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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2017年12月14日
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  ~
    ~

ゾルダ
  「あーぁ、言わんこっちゃない・・・。」
峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)
  「グローブ付けないでって、やりだしたのあっちだよ。」
ザウバー
  「リングに上がれと言ったのもな。」
ゾルダ
  「まぁグローブは有っても無くても関係ねぇーがな。」

ザウバー
  「だがよ、蹴り・打撃の全てを受け切るってなぁ相手をきっちり見極めねぇと難し
   いな。」
ゾルダ
  「どってこない連中だったじゃねぇか。」
ザウバー
  「あの時のこういちだ。
   オレ達どころか姉貴とRyuichi のも見切って受けてやがった。 やった事ねぇ
   と勇気いるぜ。 今日のオレは分かっていたから勇気なんてな必要ないが・・・。」
峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)
  「そう言われればそうアル・・・。」
ゾルダ
  「ったく・・・。 なんて野郎だ・・・。」

峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)
  「ここでの用事、あいつだけアルね、この辺りは。」
ザウバー
  「あぁ。」
峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)
  「折角だから、何か美味しい物食べていくアルよ。」
ゾルダ
  「そいつぁーいい。」
ザウバー
  「おぉ、メシにするか。」


語り手:
    では彼らが食事中に、その後何があったか説明しよう。。



ジム男 3
  「鳴らせ。」
            ベルカーーン

 ゴングの音がジムに鳴り響いた。

ジム男 3
  「先程のバンチューローとは階級差があった。
   だがこの俺なら少しは近い。ズッシリと重い体重だけでは、守りきれんぞ!」

    シッっ シッシッシッ!  フンー!
             ズカ パシパシパシ  ズゴっ!

 『やれやれー』『いぞいぞ』
 門下生の意気が高まった応援。

    シッっ シッシッシッ!  フンー! ハッ!
         ズカ パシパシパシ  ズゴっ! バシっ!

 バンチューローの2階級は上にあると見られるジム男 3 の拳、重い蹴りがザウバー
 に襲いかかった! が、

ザウバー
  「口先は動かさんでいい。 早く本気で掛かってこい。」

 蹴りを食らうもやはり微動だにせず、ジム男 3 を挑発するザウバー。
 『おぉ・・・』
 突然意気消沈するため息に変わっていく。

ジム男 3
  ( こっ、こいつ! 丸で大木にでも打ち込んでいるような・・・ )
  「この程度では効かぬかよ。 ならそろそろ本気のムエタイを経験してもらうとす
   るか。」

 シシッ シッ シッ シッ シャーー
     シュシュ ズンズンズン ズゴ★

 素早くも重い一撃の拳、膝、そして力を更に込めたミドルフェイクからの顔面への強
 打! だが、

ザウバー
  「探りはいい。口は達者の様だがおまえ、その上持ってんだろ。
                            早く出せよ。」

 まるで避けずに受けたザウバー、そんな事を口走ったのだ。

ジム男 3
  「なんだとこいつぅぅ・・・。手加減無用とな。
   その上と来たか。 ならば・・・、こいつで病院のベッド送りにしてくれるっ!
   お望みの、 ムエタイ Spec-01 のぉ、これがこの おれの蹴りだぁぁっ!
                                シャーー
 師匠の本気だと胸をときめかせたリングの周りの門下生だったが、

     ガシ★  パンチムカッズボっ★

                     一瞬で氷付いた!
 今までと異なる速さと、そして渾身の力を込めたジム男 3 の蹴り! それにときめ
 き、『やった』と思った門下生に突如、絶望的な光景が目の前で繰り広げられたのだ!

 脚がムチの様にしなって繰り出された猛烈な蹴り、ザウバーはこれを初めて左腕で
 受け、目にも止まらぬ速さで次にはジム男 3 に右拳が叩き込まれ、目は血管が浮き出て
 くの字でロープに飛ばされる姿が!

