今日は、時期はずれに麗らかな一日でしたね。
日向はポカポカ。
…なんて言っても、私は例によって家の中に篭っていたのですが。
それでも、窓からさす陽も、春のような明るさでした。
朝、洗面所で歯を磨きながら、レースのカーテン越しの光を楽しむ私。
いつもより明るい洗面所。いつもよりキレイになれるでしょうか私。
と、見上げたところにホコリを発見!
ドアの蝶番の裏側や、天井との間の壁に、綿ボコリがついています。
『はるです はるのおおそうじ』。
絵本のタイトルが浮かびました。私もやらなければ!
こんな時のために、洗面所にも1本、<花王クイックルワイパー ハンディ>を用意してあるんですね。
あれでササッとなでれば、簡単にきれいになるはずです。
大そうじ、じゃないけど、いいんじゃない?
ところが、見つからないんですね、<クイックルワイパー・ハンディ>。
洗濯機の横に、置いてあったはずなのですが。
洗剤のボトルなど動かして探したのですが、ありません。
あれぇ?
この前使ったとき、確かにここに戻したはずなのに。
おかしいなぁ…洗濯機の裏側でしょうか。
防水バンのふちによじ登り、洗濯機を抱えるようにして、後ろ側を覗きました。
ありました!
洗濯機と壁との隙間に、さっき見つけたものより迫力のある綿ボコリと一緒に横たわっています。
取り出せば、一緒に綿ボコリも取れて、念願の大そうじになりそうです。
とは言え、どうやったら取れるでしょう?
コロコロクリーナーを突っ込んでみました。
うまいこと、くっつきましたが、重さゆえか上まで釣り上げることはできません。
よし!
しょうがないね。手で取りましょう、手で。
20数センチの、洗濯機横のスペースから、洗剤のボトルなどちょっとどけて、右腕を伸ばしました。
もちろん、ちょっとやそっとじゃ届きません。
ぐぐ~っと…身体を入れてやる感じ。
結構、入っていけるものね。
あたしゃ、猫か?とさえ思いましたよ。
無事、<クイックルワイパー・ハンディ>に手が届きました。
しかし!
戻れない!
入ったものが抜けない、という、あれです。
イソップ童話で、壺に手を入れて金貨をつかみ、手が抜けなくなったキツネの話を思い出します。
でも、せっかくの<クイックルワイパー・ハンディ>、簡単に手放すわけにはいかないので、手首のスナップをきかせて投げる!
うまいこと、左腕の上に落ちました。これで、あとで拾うことができますね。
私がここから出られれば、ね。
何故戻れないかと考えますと、入ったときには、足で床を蹴る力を使ったわけです。
それが、今や、床に足がついていない。
つまり、踏ん張れないわけですね。
どこに力を入れても、うまく体勢を戻すことができない。
決して、潜り込んだあと太ったわけではない…
私は、ひらめきました!
かの、くまのプーさんも、ウサギの穴に半身を入れてハチミツをご馳走になり、出られなくなりました。
あれも、太ったせいばかりじゃないのではないか?
足を踏ん張って、身体を引き出すことができなかったからではないのか?
などと思惟するも…
このままでは、家族が発見してくれるまで、ここでこうして…
そんなわけにはいかないので、もうこうなったら死に物狂い。
どこをどうしたか自分でも覚えていませんが、なんとか這い出すことができました。
自分の髪の毛や割烹着全体を、巨大な<クイックルワイパー・ハンディ>状態にして…
大そうじ、完了ですね!
え?違いました。
ドアの後ろと上を、なでるんでしたね。
本物の<クイックルワイパー・ハンディ>で。