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レンタルDVDで『私がクマにキレた理由』を観ました。
ベビーシッターの目から見た上流階級の実態をリアルに描いた ベストセラー小説『ティファニーで子育てを』を映画化した作品で、 監督は『アメリカン・スプレンダー』のシャリ・スプリンガー・バーマン とロバート・プルチーニで、主演はスカーレット・ヨハンソンです。 大学を卒業し、女手一つで育ててくれた母の期待に応えるべく ニューヨークの超巨大金融会社に就職するために面接を受ける アニー(スカーレット・ヨハンソン)でしたが、 質問に答えられない自分に愕然とし、その場から逃げ出してしまいます。 自分の将来はどうなってしまうのかと、 公園で途方にくれていたアニーでしたが、 目の前で電動バイクにはねられそうになった男の子を助けます。 それをきっかけにアニーはその男の子のベビーシッターとして 働くことになりますが、男の子の母親ミセスX(ローラ・リニー)の 自分勝手なゴージャスセレブぶりは想像を絶するもので、 アニーは24時間ずっと下僕のごとく働くハメになり……。 最後までストレスなくスッキリと観られて、 あとあじ爽やかな、近年まれにみる心地よい映画でした。 アメリカ版『家政婦は見た』といった感じの、 金持ち上流家庭を皮肉った社会派風刺コメディーなのですが、 一貫して真面目かつハートウォーミングに描かれているので、 スッキリとした印象があります。 そして何よりも良かったのは、 ありがちなあざといハプニングを起こすことなく、 日常描写に焦点を絞っているところです。 両親が喧嘩に明け暮れ、怒鳴りあう声が子供部屋まで聞こえてくる毎日、 それが子供にとってはどんなに辛いことか……。 そして子供の面倒を全てベビーシッターに押しつけ、 勝手な要求を次々と出してくる傲慢な母親も、 その虚飾を剥ぐと、旦那の高圧的な態度や浮気に悩む惨めな女であり、 金持ちは必ずしも幸せではないというテーマが浮き彫りになります。 そして物語全体に変なあざとさが感じられないので、 全てがすんなりと心に入ってきます。 そして主人公のスカーレット・ヨハンソンが、 おっとりとしていつつもまっすぐな心の女の子アニーを 好演しているのですが、 最後に言いたいことをしっかり言い切るアニーの言葉には、 心底スッキリさせられるとともにホロリとさせられます。 ただアニーのラブロマンスの部分が、少々都合良すぎるのが興ざめではあり、 そこがマイナスポイントではありますが、まぁ問題ないでしょう。 日本の郵便貯金350兆円のうち、 150兆円をすでにひそかに強奪しているとされる、 日本に巣くう寄生虫である某会社が実名で出ていると聞いていたのと (その某会社の実態を知ってしまったであろう女子アナウンサーが、 殺されて自殺ということにされています)、 同じ監督による映画『アメリカン・スプレンダー』が、 悪くはないけど辛気くささを感じさせる映画だったので、 観る気がしなくて見逃していた映画なのですが、観て良かったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年04月15日 10時32分52秒
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