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カテゴリ:映画館で見た映画
![]() (C)2023 MASTER MIND Ltd. この映画スタンダードサイズなんだ。 ヨーロッパでは受けるかもしれないけれどハリウッドじゃ無理だね、と思った。 墨田区に住んでいて足立ナンバーの自動車に乗り、渋谷区のトイレを清掃する初老の男、平山。この地理関係に違和感を持った。登場するトイレはどれもが意匠的トイレ。デザイン性に富んでいると思えた。と同時に温水便座なので機能的にも優れている。この映画で日本の公共トイレを初めて見た人は、どこもこんなに素敵できれいだと勘違いしてしまわないか、と危惧した。 ヴィム・ヴェンダース監督の映画と思って見た。見終えたら、役所広司の映画であった。ゆえに、カンヌ国際映画祭で役所広司が男優賞を受賞したのもなるほどと思えた。クレジットをみてほとんどが日本人スタッフだったので、ヴェンダースは雇われ監督だったと思った。役所広司はエグゼクティブプロデューサーである。 先ほど、オフィシャルサイトで制作について見たところ、企画・プロデユースが柳井康治であった。彼のコメントを読んで、最初に東京オリンピック・パラリンピックの開催に際して、「自分なりのおもてなし」としてTHE TOKYO PROJECTという渋谷区の公共プロジェクトを始めたとのことだった。著名なクリエーターにデザインしてもらったTTT(THE TOKYO TOILET)の公共トイレは新たな価値創出に繋がった。そして、その清掃・メンテナンスの重要性を痛感したとのこと。TTTのトイレすべてが価値・意義あるものと捉えてもらうにはアートの力が有効かも、とあり、この作品に至った。ゆえにこれは柳井康治の作品とも思える。 一線級の役者たちを取りそろえたキャスティングからするとスタッフが日本人だったからではないか。また、プロデユーサーが役所広司だったから実現できたのではないかと思えた。 柄本時生、麻生祐未、田中泯、三浦友和、甲本雅裕、安藤玉恵、石川さゆり、モロ師岡、研ナオコと僕が気づけた人はもちろんだが、ワンシーンやワンカットだけの出演はぜいたくな気がした。 ラジカセしかない生活で毎夜読書をして寝入る。 近所の早朝の掃き掃除の音で目覚める。 それから……。 かわりのない日常でなにかとアクシデントに巻き込まれながらも生活態度をかえずに過ごす。 それがなんとなくいいように思えてしまうので、この映画は成功したのではないだろうか。 エンディングの歌はとても良かった。 2023年/日本/124分/G 監督:ビム・ベンダース 脚本:ビム・ベンダース、高崎卓馬 製作:柳井康治 出演:役所広司、柄本時生、アオイヤマダ、中野有紗、麻生祐未、石川さゆり、田中泯、三浦友和、田中都子、水間ロン、渋谷そらじ、岩崎蒼維、嶋崎希祐、川崎ゆり子、小林紋、原田文明、レイナ、 三浦俊輔、古川がん、深沢敦、田村泰二郎、甲本雅裕、岡本牧子、松居大悟、高橋侃、さいとうなり、大下ヒロト、研ナオコ、長井短、牧口元美、松井功、吉田葵、柴田元幸、犬山イヌコ、モロ師岡、あがた森魚、殿内虹風、大桑仁、片桐はいり、芹澤興人、松金よね子、安藤玉恵 お薦め度 「PERFECT DAYS」★★★☆(70%) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.24 19:05:02
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