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だだもれ堂筆記

だだもれ堂筆記

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2010.07.03
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テーマ:中国&台湾(3302)
カテゴリ:旅行けば
トイモイ氏の日記にラサで根城にしていたヤクホテルのドミトリーのイラストがアップされていて、いろんな記憶が一気に蘇った。

あの部屋は中庭に面した1階の4人部屋で、男女混在のドミトリー1泊10元(約400円)。私のベッドはあのイラストの下に描かれている場所で、確か入り口のすぐ右脇。宿は2階建てのチベット建築で、部屋の柱や梁には色鮮やかなチベットの文様が描かれていた(イラストの柱のうにゃうにゃ模様がそれ)。

柱のすぐ下におかれているサイドテーブルの上にはココア等の他に桃の瓶詰めとかヨーグルトの瓶もよく置いてあった。ろうそくはもちろん頻繁に起きる停電用である。
桃はみんなが決まった時に開けて(蓋はマイナスドライバーでこじ開けなくてはならないという気合のいるアイテムだったが、中国暮らしの長い私は瓶詰めを開けるのに慣れていた上にそのためだけにマイナスドライバーを持って旅行していたので、開けるのはたいてい私の役目だった)食べるのが恒例で、その時のあまりの美味さに「究極の桃」と呼ばれていた。
ヨーグルトは「拉薩牛〔女乃〕公司」と中国語とチベット語で書いてある陶器の瓶に入っていて、食べた後瓶を店に返すとデポジット(1元)を返してくれる。ラサ土産にヨーグルトの瓶を1本日本に持ち帰ったが、四半世紀近く経った今もうちの箸立てに使われている。

あのイラストの上部、私の方から見ると柱の向こうには窓があって、宿の裏側の民家のチベット人のお母さんが洗濯物を干したりしている様子がよく見えた。
ガ〇ジャが決まり過ぎて翌日もボーっとしている時など、ベッドでごろごろしながら窓の外の風景を見ているのが好きだった。
タクさんのパスポート写真が当時の本人とあまりにも違っているのにみんな大受けだった。
ヒロさんの傷心旅行のきっかけになった出来事に笑っていいのか悲しんでいいのかよく分からなかった。

バルコルの土産物屋でマニ車25元(1000円)。レンタサイクル2元(80円)。ポタラ入場料1元(40円)。夕食(ご飯と炒め物3品を4人でシェア)2.7元(108円)。

ポタラの北側が田園地帯で、ラサの街中の建物は低かった。キリーホテルが4階建てで、ずいぶん高い建物に見えた。セラ寺への道は完璧な田舎道。ラサの街中はだらけた野良犬だらけで、けれども夜になると凶暴な野犬の群れになって出歩く人を追い回す。

まだ若かった私は、ラサやカシュガルへの1ヶ月以上の旅行の間に出会った風景と人からずいぶん大きな影響を受けた。その後の人生の方向を修正するほどに。
あの時のラサの面影は、おそらくもうほとんど残っていないだろう。

強烈な思い入れの無い成都でさえ、あまりの変わりように愕然とした。
思い入れのあった麗江の、無残ともいえるほどの人工的な整備状態には呆然とした。
その地の人にとっては望ましい変化であろうから単なる余所者の感傷は取るに足りないことではあるけれども。

例え機会があってももうラサに行かない方が良いのかもしれない。
いろいろなものが失われた今、ラサを見るのはおそらくとても辛いことになるだろう。





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最終更新日  2010.07.04 09:44:55
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