テーマ:趣味の英語(406)
私の本を読んだ方から、「生きにくい子どもたち」(岩宮恵子著 岩波書店)という本を紹介されました。
本のはじめの部分を引用させていただきます。 「サンタクロースをいくつまで信じることができていたのかというのが、その人の幼少期の幸福度を示すバロメーターになる、といわれることがある。」 子供がサンタクロースという異界の人物を永く信じられるということは、まわりの人たちが信じること大切に扱った証明になるという考察に共感しました。もちろんサンタクロースに限ったことではなく、こどもが異界に浸ることを阻まないことが大切なのです。 ほのぼのとした教育論かと思ったら、異界に生きる子どもたちとの真摯な遣り取りが綴られていました。サブタイトルは「カウンセリング日誌から 今ここに生きる子ども」、臨床心理士の診察室に訪れた「生きにくい子どもたち」の生き様が描かれています。 同年代の子供を持つ親としては、興味を感じつつ、触れるのが怖い部分でもありますが、彼らが生きる異界にぐいぐい引き込まれていきました。反抗期を終えつつある高校生の娘から、ぽろっと小さい頃の気持ちを聞くと彼女なりにいろいろ考えていたんだなと感じることがあります。今もサンタクロースのいる世界を大切にしている彼女には、異界は欠くことのできない存在でしょう。 本を読みながら、私自身も異界に生きる子どもだったことを自覚しました。少なくとも2つの異界を私は持っていました。私の異界には残念ながらサンタクロースはいませんでしたが、治療を要するものでもなかったのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[Do You Belive in Santa Claus?] カテゴリの最新記事
私も読みました。生きにくさを抱えた子供達(大人もそうなのですが)の背景に、悪気はないけれど、やはり追い詰められた親たちがいます。
想像力の世界に生きることを許さない、安らぎやゆとりのない家庭の姿、、、当たり前のように、個室にパソコンやテレビが各に与えられる、これだけ豊かな世界に生きながらも、目の前の利益しか求めない、信じない貧しい精神世界しか持てないで疲れ切っている子供の姿、このパラドクス。子供達には、他者から学ぶ、他者の人生を生きるという体験の大切さを教えたいものですね。 (July 19, 2005 09:58:06 AM)
重い話題なのでコメントをいただけるのかしら? と案じていましたが、杞憂でした。
よもぎさん、すぐに反応してくださってありがとうございます。さすがよもぎさん、本の知識だけではなくて、経験に基づいたご見識をうかがってなるほどと思いました。 >背景に、悪気はないけれど、やはり追い詰められた親たちがいます。 親が想像の世界を認めてやれない現実があるのですね。こころの豊かさが、ものの豊かさに置き換えられてしまっているというご意見は、確かに私にも思い当たるふしがあります。 >子供達には、他者からから学ぶ、他者の人生を生きるという体験の大切さを教えたいものですね。 ----- これもまず大人のわれわれが、真摯に学ぶ気持ちを大切にしないといけませんね。 (July 20, 2005 05:35:13 AM)
こんばんわ。
この本私も読んでみます。 読んだ後にまた詳しく書きたいですが、我が家の息子は小5のときまだ真剣にサンタクロースの存在を信じていました。忘れられない思い出です。 (July 23, 2005 11:09:41 PM)
mimo0952さん
はじめまして。>こんばんわ。 >我が家の息子は小5のときまだ真剣にサンタクロースの存在を信じていました。忘れられない思い出です。 今大学生の息子は中2まで信じていました。その時のガッカリした顔と言ったら、、、。今でも本棚には「寒がりやのサンタ」が収まっています。 (July 24, 2005 12:07:36 AM)
おはようございます。
