思わぬ落とし穴
『建設業界が置かれた立場 その1 その2』でも述べていますが、シックハウスの問題は今までその問題に直面したことがない、この問題はある一部のことで我が身には関係ない、又、自社は建築基準法を遵守しているので問題が起こることはない、と思われていた企業に突如として降りかかってきています。そして実際に火の粉をかぶったときに ・ シックハウスっていうのは本当にあるんですね ・ このような問題は私のところだけですか ・ 建築基準法は守っていますよ ・ これからどうなるのでしょうか ・ 何が問題なのですかなどとどの方も言われます。これはあまりにもシックハウスについて危機管理がないか、問題を軽視し不勉強であったといわざるを得ません。確かに中にはシックハウス問題を真摯に受け止め、まじめに対応されておられる企業の中にも上記のような問題が発生し、似たような言葉を言われるところもありますが、多くは従来シックハウス問題について関心が薄い企業がそうしたケースになることが多々あります。ただこうした問題は建設業界だけに問題があるとはいえないと思います。シックハウス問題を表面的に捉える場合、シックハウス問題で一番大きく取り上げられたホルムアルデヒドに法規制がかかり、建築業界における法律(建築基準法)にて規制されていれば問題の解決に至ったと思うのも無理からぬことではありますが(それでもその分野の専門であれば最低限の知識ともう少し物事を深く掘り下げて考えるということは必要だと思います)。一方でシックハウス問題が我が身に降りかかってきた住まい手側(この場合、シックハウスの知識がある方)からいうと ・ 建築基準法を遵守していないのではないか ・ 決められた建材を使用していないのではないか ・ 手抜きをした結果そうなったのではないかという風に考えられます。又、例え問題が起こるまではシックハウス問題を知らない方でも当事者になった場合、周りの方に相談されたり、自ら情報収集され、 ・ これは世間でいうシックハウスではないのでしょうか ・ 体調はもう戻らないのでしょうか ・ 何とかならないのでしょうかと建設会社に問われます。このように自らに火の粉が被ることになって始めて住まい手側も建設業界側も事の重大さに気づくという形になっています。この中で言えることは一般的にはどの建設会社も建築基準法に遵い、現行定められている建材を使用し建築されています。それでもこのような問題が起きるということは住まい手側も建設業界側も知っておく必要はあります。そこで現代社会に生きる我々はこの問題が一つの業界だけで対応できるものでも、法規制をすればいいというものでもないということを知る必要があります。こうしたことを踏まえ、我々にとって根本的なものの考え方から見つめ直し、切り替えていく時期がきたのだと思います。 2008年1月29日