    ズン ポーーン    彡ドサ ドサドサ

 ロープの反動で跳ね返り、リング上に転げたまま動かなくなったジム男 3 ・・・。
 門下生からは声一つ漏れることなく、ただただ、起きた出来事だけを注視していた。

ザウバー
  「相手が悪かったな。」
ゾルダ
  「おぃ、早く担ぎ出してやれや。」

 足がすくみ、その場から動く者が一人もいない。

ザウバー
  「冷やかしに来た訳じゃねぇ。 ムエタイはいい競技だ。
   オレらはこいつに用があっただけだ。 引き上げる。 邪魔したな。」

 ロープを自ら持ち上げ、ゆっくりとリングから降りるザウバー。

 3人はジムの外に足を運び、
峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)
  「格闘で利益を得ている Spec 持ちには、ほんと容赦ないアルね。」
ザウバー
  「地球が無くなるかもしれねぇって時に、のんきにその力で銭儲けたぁ気に要ら
   ねえ。」
峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)
  「だから、さっきの南極調査の人には手を出さなかったアルね。」
ザウバー
  「あの日、ゆうすけに貰ったオレ達の行動の手引きだ。
   まだ方々に散らばってやがる。 前総帥時代の Spec 戦闘員 の残党がな。」

ゾルダ
  「あーぁ、言わんこっちゃない・・・。」
峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)
  「グローブ付けないでって、やりだしたのあっちだよ。」
ザウバー
  「リングに上がれと言ったのもな。」
ゾルダ
  「まぁグローブは有っても無くても関係ねぇーがな。」



語り手: な、なにか、いい事してません?

ゾルダ
  「文句あっか?」

 拳を握り、振り上げて顔を出したゾルダ。

語り手: うわぁ・・・ こ、怖・・・

ザウバー
  「ただの暇つぶし、それだけだ。」
峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)
  「婚前旅行も兼ねてるアルよ♪」

語り手: は、はい・・・、そ、それは良かったですね・・・。


  ~
    ~

 チャポーン雫   チャポーン雫

 鍾乳洞の天井からつららを伝い、雫がひとつ、またひとつと落ちてくる。

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「なんだよ、雰囲気あるところだな。」

 ひんやりとした洞窟内、さらに奥に進むキジュロ。 再びポタン、ポタンとツララ状
 に垂れ下がった石灰を伝い、落ちてきた水滴が体を叩く。

 時折狭いスペースだったり、突然広がったりと、薄暗い洞窟の中を進むと、突如、天
 井が高く横幅もタップリの大空間に到着する。

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「んん~?」

 立ち止まったキジュロの視界には、全拳武道団 支部長達があちらこちらに血反吐を
 吐いて倒れている姿が・・・。

 辺りを見ながらゆっくりと近寄り、足蹴りで体を仰向けにするも、

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「こいつらも逝っちまってるか。 だらしないやつらだぜ。」

 遺体を眺めつつ、そう漏らした時だった。

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「んっ !? 」

 何かを感じ、広いスペースを見渡しとっさに移動したキジュロ。 シャっ彡
 すると、岩壁にふわっと扉の形が現れ、音を立てて開き始めたのだった。
              ズズズゴトゴトゴト
 そして、何も知らず中から現れたのは あの[前 近衛軍副長]トンコウ。
 数歩前に出ると扉は自然と閉まり始め、そしてふわっと見えなくなっていったので
 あった。

[前 近衛軍副長]トンコウ
  「チュウラン様のご配慮で、命を救われた・・・。
   本来、竹林の裏切り行為は重罪で重い刑罰か命を絶たれてしまう・・・。 ミカー
   ルめ、ここに攻めこむなんて聞いてないし、こんなことになるとは思ってもみ
   なかった・・・。
   再びミカールが私を目がけて移動してきても良いようにと、しばらくここに身
   を置けと。この程度の罰で済むとは有り難いことだ・・・。」

 独り言でぶつぶつと口元を動かしながら、スペースの奥へと歩き出した。

 岩壁の上方にへばりついて身を隠し、その様子を伺っていたキジュロ、

スペック-3戦闘員 キジュロ
  ( 現れては消える扉だぁ~? なんだそりゃ・・・ )


  ~
    ~

ゆうすけ
  「姉さんの話では、Spec-01 とほぼ同数と。 だから50,000体超えかな。」
[近衛軍長]チーラン
  「倍近く・・・」







                              -つづく-


第4-552話 破滅への動乱 へ
 (お前、ここの者か?)



  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月10日 13時39分48秒
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