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カテゴリ:原子力
 「 社会のなかで、ある人間の活動が行われ、それによって社会に何らかの不利益あるいは危険がもたらされる場合には、それを防止しあるいは緩和する責任はその活動を行っている人、すなわち『事業者』が負うというのが、国際的にも確立した原則であって、原子炉の場合も例外ではない。

 原子炉の安全の公式かつ全面的責任は事業者すなわち『原子炉設置者』が負うのである。」

「原子力安全の論理」(佐藤一男著、日刊工業新聞社)



 事故が起こった場合、事業の許認可権限をもつ役所が出て行ったとしても、どうにかなる、というものではありません。

 たとえば、産業廃棄物の処理施設の事故で、産業廃棄物処理業の許可権限をもつ県庁の役人が出て行っても、施設の運転ができるわけではありません。
 
 原子力安全委員会にしても、原子力安全・保安院にしても、同じようなもので、もともと、暴走を始めた原子炉をコントロールできる能力をもつようには出来ていません。


 また、自衛隊や消防車が出て行っても、たとえば、化学工場の火災事故のように、水や消火剤をぶっかけるくらいのことしかできません。

 かなり緊張感を強いる作業であったのですが、今回の事故でも、まあ、同じようなものでした。

 
 やれ、自衛隊を出せ、政府が乗り込め、というようなことが、言われていましたが、もともと、政府ができることは、限られています。

 3月15日に、本部長菅首相、副本部長海江田経産大臣、同東電清水社長で発足した「福島原子力発電所事故対策統合本部」は、法定外の任意の組織で、法律上は事業者が負うべきものである、社会にもたらされる不利益を防止し緩和する責任が果たされるように、事実上、補助するものでしかありません。

 統合対策本部に、何か強力な権限があるように勘違いされているようですが、原子力災害対策特別措置法16条に基づく「原子力災害対策本部」とは異なり、法律上の根拠のある組織ではありません。



 今回の事故のように、事業者が、おそらく、社会にもたらされる不利益や危険よりも、自社の財産が毀損されることの方を心配して、まごまごして、十分な防止、緩和する責任を果たさないような場合は、どうなるのでしょうか。

 まず、罰則を設けて、責任を果たすように強制する、ということが考えられるのですが、一般的には、刑罰で強制するということはないようです。

 原子力災害対策特別措置法3条は、

(原子力事業者の責務)

 第3条  原子力事業者は、この法律又は関係法律の規定に基づき、原子力災害の発生の防止に関し万全の措置を講ずるとともに、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止及び原子力災害の復旧に関し、誠意をもって必要な措置を講ずる責務を有する。

 となっていますが、この責務違反に罰則があるというわけではありません。
 

 最終的には、損害賠償請求がわが身にかかってくるので、できるだけ、社会にもたらされる損害を最小にしようとするはずだ、という前提で、法律ができているのでしょう。

 しかし、「異常に巨大な天災地変」(原子力損害の賠償に関する法律3条1項但し書き)という、紛らわしい免責条項が用意されていたり、事業者が地域独占の甘ったるい体質をもっていたのでは、腹をくくった、臨機の対応は、難しい。


 政府は、事業者に対して命令ができるようですが、命令が、直ちに実行されるという保証はありません。

 原子力災害対策特別措置法20条2項、原子炉等規制法64条3項は、次のようになっています。


 原子力災害対策特別措置法

(原子力災害対策本部長の権限)

第20条  
 2項  原子力災害対策本部長は、当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区

域における緊急事態応急対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるとき

は、主務大臣に対し、規制法第64条第3項 の規定により必要な命令をするよう指示す

ることができる。


 ここにいう「規制法」とは、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 」(原子炉等規制法)のことです。



核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律

(危険時の措置)

第64条  原子力事業者等(原子力事業者等から運搬を委託された者及び受託貯蔵者を含む。以下この条において同じ。)は、その所持する核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は原子炉に関し、地震、火災その他の災害が起こつたことにより、核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は原子炉による災害が発生するおそれがあり、又は発生した場合においては、直ちに、主務省令(第三項各号に掲げる原子力事業者等の区分に応じ、当該各号に定める大臣の発する命令をいう。)で定めるところにより、応急の措置を講じなければならない。

2  前項の事態を発見した者は、直ちに、その旨を警察官又は海上保安官に通報しなければならない。

3  文部科学大臣、経済産業大臣又は国土交通大臣は、第一項の場合において、核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は原子炉による災害を防止するため緊急の必要があると認めるときは、同項に規定する者に対し、次の各号に掲げる原子力事業者等の区分に応じ、製錬施設、加工施設、原子炉施設、使用済燃料貯蔵施設、再処理施設、廃棄物埋設施設若しくは廃棄物管理施設又は使用施設の使用の停止、核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の所在場所の変更その他核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は原子炉による災害を防止するために必要な措置を講ずることを命ずることができる。

一  製錬事業者、加工事業者、使用済燃料貯蔵事業者、再処理事業者及び廃棄事業者(旧製錬事業者等、旧加工事業者等、旧使用済燃料貯蔵事業者等、旧再処理事業者等及び旧廃棄事業者等を含む。)並びにこれらの者から運搬を委託された者 経済産業大臣(第五十九条第一項に規定する運搬に係る場合にあつては同項に規定する区分に応じ経済産業大臣又は国土交通大臣、船舶又は航空機による運搬に係る場合にあつては国土交通大臣)

