【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

だだもれ堂筆記

だだもれ堂筆記

フリーページ

2006.07.31
XML
カテゴリ:旅行けば
本日長文。

故郷を離れてからの時間のほうが長くなった今、
育った家があった辺りに行ってもあまりにも様相が変わっていて分からない。
学校は校舎が新しくなり、商業地は地方都市のご多分に漏れず郊外に移り、
新しい道路や住宅地の地理はさっぱり分からない。
もはや懐かしいという気分にはなれない。

かつての駅前商店街は人もまばらで、建物が歯の抜けたように消えた後には
時間貸しの駐車場ばかりが目立つ。そしてビジネスホテル。
市内で普通に温泉が湧く土地なので、どこも温泉大浴場が売りになっている。

しかし光や風は相変わらず。

関東よりも低い位置から太陽が照らす影は常に少しばかり長く、
道東なので日中どんなに暑くなっても夕方になれば風はもはや涼しい。
道南や道央以外では夏も長袖を準備しないと風邪を引く。
夕刻の光は秋を思わせるのでなんだかとても寂しくなる。

夏の盛りの手前で既に秋の気配が透けて見えるのが北海道かもしれない。
学校の夏休みは盆明けと共に終わる。盆が過ぎるとはっきりと秋になる。



屈斜路湖から摩周、阿寒へ日帰りで行った。
屈斜路湖を津別峠から見下ろすと雲がかかっていたが、

kussharo

摩周湖はかっきりと晴れていた。

mashu

「霧の摩周」というイメージがやたらに強いが、霧が一日中かかる日は
実は意外に少ない。一番霧のかかる夏でも全く見えないという日は月に数日。
朝は霧がかかりやすいが、日中は晴れていることも多い。
現に私も10回以上摩周に行ってるが、霧の摩周は見たことがない。
ただし、地元民なので天気の悪い日にわざわざ行かないということもあるが。

阿寒湖へ。屈斜路、摩周、阿寒一帯はだだっ広い国立公園になっている。
阿寒湖というとマリモだが、実際阿寒湖の周辺はほぼ原生林。
なぜか観光船の船着場に屋形船があったが、夜屋形船を出しても明るいのは
湖畔のごく一部の温泉街だけで、あとは真っ暗なはず。何に使うのだろう。
湖の周囲はこんな感じ。

akan

マリモの棲息エリアは温泉街とは反対側で見ることは難しい。
モーターボートで湖上観光すれば見に行けるかもしれないがよく分からない。
とりあえず観光船に乗って湖上のチュウルイ島に行けばマリモが見られる。

marimo

サッカーボール大のもある。年月を経て壊れたマリモなんてのも展示してある。
ちなみに観光船で紹介される「アイヌの悲しいマリモ伝説」というのは
大正時代に朝日新聞の記者(もちろんアイヌではなく和人)が創作したもので、
本来のアイヌの伝説は、阿寒湖の神様に追い出された嫌われ者の菱の実が
腹いせに草を丸めて湖に投げ込んでできたのがマリモである、というもの(笑

…まあ悲恋絡みの偽物伝説の方が一般受けはいいかもしれないとは思う。

湖畔には土産物屋が並んでいて、木彫りの彫刻などを店頭でやっている。
価格交渉ができるので、まとめ買いをする時には忘れずに値引きしてもらう。
昔は店頭でヒグマの仔を飼っている土産物屋もあったが、今はもちろん
許可されていないし土産物屋自体も相当減った。温泉街も寂しくなった。



阿寒から足寄に抜ける途中、車に向かって走り寄ってきたのが

kitakitsune

こいつら、まだ子どもだった。
それでも人間から餌をもらうことをすっかり覚えている。

餌をやること自体も良くはないが、決してキツネに触らないように注意。
北海道、特に道東や道北のキツネは、人間に感染すると肝臓に寄生する
エキノコックスという寄生虫を持っている(肺や脳、骨髄に入ることもある)。
エキノコックスは道外では知られていないせいか、本州からの観光客が
気安く野生のキツネを触っているのを見て震え上がったこともある。

ヒトに感染するエキノコックスは駆除薬がなく手術で取り除くしかないが、
手遅れになると多臓器不全で死に至るというなかなか激しい寄生虫である。
潜伏期間は約10年。道民は市町村の検診で血清検査を受けることができるが、
他県民は症状が進んで初めて分かることも多い。

糞に混じった卵がキツネの毛や湧き水、山菜などに付いて経口感染する。
キツネに触ったり直接餌を与えるのはものすごく危険である。
野生のキツネのエキノコックス感染率は地域によるが、実に最大60%以上。

