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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2006年11月01日
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カテゴリ:第一章 061 ~ 122 話
.
二十八房長
  「続いて、第四試合、
   我流拳 樗 敬雲(ちょ けいうん)、
   武当拳 玄 高揚(げん こうよう)
   との試合を始める。 お二人、前に。」

利江
  「ねぇねぇ、あの人、手足が長く見えない?」
クンナ
  「我流拳の 樗(ちょ)さんだね。 私がお連れした方だ。」

 比較的細身の体系で、身長はおよそ180cmくらいであろうか。
 一般の人から比べるとその手足は利江の言うように長めに感じる。

スンチャ
  「あのリーチを生かした戦い方なんだろうな。」
ゆうすけ
  「我流・・・となると、どう出るか分らない。」

 一方の武当拳の 玄 (げん)、長い髪を頭の上でコップを被せたような形の結び具合い、
 串のようなものを刺して止めている。

利江
  「あぁっ、あの人の背中の紋様見たことある~♪」

 そう、数字の[6]のような勾玉を二つ配し、一方を上下逆 69 みたいに描かれている。
 色は白と黒。

クンナ
  「武当拳系の証だね。彼らは導師と呼ばれたりする。映画で・・・見たのかな?」
利江
  「そうそう、なんか御札使ってってやつ。。。」
スンチャ
  「御札だとキョンシーの類かな。」
利江
  「うん、それだ♪」
クンナ
  「それはスクリーンでの話し。ここでは御札は登場しないよ。
   でもね、彼らの扱う拳はなじみがあると思うな。

   少林拳は剛拳に類し、彼らのは柔拳が多様されている。
   流れるようにゆるやかに。且つ打撃時には力強くって感じかな。」

 我流拳 樗(ちょ)、武当拳 玄(げん)が対じした。

二十八房長
  「それでは第四試合、 始めっ!

 開始の合図と共に、我流拳の 樗(ちょ)は、手を パン と叩き、素早い手さばきを見せ、
 再び パン と手を叩くと両手を胸で合わせ、手のひらを相手にかざしながら
 手を伸ばし始めた。

 一方の武当拳の 玄(げん)は、ゆっくりと片足を曲げ、膝を腰の高さまで持ってくる。
 手もゆっくりとした動きでそれぞれの手が風になびく柳の木のようだ。
 ゆっくりと一歩を踏み出しては腰を、肘を、膝を、指先に至るまでしなやかな動きを見せる。

利江
  「太・・・極・・・拳・・・?」

クンナ
  「おそらくは。
   ただ、それを学んでいない我々の見た目では、あの動きだけでは判断できないんだ。
   あの拳套、つまり基本の動きからさまざまな拳に移行するからね。」
利江
  「太極拳って、健康のための運動じゃなかったの?」
ゆうすけ
  「我々の国ではそういう紹介を TV で数多くやっているから。。。
   元々はそうなんだけど。
   太極拳って、色々あるんだろ?」
スンチャ
  「聞くところによると、源流の陳式から始まり、武式、楊式、孫式とさまざまな形で
   変化し、存在している。
   昔学んだ先人が、他の拳と融合させて改変していたからなんだ。
   でも1800年代ぐらいからといわれているから、ほんの二世紀くらいの歴史さ。
   長いのか、短いのか・・・・。」
ゆうすけ
  「さっすがピンポイントのスンチャだ。詳しいぜ。」
クンナ
  「他門派のことはおれも良く知らないよ・・・」
スンチャ
  「少林拳入門の時に、色々と学んだのさ。
   大きくは[少林]、[武当]、[峨眉]ってね。
   それで少し他門派のことも知ってるってだけかな。
   練功によってレンガも打ち砕くことができるってところで少林拳を選んだんだ♪」
ゆうすけ
  「するとあの我流、どこにも属さないか、あるいは・・・・
   どこかの流れの中の分派か独立門派かってことか。
   見たこと無い動きだぜ。」