二  使用者(旧使用者等を含む。以下この号において同じ。)及び使用者から運搬を委託された者 文部科学大臣(第五十九条第一項に規定する運搬に係る場合にあつては同項に規定する区分に応じ文部科学大臣又は国土交通大臣、船舶又は航空機による運搬に係る場合にあつては国土交通大臣)

三  原子炉設置者(旧原子炉設置者等を含む。以下この号において同じ。)及び当該原子炉設置者から運搬を委託された者 第二十三条第一項各号に掲げる原子炉の区分に応じ、当該各号に定める大臣(第五十九条第一項に規定する運搬に係る場合にあつては同項に規定する区分に応じ第二十三条第一項各号に定める大臣又は国土交通大臣、船舶又は航空機による運搬に係る場合にあつては国土交通大臣)

四  外国原子力船運航者及び外国原子力船運航者から運搬を委託された者 国土交通大臣

五  受託貯蔵者 第六十条第一項各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める大臣




 具体的に、3月15日に、経済産業大臣から東京電力に対して、
 
「原子炉等規制法第64条第3項の規定に基づき、貴社の福島第一原子力発電所の第4号機の使用済燃料プールへの注水を可及的速やかに行うことを命じる」

 という命令が出ていますが、このような緊急時の命令に対しても、事業者は行政不服審査法6条によって異議の申し立てをすることができる、ということになっています。

 つまり、命令違反に関しては、原子炉等規制法78条27号で、一年以下の懲役、100万円以下の罰金という罰則がありますが、事業者としては、60日間、命令に従うかどうかを考慮する期間が与えられているわけで、直ちに従わなかったとしても、罰則が適用されるようにはなっていません。



 結局は、事業者が臨機な対応によって、損害を最小にするしかありません。

 それは、事故が、たとえ、「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたもの」(原子力損害賠償法3条1項但書)であっても同じことです。

 菅首相が言ったように、「あなたたちしかいない」のです。


 しかし、当初、意図的にかどうか、原子力安全保安院や、政府が暴走を止めてくれるのではないか、というような雰囲気がまき散らかされていました。

 
 で、「原子炉の安全の公式かつ全面的責任」を負うはずの事業者はどうしていたかというと、どうやら、自分に都合のよいように免責条項を解釈して撤退しようとしたようですが、最近は、「電源が喪失し、放射線量も高い厳しい状況だった」という、おそらく、あらかじめ用意されていた言葉を繰り返しています。

 事故を収束させる以前に、堂々と免責を主張するなどということは、商人としては見上げた根性かもしれませんが、原子力発電所という怪物のようなものを扱うのに適した性格とはいえません。

 
 

(追記1)

  なぜ、ベントを「命令」しなかった、と、がなりたてて、政府を追及していた国会議員がおられましたが、たとえ、政府が、命令を出しても、それが、直ちに実行されるかどうかは、事業者の意思によるもので、法律に詳しく、なにかと政府に反抗的な、この事業者が、おとなしく、従ったかどうか。


(追記2)

  損害賠償責任に関しては、事実が確定しないと、何とも言えない。


 現在のところ、わからないことが多すぎるし、事態も収束していないので、損害賠償責任の議論は、確定的なものではない。

 もし、原子力災害対策特別措置法3条違反があったとすれば、そのことによる損害賠償責任は、当然、東電に着せられるべきものである。
 
 この点に関しては、地震、津波の直後の対応を明らかにしないばかりでなく、社長が一か月近く雲隠れしていたことからみて、東電は、訴訟も念頭にいれているのだろうとは思いますが、そういうことが、原子力発電所に対する不安をあおる。

 
(追記3)

5月23日
 
 相変わらず、テレビなどの報道では、事故当初の原子炉に関して首相が何を言った、というようなことを問題視するようなものがあるが、素人の首相が何を言おうがそんなことに惑わされて、事故防止のために適切な対応が取れないような事業者なら、もともと、原子炉設置者になるような資格はない。

 第一、事故を起こしたこの原子炉設置者が、具体的な指示ができるような資料を、政府に提供していたようにはみえない。


 この間の、報道には、原子炉設置者の責任を曖昧にして、結果として、原子力発電所に対する不安を煽るものが多く、原子力行政の問題点だけでなく、無能で極めて悪質なマスコミの体質も露わにしている。

 法律上の責任と権限に関する基本的前提を無視して、政治的思惑に引きずられたすぎた論調の記事が非常に多い。

 もし、素人の首相の発言に惑わされて適切な処置ができないような原発設置者であるなら、そのような事業者を育ててきた自民党の責任は極めて重い。

 法律上の責任と権限に関する前提を無視する傾向は、自民党をはじめとする野党だけではなく、反原発勢力の傾向でもあるので、話はややこしくなるのですが、なんでもかんでも政府の責任だというのでは、かつての一億総責任に通じるものです。
 

(追記4)

5月31日


 事業者責任の原則(原子炉設置者責任の原則)と、原子力災害対策特別措置法16条に基づく、法定の組織である「原子力災害対策本部(原災本部)」と、法定外で任意の組織である「福島原子力発電所事故対策統合本部」との関係については、「馬淵澄夫 総理補佐官 2011.4.22 」が分かりやすい。

 












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最終更新日  2011年06月01日 08時01分57秒
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