野鼠やキツネの糞を食べた飼い犬からもエキノコックスが検出されている。
そのため北海道で飼い犬のリードを外すとエキノコックス感染の可能性がある。
感染率約1%だが、北海道で犬に触った後は必ず手を洗う方がいい。

なお、キツネや犬には成虫が寄生するので駆虫剤が有効である。



北海道の高速道路は130km、郊外の国道や農道は100km、市街地は70kmで
走行するのが普通である。レンタカーなら他所者と分かるので煽られないが、
道は極力譲るほうがいい。道民ドライバーと張り合うのは危険である。
割り込みや追越、車線無視など老人でもなかなかアグレッシブな走りをする。

道東の高速道路には車はほとんどいない。下道で十分高速道路並みに走れる。
ドライブの目安として、1時間で80km走るという計算が成り立つ。
ただし覆面パトカーやネズミ捕りも相当多いので、レーダーが普及している。
免許取り消しにならないようくれぐれもご注意を。



両親が今住んでいるところから遠くない公園の一部。牧草地ではない。

kouen

繰り返すが、ここは帯広市内の公園の一部の写真である。全体ではない。
この広場の一周は推定800m(とジョギングに行った夫が言っていた)。
この広場の更に奥に、ボートに乗れる池や遊具のある公園などがある。
支庁(北海道内を更に分割した行政単位)所在地で人口17万人強。
市の面積は大阪府の1/3に相当し、十勝支庁の面積は岐阜県とほぼ同じ。
東京都の約5個分弱。支庁内の総人口約36万人。人口密度33人。
全国平均が330人ぐらいだから、実に1/10。東京の1/160。

…人、少ないよなあ。

町中全体の閑散とした雰囲気も致し方なし。
人が少ないうえに車での移動がデフォルト(田舎はどこもそうだけど)なので
歩道があっても人が滅多に歩いていない。
長続きする商売が少なく、活気があるのはごく一部の大成功した地元企業と
本州や札幌資本のチェーン店ばかり。シャッターの下りた建物も目に付く。


故郷で暮らしていた頃は気候や環境や社会情勢が一緒くたになって醸し出す
終末感めいた寂しさに全く気付くことはなかったが、今改めて
半ば他所者となった目で見ると、「地方の衰退」という言葉が身に沁みる。

実家の農業を継いだ高校時代の同級生が、以前同窓会で
「この辺りの同世代のサラリーマンよりは収入は多いよ」と笑っていた。
地域の一次産業の梃入れが結局地域再生には一番いいのではないかと思う。
中途半端なレジャーランドはもういらない。どうせ客はすぐに来なくなる。
それはグリュック王国の破綻でもう分かったはずだ。
田中義剛の「花畑牧場」を更に進めた何かが、たぶん今一番必要なのだろう。



駅前の豚丼屋「ぱんちょう」、焼肉の「平和園」、六花亭本店の喫茶室、
ジンギスカンの「白樺」は並んで食べてもいい。実際並んでいる。

そうそう、郊外の音更町にある柳月の新工場「スイートピアガーデン」で
昔懐かしい柳月の喫茶室にあったクレープが食べられたので感動。
六花亭本店や柳月本店、スイートピアなどではコーヒーが無料で飲める。

高橋まんじゅう店(と言いつつ実は大判焼屋)も外せない。
地元民で「たかまん」を知らない奴は他所者のスパイとして粛清される(嘘
ここのチーズおやき(おやき=大判焼)もあんこおやきも蒸しパンもいける。
いっぺんに20個とか30個買う地元客はざらで、札幌から来る強者もいる。
実はここだけの話だが、経営者兄弟の片方とは高校の同期である。

クランベリーの巨大スイートポテトもファンはなかなか多い。
ただここの他のお菓子には食指が動かないのと、店員の接客水準が
昔は「嫁入り前の行儀見習いで勤めに行くなら六花亭か柳月」と言われた
両店のレベルに遥か及ばない辺りが難点か…


最後は甘いもの情報ばっかりになってしまったので退却~(誰





六花亭のこれもいいけど

六花亭 十勝日誌 22個入


個人的には柳月のこっちが好みです。
夫はこれこれに魂を売り渡しています。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006.08.01 11:01:36
コメント(4) | コメントを書く


PR

カテゴリ

プロフィール

風任

風任

カレンダー

お気に入りブログ

procrastinate New! ぼちぼち7203さん

進化ありやなしや・・・ New! ★紺桔梗さん

竜飛岬から津軽半島… New! トイモイさん

東名高速事故 放浪の達人さん

おいでやす。郡山ハ… 郡山ハルジさん
贅沢な昼寝 らむ5262さん
STRAWBERR… VeryBerryさん

© Rakuten Group, Inc.