コメントありがとうございます。忙しさに紛れてなかなかブログの更新ができず、mimoさんのブログで私の本の紹介をしてくださっていたのに、気が付かず失礼しました。 この本はお勧めです。治療を要するほどでなくても、やはり心に異界を持つ子供は少なくないと思うし、子供を見守ることの大切さをあらためて感じました。 >読んだ後にまた詳しく書きたいですが、我が家の息子は小5のときまだ真剣にサンタクロースの存在を信じていました。忘れられない思い出です。 サンタクロースは息子さんにとっても、お母さんであるmimoさんにとっても大切な存在なんですよね。mimoさんのサンタクロースさんに対する思いもうかがいたいです。 (July 24, 2005 07:53:18 AM)
よもぎさんの息子さんも長く信じていらっしゃたのですよね。男の子の方が一途なのかなぁ。
娘は絵本などの想像の世界でサンタクロースを楽しんでいたから、現実の世界にサンタクロースが存在するかどうかにあまり関心がなかったようです。 小学校4年生位の時に夫にサンタクロースがいるか尋ねたそうですが、先日娘に確かめたら聞いたことをすっかり忘れていました。プレゼントに対しても特にこだわることもなく、サンタクロースが忘れずにプレゼントを届けてくれることが嬉しかったみたいです。 (July 24, 2005 08:02:34 AM)
ちょっと話がずれますが・・・
以前,読んだのですが,非行に走る子どもたちの家庭の特徴として,「親がアイロンをかけない」「家の中に花を飾ったことが無い」と言うのがあり,とても印象に残りました。 要するに,生活に潤いを持たせるような気持ちが無いとか,その余裕が無い,と言う事のようです。 アイロンも花も,生きていくためにどうしても必要と言うわけではありませんが,それによって生活をより良くするということができます。 そういう姿を見せない親に育てられて子どもたちが荒れる,と言うことになるそうです。(全部が全部非行に走るようになるとは言えないでしょうけれど,データとしてそういう特徴があるそうです) 「サンタクロースをいくつまで信じることができたか」と言うのも,それに準ずることのように思いました。 親の考え方,生き方が子どもにいかに大きく影響するか,と言うことですね。 (July 24, 2005 09:39:46 PM)
ポンチョ♪さん
>要するに,生活に潤いを持たせるような気持ちが無いとか,その余裕が無い,と言う事のようです。 >アイロンも花も,生きていくためにどうしても必要と言うわけではありませんが,それによって生活をより良くするということができます。 全く同感です!宣伝になってしまいますが、私の人間関係回復、自己回復のカウンセリングでは、生活を明るく楽しくする工夫を採り入れ、それを少しづつレベルアップしていきます。 日本ほど、カルチャースクールでお茶やお花を習う人が多い国も珍しいのに、果たしてその家庭に花が見あたらない、、、不思議です。 (July 24, 2005 11:16:23 PM)
非常に良い本でした。
この著者の岩宮恵子氏は、真摯で謙虚な姿勢で臨床心理士という仕事に取り組んでおられ、感銘を受けました。取り組む姿勢のみならず、クライアントの心の世界の分析や理解もとても深く、時に涙のでる思いでした。 『思春期をめぐる冒険ー心理療法と村上春樹の世界』も読んでみようと思います。 良い本をご紹介いただきありがとうございました。 (July 25, 2005 10:03:13 PM)
返事が遅くなってごめんなさい。m(_ _)m
>以前,読んだのですが,非行に走る子どもたちの家庭の特徴として,「親がアイロンをかけない」「家の中に花を飾ったことが無い」と言うのがあり,とても印象に残りました。 アイロンがけにお花…。 ワイシャツは形状記憶、ハンカチはタオルハンカチ、アイロンをかける機会はめっきり減ってしまいました。子供がクラブの春合宿で使ったゼッケンも洗っただけで、まだアイロンをかけていません。すぐにできることなのに億劫になっていて、冬合宿まででいいという言葉に甘えています。(~_~;) お花は好きですがすぐ枯らすので、貰ったお花を飾るだけ。(^_^;) >要するに,生活に潤いを持たせるような気持ちが無いとか,その余裕が無い,と言う事のようです。 そう、その通りです。親に余裕がなく、家庭に潤いがないと家に帰る楽しみがありませんものね。 >アイロンも花も,生きていくためにどうしても必要と言うわけではありませんが,それによって生活をより良くするということができます。 より良くしようとするぷらすαの部分が結局、心のよりどころになるということですね。 >親の考え方,生き方が子どもにいかに大きく影響するか,と言うことですね。 私も子供に与える影響力の大きさをヒシヒシと感じています。 (July 27, 2005 05:24:36 AM)
