にするとこんな感じかもしれないと思います。これはお友達関係でもやもやしている女の子が読むと、自分の気持ちを代弁してもらっているようなありがたみがあるかもしれません。もんもんしている女の子が読むと腹が立つでしょうね。 男子が読むか。ブンガク好きな少年なら手を出すかもしれないけれど、うちの息子は読まないだろうなあ。同級生の女子はうるさいだけ、面倒なだけの奥手くんですから。 心情がたっぷりと書き込まれていますし、取り上げている年代も12歳とストレートど真ん中な年齢ですから、許諾がとれれば素材文として十分使えると思います。この本も場面を切り取っていく章立てで、一気に読めなくても休憩しながら読み進められます。どちらかと言えば読みやすい本だといえるでしょう。女の子なら。ということで女子校向けでしょうか。場面場面で気分がかなり変わる主人公なので、切り取った場面だけで読解を進めるのと、全部を通して読むのとでは全く違った感想をもつかもしれません。そういう意味では女子高志願者なら読んでおいても損はないかも。通読しなければ分からない主人公の軸がわかります。 ここに来て、受験に出そうな本ばかり読んでいると「大人の本が読みてー」という渇望感に襲われます。 素人苔の我流解釈だと、受験の素材文に使われる本は ☆少年少女の成長物語。年代は小学校6年生~中学3年生くらい。ことに小学校高学年。 ☆文章がタフで破綻していないこと。流麗である必要はない。私からみてやや無理のある文章の作品も使われているようです。 ☆少年少女の感情が豊かに表現されていること。 ☆隠喩が少しは含まれていること。 ☆許諾がとれること。だから灰谷健次郎さんの作品はどんなに優れていても受験にはほとんど使われません。重松清さんは許諾を下さるらしくよく使われます。重松さんは私も好きです。 ☆必ずしも児童文学とは限らない。本体にかなりきわどい描写があっても切り取られる可能性あり。長文でも6000文字程度です。いかようにでも切り取れます。 ☆純文学とは限らない。 ☆理科系エッセイ、社会学系エッセイ、言語学系エッセイも好まれる。この分野は私にとって開拓の余地ありです。お子様向けはちょっと辛いけど。 本当はここ十年くらいの直木賞受賞者の作品くらいは見ておいたほうがいいのでしょうけれど、いい加減私も自分の勉強がしたい!ということで熱力学の本を買いました。ちょっと読書のペースを落とそうかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.08.27 21:46:10
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