「阪急電車」と「タンポポ」と「しあわせのかおり」
相変わらず、毎週3本づつ、DVD鑑賞しています。そのうち2本は「男はつらいよ」もう40本観たので、残りわずかです。全48作なので、もうすぐ終わってしまうと思うと寂しいです。もう1本は、やっぱりほんわか〜とした、心があったか〜くなるような作品を観たいので、最近はこういうチョイスになっております。楽天レンタルで「阪急電車 -片道15分の奇跡-」を借りようこれは、片道15分の電車に偶然乗り合わせた人々のお話。結婚間近だったのに、恋人を後輩に奪われたOL行きたくもない、PTA仲間とのランチ会を断れない気弱な主婦軍事オタクでまわりから浮いちゃってる男子大学生自分の名前にコンプレックスを持ってる女子大生同級生からはぶかれて、苦しんでる小学生イケメンだけど暴力的な彼氏にふりまわされる若い女性孫娘を連れているおばあちゃん ・ ・ などなど接点のないそれぞれの日常が、しかもありふれた日常が、偶然乗り合わせた車内で、ほんの少し、同じ空間にいたことで、思いがけないことが起こり、まったく別の日常に方向転換してゆきます。どの方向転換も、温かい気持ちにさせられて、私は、こういう映画好きだなぁ。一大スペクタクルより、日常のほんのささいな事に潜む感動が今の私は素敵だと思ってしまう。そうそう、この「阪急電車」の中で、重要な役割を果たすおばあちゃん役の宮本信子さんを観ていたら、この映画も久しぶりに観たくなって、借りました。楽天レンタルで「タンポポ」を借りよう1985年の作品だから、27年前の伊丹十三監督作品ですね。若かりし頃の宮本信子さんが可愛いです。それこそ若い兄ちゃんの渡辺謙さん、役所広司さん、安岡力也さん、そして山崎努さん。この映画、当時私が働いていたビルの一本となりの路地でもロケをしてました。ラーメンの先生役の大友柳太朗さんを間近に拝見し、興奮したのを覚えています。しかし、大友柳太朗さんは、この作品が遺作になりました。当時、大変ショックを受けました。それにしても、宮本信子さんの発する言葉のきれいな事といったら。タンポポでも、阪急電車でも、改めて感じました。もう1本ご紹介。「阪急電車」で恋人を盗られたOL役の中谷美紀さん。彼女の映画も観たくて借りたのが、楽天レンタルで「しあわせのかおり」を借りようしあわせのかおり町の小さな中華料理店、王さんのお店は人気店。おいしいと評判。そこに、デパート新規出店の契約をとりに、中谷美紀さん演じる貴子が通いつめます。しかし病気で倒れた王さん。店はどうなってしまうのか?美味しそうな中華料理がたくさん出て来て、最後には、あたたかい気持ちになれる、そんな映画でした。ものを食べるって事、すごく大切にすべき事なのだなぁ、と自分の暮らしの中でも強く感じているところです。何を、どのように食べるのか。命をいただく、そしてその命で自分の命を繋ぐ、ということ。「阪急電車」にも、グルメ気取りの主婦たちが、大声で車内でけたたましい声をあげる場面がありますが、それについていけない一人(南果歩さん)が自宅で作るつつましい家庭料理を夫と息子が、喜んで食べるんですよ。「俺はかあさんが作るチャーハン、大好きだ」って。「タンポポ」でも、危篤の奥さんの死に目に会おうと必死で帰ってきた夫が、「かあちゃん、しっかりしろ!そうだ、夕飯作ってくれ!」って言って、最後の力を振り絞って作ったチャーハンを、子供達と食べるんですね。何か色々象徴的なシーンが思い出されます。ご飯を食べる、ということの意味。期せずしてこの3作を観て、感じることが色々ありました。