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だだもれ堂筆記

だだもれ堂筆記

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2007.06.17
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テーマ:中国&台湾(3302)
カテゴリ:旅行けば
中国にいた頃、同僚の奥さんの実家である農村に行ったことがある。
そこで同僚から聞いたのは、ある意味お上の横暴ともいえる一人っ子の強制。
無許可の2人目以降の出産は容赦なく財産を没収され、家屋も取り壊される。

その話をしたのは同僚と村の中を歩いていた時のことだった。
「あそこには前に家があったのですが、違法な出産で村政府に取り壊されて
家族も村から追い出されました」と家の土台の跡を指差して教えてくれた。

そりゃまたずいぶん乱暴な、とは思ったが、中国の農村ではお上による
無茶苦茶な話が掃いて捨てるほどあるので、そういうのもあるだろうな、
ぐらいにしか思わなかった。

地溝油の話を聞いた時もそうだったが、ある意味感覚が麻痺している。
中国なら何でもあり、というのが前提になってしまっている。

何というか、日本人的感覚ならとてもじゃないが信じられない、
と言いたいところなのだが、あの広大な国土に腐るほど人間がいると、
一人一人の人権なぞブルドーザでまとめてゴミ溜めに放り込む、みたいな、
自分に関係のない人間が虫と同レベルでしかないような感覚、
てんこ盛りの他人の群れに同じ人間としての連帯感が持てない、という感覚が
外国人である自分にも完全にではないが幾許かは分かってきてしまう。
その結果、中国の目を覆うような現実にも無感覚になっているのだろう。


最近、その種の無茶苦茶な一人っ子の強制政策に農民が反乱を起こした、
というニュースを目にして、そうかやっぱりなあ、と思ったのだった。
確かその反乱は広東かどこか中国南部だったと思うのだが、
おそらくニュースにならない小競り合いは中国各地で起こっているだろう。

いくら虫のように扱われる農民とはいえ人は人である。
人が人であるように扱ってほしいという要求は冷静に考えれば至極真っ当で、
中国の人権抑圧状況に怒りを覚える…という話で終わらないのが中国だ。


そうやって一人っ子政策に異議を唱えている農民も、もし自分が金持ちなら
袖の下を使って自分だけが罰則なしで何人もの子供を持つだろう。
もちろん他の農民が一人っ子を強制され財産を没収されているのを見ても
自分のことではないからと知らぬ振りを決め込むだろう。

もしかすると、自分の家では童養〔女息〕を養っているかもしれない。
「童養〔女息〕」とは、小さな女の子を子供のうちは労働力として、
成長後は息子の嫁にするために他所から買い取ったり、もしくは
大人の嫁をもらうよりも安い支度金で貰い受けたりして養う、
古くから農村にある人身売買および奴隷システムである。
もちろん禁止されているが、その習慣は現在も一向に無くならない。

お上の横暴に抵抗している農民が、もしかするとモグリの農村の工場で
偽物の薬や酒、地溝油をせっせと作って金儲けに励んでいるかもしれない。


抑圧者=悪、被抑圧者=善という単純な構図は中国では成り立たない。
抑圧者も被抑圧者も悪とか、その逆とか、あらゆる可能性がある。
本当に何でもあり、だ。

感情的な中国排斥論も中国擁護論も、所詮普通の日本人が考えることなら
自分も含めて中国の一面しか見ていないのだと思う。
まさしく「群盲象を撫でる」ってやつ。

中国に関しては、いくら日本人ががたがた言ってもどうにもなるまい。
所詮蟷螂の斧であり、傍観者に過ぎない。
アメリカがドルと軍事力で脅しても言うことを聞かないのだから当然だ。
あの国は、結局のところなるようにしかならない。
最近はそう思って生暖かく見守っている。





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最終更新日  2007.06.18 21:09:59
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