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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2006年10月06日
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カテゴリ:第一章 061 ~ 122 話
​​​​.
 チュウランの攻撃が止まった。
 見ると、わき腹に寸止めされたこういちの拳。

師範
  「み、見事だっ」

 こういちは、右水平に伸ばして打撃にきた三節棍の鎖の部分に木棒を立てて巻き付けてから、
 二つ折りになった三節棒を握って三節棍とチュウランの動きを奪い、
 そしてチュウランの左に体を移して拳を打ちに行ったのだった。

チュウラン
  「ま、参りました。また修行を積みます。」
館長
  「うむ、すばらしい試武であったぞ。
   チュウラン、よくぞあそこまで三節棍を使いこなすのう。 見事じゃ。」

 館長に向かい片ひざをつき、片手で合掌をするチュウラン。

チュウラン
  「ありがとうございます。」
こういち
  「チュウラン、三節棍を頼りにしすぎているよ。

   最後のところ、左肘(ひじ)を突き出すことで防げる。
   三節棍の自由を奪われると、次の動きが鈍くなる。
   自由が奪われた瞬間に、捨て身の拳法に切り替えることも念頭に入れておくと、
   まだこの先の戦いがあるさ♪」

チュウラン
  「ありがとう。
   チュウラン、頭に入れる。」

チーラン(次女)
  「・・・・・・」

 物陰から、この様子もじっと見つめていた次女チーランであった。


~~
   ~~
      ~~


 ジャバ ジャバ ジャバ~ 雫
 くみ上げ式の井戸水で手を洗うこういち。 その背後に迫る影ひとつ・・・・

こういち
  「どうした、チーラン。」

 後ろも向かずに、影の主を言い当てるこういち。

チーラン
  「タオル 持って来た。」
こういち
  「さんきゅう。」

 チーランの差し出すタオルを受け取り、手を拭くこういち。

チーラン
  「チーラン、強くなりたい。
   チュウランみたいに、こういちと試合できるくらいに・・・・
                 そしてチーラン、こういちから言葉もらいたい。」
こういち
  「そのうちに試合はできるさ。
   チーランは組み手、剣術、棒術は卒房しているだろ。昨日は 豹 を使いこなしていた。
   色々と触れる中で、自分にはどれが向いてるか、
                    どれが戦い易いかを見つけ出してごらん?」 
チーラン
  「自分にむいている・・・・?」
こういち
  「そうだ、どれが自分にとって生き生きと無理なく操ることができるか、
   戦いやすい、防御しやすいかを。
   選んだそれをしっかりとマスターすることだ。 自分流にね。。。」
チーラン
  「自分流。。。」
こういち
  「うん、教わった型のままだと、相手もその動きに付いて来る。攻撃も受けも。
   だから、自分流にアレンジするのさ♪
   体の柔らかいチーランだから、相手の読めない体制からも攻撃が出来るはず。
   それを随所に出せばいいのさ♪

   そのためにも、やってて楽しい術はどれか。。。を見つけることだね♪ (^ ^v 」

チーラン
  「自分にむいてる術。 自分流。
   チーラン、分かった♪
   こういちの言葉もらえた。 チーラン嬉しい。 チーラン・・・・」
こういち
  「がんばれよ♪」

 こういちは手を上げてその場を離れていった。

チーラン
  「チーラン・・・・・こういちが・・・・。」


~~
   ~~
      ~~


 昼食後、こういちは広州明冥道 候流 の二人と手合せをしていた。

   ​カン​  キンきらきら キキンキンキンきらきら
            カン キン  カンカン  ムカッドス☆​

​こういち
  「そぅ、そのタイミングです。」

候 玲訓(こうれいくん)
  「あ、ありがとうございました。」
   ( なんという事だ・・・ )
侯 玉穂(こうぎょくすい)
  「ふう、初めてお手合わせ頂きましたが さ、さすがと言う他に・・・。」
   ( す、全てを・・・ )

 異次元の世界を体験した二人の表情が、初めて手品を見た子供のようだった。


こういち
  「お二人は既にご自分の手足のように手にする道具を使いこなせています。
   でも普段は一人ずつの練習でお二人同時に誰かを相手にって、されてないよう
   に感じました。
   その時の相手の攪乱方法やコンビネーションを煮詰めると良いかと。。」

侯 玉穂(こうぎょくすい)
  「おっしゃる通りです・・・。
   ただこんな機会を頂かないと中々そういう局面に恵まれず・・・」
こういち
  「抜き出た実力を持つと多くの参加者がそのようです。
   でも今後はそんな目標を持って臨むとさらに素敵な拳法に仕上がりますね。」

候 玲訓(こうれいくん)
  「ご教授 ありがとうございました。」

 続いてこういちは二十三房でスンチャの元に向かったのだった。



侯 玉穂(こうぎょくすい)
  「・・・なんという少年なんだ・・・
          全て・・・全ての攻撃が読まれていた・・・。」
候 玲訓(こうれいくん)
  「・・・次元が・・・
          まるで次元が異なる・・・
   彼の視線が・・・こちらが次に攻撃するその前に既にそこに目が向けられていた・・・。
   意図的に打たせてくれていたようだがまともに受けても微動だにせず、顔色一つ
   変えぬとは・・・」
侯 玉穂(こうぎょくすい)
  「これが陳南家 南流伝承者・・・。」