いつもながら、経験に基づいた鋭い観察になるほどと唸りました。
>日本ほど、カルチャースクールでお茶やお花を習う人が多い国も珍しいのに、果たしてその家庭に花が見あたらない、、、不思議です。 家庭での伝承が廃れ、家族のつながりが希薄になり、円満な人間関係を築くことができなくなっているのですね。 >全く同感です!宣伝になってしまいますが、私の人間関係回復、自己回復のカウンセリングでは、生活を明るく楽しくする工夫を採り入れ、それを少しづつレベルアップしていきます。 私もよもぎさんのカウンセリングを受けてみたいなぁ。あれもしたいこれもしたいと理想ばかり高くなって、こなしきれていない現実の自分にうんざりしています。 (July 27, 2005 07:49:31 AM)
さっそく感想を寄せていただいてありがとうございます。
>この著者の岩宮恵子氏は、真摯で謙虚な姿勢で臨床心理士という仕事に取り組んでおられ、感銘を受けました。取り組む姿勢のみならず、クライアントの心の世界の分析や理解もとても深く、時に涙のでる思いでした。 性急に成果を求めるのではなく、忍耐強く子供と接することによって、本人の持てる生きる力を引き出していく力量は本当に素晴らしいものだと思いました。心理療法士としての勤めを果した時に、クライアントの別れが訪れるというのが切ないですね。 (July 27, 2005 07:51:59 AM)
ポンチョ♪さん
花とアイロン、どきっとしました。私、アイロンかけ、しますが、嫌いな家事の一つなんです。花はすぐ枯らすので、観葉植物が少し置いてあるだけで、殺風景なリビングです。花やアイロンのことだけじゃなくて、生活には潤いと余裕が必要ですね。 (July 29, 2005 07:55:41 AM)
googieさん
私もアイロンは嫌いです。 でも,必要最低限だけはやります。 給食当番の白衣とか・・・^_^; 小学校1年生の給食のしたくも手伝っていますが, 家庭によって,白衣がくちゃくちゃのままだったり,きちんとアイロンがかかって,折り目もきれいについていたり,様々です。 やんちゃな男の子の家はアイロンがかかっていない確率が高いですね。 (July 30, 2005 09:13:12 PM)
「思春期をめぐる冒険」も読んでみました。
「生きにくい子どもたち」よりちょっと詳しくちょっと難しいです。私のところを覗いてみてくださいね。 (August 5, 2005 11:34:37 PM)
ご無沙汰しました。少しの間ですがロンドンに滞在しておりました。ずっと本にかかりきりで旅の準備をしていなかったのでこのブログを書いた後、余裕がなくなってしまい、大変失礼しました。m(_ _)m
時差ボケが治らないまま、慌しく今日から仕事でした。花を飾り、まめにアイロンをかける日々はまだまだ遠そうですが、潤いのある生活に私もあこがれています。 UKでの話も綴っていきたいと思いますのでまた遊びに来てください。(^o^)/~ (August 14, 2005 09:59:39 PM)
すっかりご無沙汰してすみませんでした。旅にでることをみなさんにお知らせしようかとも思ったのですが、行き先を告げるとかえってご心配をかけそうだったのでこっそり出かけました。
テロが起こるずっと前にホテルと飛行機は押さえていたのですが、心配するので地下鉄には乗らないという約束で家族に許してもらいました。 飛行機の事故も多いので私自身もちょっぴり不安だったのですが無事帰ってまいりましたので、またよろしくお願いします。 ところでアイロン…、私も給食当番の白衣は毎週末、娘が持ち帰ったものを洗い、糊をしてアイロンを当てていました。毎週当てていると形がついていて手間もかかりませんでした。社会に出た頃は、休みの日にまとめてハンカチにアイロンを当てて休息の日を感じていました。 必要性がなくなってすっかり怠けています。(汗) (August 14, 2005 10:22:57 PM)