 我流拳の 樗(ちょ)は、手のひらを相手に向けながら手を伸ばし[気]を集中した後、
 両手をメインに、鞭の様に鋭く振り回し始めた。

 武当拳の 玄(げん)は、ゆったりとした動きで、一歩、また一歩と歩法を進める。
 相手に近づいたと思うとふわっと引いていたりと掴みどころに難しい。

 突然、樗(ちょ)が、スピーディーに歩を進め、 玄(げん)に両腕で攻め入ったっ


樗(ちょ)
  「あたーーーっ」

 素早い左右の手套が 玄(げん)を襲うっ

           パシっ バシっ パシっ

 玄(げん)は肘をを曲げ、手の甲で受け流し、身を屈め、逆の手で下から
 すくい上げたりという動作でそれらを交わした。

 更に必要なまでの 樗(ちょ)の手腕による攻撃が続く。
 長いリーチを生かした左右からの攻撃に加え、時折、縮めた腕を鞭のように
 正面に繰り出すっ

        ズカっ

 玄(げん)の受けた腕をもものともせず顔面を打ち抜いている。
 そしてまた長いリーチを生かした左右からの攻撃。

クンナ
  「腕のリーチが長いとは言え、歩法が大きく素早いから正に突然真横から
   攻撃を食らうような感じだっ」

 たまらず 玄(げん)は数歩後退し、体制を整える。
 樗(ちょ)はニヤリと相手を見据える。
 拳套が変わり、今までと異なった動きをする 玄(げん)。

スンチャ
  「あれは、八卦掌かもしれないっ」

 玄(げん)の歩法が横に変化した。
 その横に見えた歩法、どうも円弧を描き、変則的ではあるが 樗(ちょ)を
 中心としての回りのようだ。

 樗(ちょ)は自分の周りを回る 玄(げん)の動きを見て、突然 相手の
 進行方向にステップし、鞭のような動きで手套をあびせるっ

 これを軽やかなステップで左右に歩を進め平手で 樗(ちょ)の手套を跳ね除け、
 樗(ちょ)の懐にもぐりこみ、横っ腹に平手手套をお見舞いするっ

         ズカっ

 一瞬ひるむ 樗(ちょ)、だが素早いステップで 玄(げん)との距離をとり、
 再び軽やかなステップの元、鞭のような左右の手套を繰り返す。

 対する 玄(げん)も不規則な歩法で、そして平手を駆使して交わし、受け流し
 これを回避する。

 凄まじい攻防だっ

          ズカっ  ズカっ

 時折双方の手套が相手に入り、にぶい音がする。

 樗(ちょ)は再びニヤリとすると、玄(げん)が歩法で右に避けた瞬間、
 右足のこれまた鞭のような蹴りが 玄(げん)の肋骨辺りを直撃したっ

         ズコっ★

 続け様、クルクルと回転しながらの脚技に変化した樗(ちょ)、
 顔面への蹴りは腕で防御、下半身への攻撃は膝を曲げてと、
 防戦一方の 玄(げん)。

       ズカっ ズカっ ズカっ

スンチャ
  「莫家脚拳っ !?  するとその前の腕の攻撃は 劉家手拳かっ !?

 跳躍も生かしながら手套、脚技を次々と繰り出す 樗(ちょ)っ!

クンナ
  「す、すごいっ!」

          ズカっ ズカっ ズカっ

 止まらない 樗(ちょ)の猛攻。
 だが、次第にその速度が衰えてきていた。

 そして 樗(ちょ)が跳躍からの着地の瞬間、

玄(げん)
  「たぁーっ

                ズゴっ★

 体ごと飛込み、正拳で樗(ちょ)の脚を叩いた後、そのまま肘を曲げ、
 体重を乗せて樗(ちょ)のみぞおちを打ち抜いた 玄(げん)。

 二人の動きが止まった・・・・。

 そして、ゆっくり、ゆっくりと倒れだす 樗(ちょ)。

            彡バサっ

スンチャ
  「八極拳 猛虎鋼覇山・・・・」




                             -つづく-




第117話 総本山対極試合 棲vs疎 へ
 (ほぅ、ふたつとな)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月14日 16時06分20秒
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