~~

修行僧
  「はいっ はいっ はいっ」

          パシっ パシっ  ザっ

スンチャ
  「ハッ!」

       ズゴっ★

修行僧
  「ぐぉっ」

スンチャ
  「次っ」

修行僧-2
  「はいーーー はいっ はいっ」

 スンチャは修行僧達と組み手を行っていた。
 奥ではこういちも同様に修行僧達に指導している。

修行僧-10
  「は~い はいっ はいっ」

        バシっ どす★ どす★

こういち
  「効かない効かない、そんな打ち込みでは、相手は倒れないぞ。」
修行僧-10
  「はい・・・。」
こういち
  「この攻撃の後、左手をこう~回して攻撃に行くと相手はこう~やって受けるだろ。」

 ゆっくりと修行僧の手を取り、自分も動きながら教えているこういち。

修行僧-10
  「はい。」
こういち
  「うん、その時にキミは左嘗で こう~やってフェイントを入れて、右手嘗でこの
   攻撃にいったろ。 ここで左脚踏ん張っての右嘗だと、半身で腰が入ってないか
   ら遠くて威力が半減、打ち込める時間も掛かってしまうんだ。
   だからここでは右嘗じゃなくて、半身のまま縮めていた右足を大きく蹴りだして
   左嘗の打撃を加えると、威力が相手にすばやくしっかりと襲い掛かるでしょ♪
   左脚は着地用さ。」
修行僧-10
  「はい。」
こういち
  「成れてきたら、
   左嘗を打ち込む時に『右手撃つぞー』ってフェイント入れるといい。
   着地した左脚は次に来る相手の攻撃からの回避の立足、またはこちらの次の攻撃
   の立足に繋がる起点となるのさ。

   まずは最後の左嘗までをしっかり打ち込もう。
                  その前の動きからもう一度やってみようか。」

修行僧-10
  「はい。」
こういち
  「よし来いっ」
修行僧-10
  「は~~いっ はいっ はいっ」

      バシっ バシっ

修行僧-10
  「は~い はいっ」

           バシっ ドス★

こういち
  「そうだっ、いいじゃないか。。。 威力のある一撃に変わったぞ♪
   但し、この肋骨のあるところじゃなくて、もうちょい下のここ、肋骨と腰骨の間の
   へその脇にがいい。同じ力で当てても、ダメージが丸で違うから♪

   逆に言えば、
   打ち込まれる時には少しかがんで肋骨に当てさせるか、腰を上げて腰骨に当てさせれば
   自分の被害は少なくて済んじゃうって事だね。防ぐその動きがそのまま次の攻撃に繋が
   る動作なら相手は遅れを取りとーっても困るんだ。」

修行僧-10
  「はい。」
こういち
  「では次の人。。。」

チュンホー
  「はい。」

こういち
  「おっ、チュンホーじゃないか♪」
チュンホー
  「先日は失礼致しました。 で、出すぎたまねを・・・・」
こういち
  「とんでもない♪ 助けてくれてありがとう。」
チュンホー
  「し、しかし・・・・」
こういち
  「あのとき、盗賊から助けてくれたのはチュンホー、紛れも無くキミさ♪」
チュンホー
  「な、なんと返答すればいいのでしょうか。」
こういち
  「返答なら、その拳で♪
   しっかりと遠慮抜きで打ち込めよ~。。。」
チュンホー
  「はい♪」

こういち
  「さぁ来いっ」

チュンホー
  「はい。」

 『は~ ハイっ ハイっ』

       ガシっ ガシっ ガシガシっ サっ☆ ズカっ ズコ★

こういち
  「いい蹴りだっ もう一丁~☆」

 『は~ ハイっ ハイっ』

     ガシっ ガシっ ガシガシっ ズカっ ・・・・


二十三房長
  「実に明確に指摘してくるな、こういち君は。」
ゆうすけ
  「やつは、本当にいつも楽しそうです。」
利江
  「うん、楽しそう~♪」

二十三房長
  「修行は辛いが、楽しさもないと修行僧は育ちがにぶくての。
   心がまだ育たない証拠じゃ。
   心身共に鍛えるには、長い年数が必要じゃての。

   こういち君と対じする時の修行僧の目が輝いておる。
   わしと違い、見下した指導をせずに、目線の高さが一緒の性もあるじゃろうが、
   何よりも確信を突いたところを教えているので説得力がある。」
ゆうすけ
  「スポーツや格闘技だけは天性のものがありますよ、あいつには。
   他はね、全然 (-_-

   だけどね、目線を合わせられるのは もしかしたらあいつ、
   幼いころからずっとそうしてきたから
   かもしれませんね。 相手に合わせてって。。。
   握手一つにしたって、あいつがまともに握っちまったら・・・・でしょ?」

二十三房長
  「なるほどのぉ。 彼なりに苦労はしておるのじゃて。。。

   さぁて、いよいよ明日じゃな。」




                               -つづく-




第108話  大少林寺 10 へ
 (みんな考えは同じようだ)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月14日 15時46分49秒
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