コメント&トラックバックありがとうございました。御礼が遅くなってすみませんでした。
mimoさんはとても丹念に本を読まれていて、「楽しく英語♪」はとてもいい道しるべになりますね。 (August 14, 2005 10:30:14 PM)
くるみ もちさん
ありがとうございます。 そんなこといっていただいてうれしいです♪ もうやめようかなぁと思っていたくらいだったの。 もう少しつづけてみますね。 (August 18, 2005 09:37:08 PM)
こんにちは。遊びにきました。
>「生きにくい子どもたち」 >同年代の子供を持つ親としては、興味を感じつつ、触れるのが怖い部分でもありますが、彼らが生きる異界にぐいぐい引き込まれていきました。 面白そうな本ですね。確かに、供を持つ親としては、怖い本でもありますよね(冷汗)。 >「サンタクロースをいくつまで信じることができていたのかというのが、その人の幼少期の幸福度を示すバロメーターになる、といわれることがある。」 オランダには、以前日記で書いたのですが、サンタクロースの原型となるシンタクロースが12月にやってきます(というか、信じられています)。うちの息子をはじめ、オランダの子供達は全く信じていないようです。うちの息子の幸福度はどうなんだろうか??? この一文には、ドキッとしました。 ただ、オランダに住んでいる子供達はイキイキとしていて、本当に子供らしく笑います。オランダの大手コンサルタントのアンケートによると、90%以上のオランダの子供達は「幸せだ」と感じているとか。 オランダ語、ドイツ語、英語の語源に関して書きたいので、くるみもちさんの関連する日記にトラックバックさせてくださいね。 日記楽しみにしています。 (August 21, 2005 10:31:27 PM)
すっかり返事が遅くなってすみません。
>もうやめようかなぁと思っていたくらいだったの。 >もう少しつづけてみますね。 そうですよ、もったいないですよ。 やはり読む人がいる方がはりが出ていいと思います。どんどんトラックバックしてくださいね。 と言いつつ、トラックバックパムが発生しているそうで、現在受け入れを拒否しています。拒否設定をしたら既登録分も表示されなくなってしまいました。すみません。m(_ _)m 終息したら受け入れを再開しますので、再表示できると思います。すみませんが少し待ってくださいね。 (August 25, 2005 03:56:15 PM)
お出でいただいてありがとうございます。すっかり返事が遅くなってすみません。
>>「サンタクロースをいくつまで信じることができていたのかというのが、その人の幼少期の幸福度を示すバロメーターになる、といわれることがある。」 >オランダには、以前日記で書いたのですが、サンタクロースの原型となるシンタクロースが12月にやってきます(というか、信じられています)。うちの息子をはじめ、オランダの子供達は全く信じていないようです。うちの息子の幸福度はどうなんだろうか??? >この一文には、ドキッとしました。 大丈夫! サンタクロースは一つの例であって、いかに子供の世界を大人たちが大切にしているかと言うことがポイントなのです。サンタクロースがやってこないお家だってちゃんと幸福は存在します。 サンタクロースは聖ニコラウスのオランダ語訛りの英語といわれるので、オランダとの縁は浅からぬものがあります。シンタクロース、興味深いですね。お邪魔してみます。 トラックバックありがとうございます。 ところが現在トラックバックパムが発生しているそうで、受け入れを拒否しています。拒否設定をしたら既登録分も表示されなくなってしまいました。すみません。m(_ _)m 終息したら受け入れを再開しますので、再表示できると思います。 (August 25, 2005 04:08:40 PM)
パティターニさん、ごめんなさい。
「シンタクロース」ではなく、「シンタクラース」ですね。Sinterklaas、パティターニさんのブログを読んでやっと気付きました。 パティターニさんのシンタクラースのブログはこちら↓ http://plaza.rakuten.co.jp/patitani5555/diary/200411160000/ (August 25, 2005 04:50:16 PM) |